国土交通省、7月の建設工事受注高は10兆9,346億円で前年比2.9%増、4カ月連続の増加

国土交通省は9月10日、令和8年7月分の建設工事受注動態統計調査報告を公表しました。この調査は、全国の建設業者が公共機関や民間企業から受け取った工事の受注額を、発注者別や業種別、工事の種類別、地域別に毎月まとめたものです。
7月の受注高(元請と下請の合計)は10兆9,346億円にのぼり、前年同月と比べて2.9%増加しました。増加は4カ月連続となります。
業種別では総合工事業が減少
業種別では、総合工事業が5兆6,149億円で前年同月比6.2%減と前月の増加から再び減少に転じたのに対し、職別工事業は1兆8,342億円で同30.9%増、設備工事業は3兆4,855億円で同7.8%増と、いずれも4カ月から23カ月にわたって増加を続けています。
内訳を見ると、元請受注高は7兆1,398億円で前年同月比1.4%減、下請受注高は3兆7,948億円で同12.3%増と、明暗が分かれる結果になりました。
元請は公共・民間ともに減少
元請受注高の内訳では、公共機関からの受注が2兆1,428億円(同0.9%減、3カ月ぶりの減少)、民間等からの受注が4兆9,969億円(同1.6%減、5カ月連続の減少)と、いずれも前年を下回りました。
工事の種類別では、土木工事が1兆7,989億円(同0.9%増、2カ月連続の増加)、建築工事が4兆5,000億円(同3.0%増、先月の減少から再び増加)と伸びた一方、機械装置等工事は8,409億円で同23.0%減、3カ月連続の減少となっています。
元請業種別も明暗が分かれる
元請受注高を業種別に見ると、総合工事業は4兆4,739億円で前年同月比9.1%減と5カ月連続の減少となりました。一方、職別工事業は5,203億円で同41.8%増、設備工事業は2兆1,456億円で同9.8%増と、ともに5カ月から20カ月にわたって増加基調を保っています。
全体の業種別動向とあわせて見ると、規模の大きい総合工事業の落ち込みが目立つ結果といえそうです。また、資本金3億円以下の法人による受注高は7兆2,324億円で前年同月比14.6%増となり、中小規模の建設業者が全体の増加を下支えする形となりました。
公共機関の受注は3カ月連続増
1件500万円以上の公共工事に限ると、7月の受注工事額は2兆390億円で前年同月比1.4%増となり、3カ月連続の増加です。発注機関別では、国の機関からの受注が3,962億円(同3.2%減)と先月の増加から再び減少した一方、地方の機関からの受注は1兆6,428億円(同2.6%増)と、こちらは先月の減少から再び増加に転じました。
地方の機関の内訳を見ると、都道府県は5,866億円(同5.4%減)、市区町村は8,002億円(同3.3%増)となっています。工事分類別で金額が大きかったのは次の3分野です。
- 道路工事:4,095億円
- 教育・病院:4,010億円
- その他:2,175億円
民間の建築工事は大幅増
民間等からの受注のうち、1件5億円以上の建築工事・建築設備工事は1兆3,972億円で、前年同月比22.1%増と大きく伸びました。工事種類別では「工場・発電所」が4,063億円ともっとも多く、業種別に電気・ガス・熱供給・水道業からの発注が294.0%増と急拡大したことが押し上げ要因になっています。
次いで「事務所」が2,491億円、「住宅」が2,360億円と続きました。発注者別・工事種類別では、製造業の「工場・発電所」が2,046億円、電気・ガス・熱供給・水道業の「工場・発電所」が1,864億円、不動産業の「住宅」が1,518億円と、いずれも高い水準となっています。
民間の土木工事は減少基調
これに対し、1件500万円以上の土木工事及び機械装置等工事は9,535億円にとどまり、同20.3%減と3カ月連続の減少となりました。工事種類別では「機械装置等工事」が5,118億円で最も多く、「その他の土木工事」971億円、「鉄道工事」860億円が続いています。
発注者別・工事種類別では、製造業の「機械装置等工事」が3,391億円ともっとも多く、運輸業,郵便業の「鉄道工事」が860億円、電気・ガス・熱供給・水道業の「機械装置等工事」が846億円と続きました。建築部門の好調さとは対照的に、土木・機械分野は弱含みの展開となりました。
出典情報など
出典:国土交通省,建設工事受注動態統計調査報告(令和8年7月分),https://www.mlit.go.jp/report/press/joho04_hh_001391.html,リリース日:2026-09-10