国土交通省、PLATEAUビジョン2026を公表、都市デジタルツインの新戦略を策定

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国土交通省は、3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化を進める「Project PLATEAU」の今後の方針として、「PLATEAUビジョン2026」を策定しました。

2020年度の取組開始から6年目を迎え、これまでの成果と課題を踏まえた新たな戦略を打ち出しています。

329都市で整備が進んだPLATEAUの現状

Project PLATEAUでは、2025年度末までに329都市で3D都市モデルの整備が完了し、まちづくりや防災の分野を中心に約100件のユースケースが生まれてきました。3D都市モデルは、現実の都市を仮想空間上に再現することで、災害時の被害想定や避難経路の検討、まちづくりに関する住民との合意形成など、幅広い用途で活用が進められています。

一方で、取組が進むにつれてモデルの整備や更新にかかる費用の高さ、求められる品質とニーズとのずれ、業務プロセスへの組み込みの遅れといった課題も見えてきました。国土交通省はこうした状況を受け、今後の方向性を明確にする必要があると判断し、今回のビジョン策定に至りました。

PLATEAUが目指す3つの方向性

ビジョンでは、今後取り組むべき柱として3つの項目を掲げています。まず、データの整備や更新にかかるコストを抑えつつ、必要な精度を確保する「データ整備・更新の効率化」。次に、3D都市モデルをまちづくりの現場で日常的に活用してもらうための「サービス実装の更なる推進」。

そして、海外の都市が抱える課題の解決に貢献しながら、日本の技術力をアピールする「国外への都市デジタルツイン展開」です。これら3つの柱を軸に、2033年3月を期限とした具体的な目標とアクションプランが示されています。

目標達成に向けては、国だけでなく地方公共団体や民間事業者、大学・研究機関などが役割を分担しながら連携する体制の構築も重視されており、こうした産学官の協力関係を土台として、データの整備から活用、フィードバックまでが循環する仕組みづくりが目指されています。

衛星データとAIで整備を効率化

データ整備・更新の効率化に向けた取組の第一弾として、衛星データや生成AIを活用した新技術の開発内容も公表されました。従来、3D都市モデルの作成には航空写真の撮影が必要で、天候や飛行計画の制約を受けるうえ、専門事業者による手作業に多くの時間とコストがかかっていました。

建築物LOD2・面積10平方キロメートルの整備を例にとると、従来手法では作成に3〜6か月、コストは3,000万円から4,000万円ほどを要していたといいます。

これに対して新たに開発された手法では、衛星データをAIに読み込ませることで建物や道路のモデルを自動生成できるようになりました。作成にかかる時間は1〜2時間、コストは300万円から400万円程度まで抑えられる見込みです。

AIによるテクスチャ自動付与も実現

生成されたモデルについては、AIが自動で検証してエラーを検出し、再生成を繰り返す仕組みも組み込まれており、精度を保ちながら効率的にモデルを仕上げられる点も特徴です。あわせて、スマートフォンで撮影した位置情報付きの画像とAIを組み合わせ、建物の外観に近いテクスチャを自動で付与する技術も開発されました。

実空間に3D都市モデルを重ねて表示しながら撮影できる仕組みを取り入れることで、建物の位置を直感的に把握しながら効率よくデータを取得できるようになっています。人物や電線といった不要な写り込みをAIが除去し、欠損部分を補完する仕組みも備えています。

今後の普及展開

国土交通省は2026年度中に10都市を対象としてモデル自動作成技術の実装と普及を進め、2027年度には合意が得られた全国の都市への展開を目指す方針です。

テクスチャ自動付与の技術についても、2026年度にモデル都市で住民参加型の取組を試験的に行い、翌年度以降の全国的な普及につなげる計画です。

今回のビジョンに基づき、国土交通省は自治体や事業者、研究機関などさまざまな関係者と連携しながら、都市デジタルツインの活用を社会に根付かせていく考えを示しています。

出典情報など

出典:国土交通省,「PLATEAUビジョン2026」を公表します!~都市デジタルツインの社会実装に向けた取組方針を策定~,https://www.mlit.go.jp/report/press/toshi03_hh_000223.html,リリース日:2026-07-17