急速に発展する建設分野での生成AI援用の現在地を多分野に渡り追跡(第七回)|深堀り取材【毎月3回更新】

建設業における設計や施工現場のみならず建設後の施設管理においてもAI援用の動きが急速に広がっている。
本稿では、アケボノのAI技術を活用して外壁やシーリングの劣化を瞬時に検出・スコアリングする「AI建物劣化診断サービス」など、アーリーリフレクションの維持管理データをBIM/CIM上で可視化し活用するBIMSTOK+ AI活用のデータ連携ツールEarly IOについて概説する。
AIで建物診断&修繕後を可視化する新サービスで潜在リスク発見+修繕後の仕上がり画像化
アケボノ(熊谷市: 代表取締役細田健氏)では、AI技術を活用して外壁やシーリングの劣化を瞬時に検出・スコアリングする「AI建物劣化診断サービス」と修繕完了後の美しい姿を再現する「AI修繕ビフォーアフター生成サービス」の新サービスの提供を開始した。
職人の豊富な経験値に、AIの科学的な解析力を掛け合わせることによって診断の透明性と信頼性を格段に向上させる。加えて言葉や図面だけでは伝わりにくかった修繕後の仕上がりを具体的な視覚情報として提示することで、企業担当者・マンションオーナーの大規模修繕工事における不安を解消し、早期の意思決定と資産価値の向上をサポートする。

大規模修繕工事においてオーナーが持つ様々な疑問にスムーズに答えるAI活用サービス提供
従来、大規模修繕工事においては、企業担当者やオーナーにとって「本当に今、この修繕が必要なのか」「高額な費用をかけてどれだけ綺麗になるのか」との判断が非常に難しい課題であった。合わせて専門知識のないオーナーへの説明や工事中の騒音・足場設置に伴うテナント(入居者)への説明には、多大なコミュニケーションコストとリスクが伴っていた。
アケボノでは、これらの課題を解決すべく、「科学的なデータによる納得感(劣化診断)」と「直感的な未来のビジュアル(ビフォーアフター生成)」を連動し、提案から合意までをスムーズに繋ぐAI活用サービスの提供を開始した。
AIが瞬時に検出・分析する次世代の建物診断サービスとしての「AI建物劣化診断サービス」
AI建物劣化診断サービスについては、現地調査で撮影した写真から人目では見落としがちな微細なひび割れ、シーリングの破断、コンクリート内部の鉄筋腐食リスクなどをAIが瞬時に検出・分析する次世代の建物診断サービスとして提供する。
コンクリート内部に潜む「鉄筋腐食リスク」までを瞬時に検知するなど見落としのない緻密な検出力を持つ。職人の主観に頼らず、科学的データに基づいて緊急性を正確に判定する客観的な4段階評価を実行する。複雑な劣化状況をまとめた詳細な診断レポートをその場で即座に作成・発行するスピードレポート作成機能も持つ。現場調査報告書は、物件概要、総合診断結果、現場調査総評、部位別劣化診断(現場写真と詳細解説)などから構成されている。

修繕工事完了後の美しい姿をAIが再現する「AI修繕ビフォーアフター生成サービス」
AI修繕ビフォーアフター生成サービスは、深刻な劣化状況を撮影した「ビフォー」の現場写真から、修繕工事完了後の美しい姿をAIが再現するサービスとして提供する。
専門工事の「見える化」については、高耐久シーリングの打替え、クラック補修、弾性塗装、鉄部防錆塗装など言葉では伝わりにくい複雑な補修後の仕上がりを画像化する。
クオリティの提示については、美観が完全に回復した最高レベルの仕上がりイメージを一目で比較・確認する。現地調査時にビフォーの写真を撮影、撮影写真と要望を基にAIへ指示、 アフター画像を生成するなどの簡単3ステップを持つ。

資産価値の向上を直感的にイメージできるため高額な修繕工事への不安を可視化して解消
導入によるメリットを検証する。受注・早期決断の強力な後押しとなる。潜在的な雨漏りリスクを早期に可視化(コスト削減)すると共に、「資産価値の向上」を直感的にイメージできるため高額な修繕工事への不安を解消し、早期成約へ導く。提案時のコミュニケーションコスト削減を実現する。専門知識のない担当者・オーナーに対しても、データ(科学的根拠)とビジュアルで瞬時に納得してもらえる説得力が生まれる。
テナント(入居者)へのスムーズな説明を可能にする。具体的には、工事中の騒音や足場設置に対する不満に対して「工事後はこれだけ綺麗になります」という安心感のある事前説明の材料として活用できる。
AIサービスの導入によって大規模修繕業界の不透明さを解消+施主との高い信頼関係を構築
アケボノは、塗装・防水をメインとした大規模修繕に特化した専門企業である。「安心で快適な改修工事の提供」と「社員の幸福追求」を理念に掲げ、県Aランク等の高い技術力と1日約150人の職人の稼働体制を誇る。
!00%下請けから脱却し、見積もりの明文化や膜厚測定の数値開示で不透明さを打破していく。完全分業制や画期的なAI教育システムによって生産性を極大化し、酷暑の街・熊谷の豊かな未来づくりに貢献する。
今後の展望については、当該AIサービスの導入によって大規模修繕業界の不透明さを解消し、施主との高い信頼関係を構築する。解析精度をさらに向上させ、「北関東ドミナント((2026〜27年)」、「首都圏拡大(2028〜29年)」を進め、2031年には「売上100億円・従業員200名体制」の確立を目指す。
高い生産性による従業員の高待遇化を進めると共に、既存建物の資産価値を最大化する「建物再生事業」を通じて解体抑制やCO2削減を実現し、地球環境保全という社会的価値をもって日本のインフラを次世代へとアップデートしていく。
施設管理クラウド「BIMSTOK」とデータ連携ツール「Early IO」によるソリューション提供
アーリーリフレクション(千代田区: 代表取締役田中喜之氏)では、「BIMSTOK」とエンタープライズ向けデータ連携ツール「Early IO」による維持管理データ活用ソリューションを提供する。
これによって、従来まで分断されていたBIM/CIMと維持管理データ(点検記録、設備台帳、IoTセンサー情報など)を繋ぎ、複数システムにまたがる情報をBIMSTOK上で一元的に管理・活用できる環境を大きな工数をかけずに構築できるようになる。更に加えて、従来は個別開発が必要だったシステム間連携を標準化することによって連携の立ち上げを迅速化すると共に、近い将来の連携先システムやデータの変更や追加にも柔軟に対応可能となる。
維持管理データをBIM/CIM上で可視化し活用するBIMSTOK+ AI活用のデータ連携ツールEarly IO
BIMSTOKは、維持管理データをBIM/CIM上で可視化することによって、従来、整理活用できていないデータの活用を可能にするサービスである。維持管理に最適化された設計によって一般的なBIM/CIMツールのように高性能なPCを必要とせず、事務用のPCでも快適な操作が可能となるなど、現実的、実用的な維持管理向け BIM/CIMツールとして最適なプロダクトである。

Early IOは、AI活用、データ活用のラストワンマイルを実現し、エンタープライズでのニーズに耐える企業のデータ連携ツールである。拡張性が高く、PoCから実運用へシームレスに展開ができるなど、柔軟な運用が可能で将来のニーズの変化によるシステムやデータの変更が容易な運用を実現する。

BIM・点検データ・設備台帳・センサー情報などを統合+システム横断の情報管理を実現
従来、建設業界では、BIM/CIMの活用が進む一方で、維持管理の現場では様々な課題が存在していた。当該する取り組みによってどのような効果が創出されるのかを検証する。
維持管理の現場では、点検記録や設備情報がExcelや各種システムに分散しているのに加えて、BIM/CIMモデルと実際の運用データが連携されていない。システムごとに個別の連携開発が必要で時間と手間がかかる上、大規模な連携基盤を構築しても、その後のシステム変更や追加に柔軟に対応できない。
特に維持管理フェーズでは、関係者ごとに利用するシステムが異なるため、情報が分断され、「どのデータが正しいのか分からない」状態が発生しやすく、BIM/CIMを中心とした運用の定着が進まない要因となっている。加えて、システム構成や運用方法が変化するたびに連携の見直しが必要となり、継続的な活用の障壁となっていた。
それらを解決するために、BIMSTOK × Early IOによって以下のような効果が創出される。
BIM、点検データ、設備台帳、センサー情報などを統合し、システムを横断した情報管理を実現するなど分断されたデータの一元化を可能にする。これまで必要だったシステム間の個別開発を最小化し、ノーコードで柔軟なデータ連携を実現することによって導入スピードの向上とコスト削減を可能にする。
BIM/CIMモデルやIoTデータなどの大容量データを安定して処理し、継続的な運用が可能な基盤を構築するなど、大規模データにも対応した安定運用が可能だ。監視・ログ管理機能によって安全性と可用性を担保したデータ運用を実現し、監視・ログ管理機能により、安全性と可用性を担保したデータ運用を実現し、エンタープライズレベルのセキュリティを確立する。
AIでの高度な運用支援機能開発を進めることで維持管理業務の更なる効率化と高度化を目指す
今後は、BIMSTOKとEarly IOの連携を強化し、維持管理業務におけるデータ連携の対象領域を段階的に広げていく。合わせて、蓄積されたデータを活用し、AIによる異常検知や予測保全など、より高度な運用支援機能の開発を進めることによって維持管理業務の更なる効率化と高度化を目指す。
アーリーリフレクションは、「世界を変えるはじめの反響となる」をミッションに、情報技術とデータ解析技術で社会課題に向き合う会社である。モバイルデータを始めとするビッグデータの取り扱い、大手ナショナルクライアント向けに、国内最大規模のユーザー数のシステムの設計から開発まで一貫して手がけてきた実績に加え、グローバルトップクラスの開発チームによる高品質・高セキュリティな開発を実現する。