【2026年最新】測量士とは?仕事内容・資格取得条件・難易度・年収を解説

掲載日:

測量士を確保すると、外注している測量業務をどこまで社内で担えるのでしょうか。資格取得の条件と実際に担当できる業務は別であり、測量士補との役割の違いも費用や人員配置に関わります。

本記事では、2026年の試験結果と賃金動向に加え、測量の自動化が進む中での測量士の価値についてみていきましょう。

測量士とは?仕事内容と測量士補との違い

測量士は、土地や構造物の位置・形状を計測する専門職であり、測量法に基づく国家資格です。現地で計測するだけでなく、作業計画と測量結果の確認も担います。建設工事では、設計と施工で共通して使う位置や高さの基準を扱う仕事です。

測量士が担当する主な業務

測量士の仕事は、以下のように工事の進行に合わせて変わります。

  • ·        着工前:現況測量と工事に使う基準点の設定
  • ·        施工中:構造物の位置を示す墨出しや掘削の基準を示す丁張り
  • ·        施工後:完成した構造物の寸法・形状の確認
  • ·        データ処理:測量結果の計算と図面・三次元データの作成

発注時は、測る範囲に加えてデータの用途を伝えましょう。土量の算出と構造物の位置確認では、必要な精度や成果形式が異なります。

測量士補との違いは計画を作成する役割

基本測量や公共測量では、測量士が測量計画を作成して測量を実施します。測量士補は、測量士の作成した計画に従って測量する役割です。資格の違いは、単なる経験年数の差ではありません。

個人の測量士登録と会社の測量業登録も別の手続きです。測量業登録には、営業所ごとに常勤の測量士を1人以上置く要件があります。測量士補では代替できないため、測量業務の受注を検討する際は配置要件も確認しましょう。

測量士になるには?資格取得の条件と実務経験

測量士になる方法には、国家試験に合格する経路と、所定の学校で学んで実務経験などの要件を満たす経路があります。社員の育成計画は、卒業校と履修科目を確認してから立てます。

取得経路実務経験主な条件
測量士試験に合格不要測量士補を取得していなくても受験可能
所定の大学を卒業1年以上測量に関する所定科目を履修
所定の短大・高専を卒業3年以上測量に関する所定科目を履修
登録された測量士補養成施設を修了2年以上1年以上の課程で所定の知識・技能を修得
測量士補が登録された測量士養成施設を修了追加実務の要件なし1年以上の課程で高度な知識・技能を修得

大学を卒業していれば、学科を問わず登録できるわけではありません。履修科目などが資格要件を満たすか、国土地理院の案内と照合する必要があります。学位授与などに関する認定経路もあるため、表の経路に当てはまらない場合は個別の要件を確認しましょう。

在籍年数ではなく測量に従事した日数で確認

実務1年の基準は、従事期間1年以上かつ測量に従事した日数225日以上です。2年は450日以上、3年は675日以上となります。会社に在籍していた期間だけでは、必要な実務経験を証明できません。

また、測量士補試験に合格した人が経験を積むだけで、自動的に測量士になる制度ではありません。試験以外の経路を使うなら、学校での履修と実務の両方を確認します。担当した測量の種類と従事日数は、育成を始めた段階から記録しましょう。

測量士試験の難易度|2026年の合格率は24.2%

2026年の測量士試験は3,966人が受験し、961人が合格しました。合格率は24.2%です。年ごとの差が大きいため、前年の合格率だけを根拠に学習期間を決めるべきではありません。

実施年測量士の合格率測量士補の合格率
2024年13.0%31.4%
2025年40.2%51.2%
2026年24.2%44.4%

受験資格と合格基準

測量士試験には学歴や年齢、実務経験による受験制限がありません。測量士補を取得せず、直接受験することもできます。2026年の試験は5月17日に実施されました。

午前は択一式で700点満点中450点以上が必要です。加えて、午後の記述式と合わせた1,400点満点中910点以上が合格条件となります。計算結果を選ぶ力だけでなく、午後の問題に解答する練習も欠かせません。

2026年の試験科目には三次元点群測量も含まれています。過去問を使う際は、改正前の法令や作業規程に基づく解答をそのまま覚えないよう、現在の内容と照合しましょう。

試験と登録に必要な費用

2026年の測量士試験手数料は4,250円です。合格後の登録免許税30,000円と合わせ、試験・登録の費用は34,250円となります。教材や講座、交通費は別です。

試験合格と測量士登録は別の段階であり、合格後には国土地理院への登録申請が必要です。採用や配置の日程を決める際は、合格発表日だけでなく登録手続きの期間も見込みます。

測量士の年収|採用時は統計の対象範囲も確認

2026年時点で公開されている職業統計では、測量士が属する職業分類の平均年収は543.1万円です。2025年の賃金構造基本統計調査に基づく値で、平均年齢は46.1歳となっています。測量士資格の保有者だけを集計した数値ではありません。

ハローワークの2025年度の求人統計では、対応する職業分類の求人賃金は月額29.1万円、有効求人倍率は4.29倍です。2026年6月の求人賃金は月額29.3万円で、前年同月から1.0万円上昇しました。

平均年収は実際に働く人の賃金を集計した値であり、求人賃金は募集時の提示額です。対象と集計方法が異なるため、月額求人賃金を12倍して平均年収と比較するのは適切ではありません。

採用条件を決める際は、地域の求人と担当業務を照合しましょう。現地作業だけを任せるのか、計画や成果確認、点群処理まで担当させるのかで、求める経験が変わります。資格手当だけでなく、担当範囲を求人票に明記する必要があります。

測量費用と内製化|2026年度の技術者単価を使う

測量の内製化を検討する際は、同じ業務範囲で外注費と社内の費用を比較します。公共業務の積算に使う2026年度の基準日額は、測量主任技師が61,000円、測量技師が52,700円です。測量技師補は41,300円となります。

基準日額は所定労働時間内8時間当たりで、給与や賞与、社会保険などの事業主負担額を含みます。外注契約額や本人への支払い賃金を決めるものではなく、資格名と職種区分も同一ではありません。

測量技師と測量技師補を各1人・1日計上すると、人件費部分は94,000円です。実際の外注見積には機器の使用や交通、データ処理などの条件も関わります。見積を比べる際は、次の項目をそろえましょう。

  • ·        測量範囲と実施回数、現地作業の日数
  • ·        配置する技術者の職種と人数
  • ·        図面作成や点群処理、成果確認の範囲
  • ·        納品形式と追加測量の料金条件

社内で担当する場合も、機器と処理ソフトの費用が発生します。繰り返し行う位置確認は社内で対応し、特殊な計測や大規模なデータ処理は外注する方法も選択肢です。

測量士の将来性とDX|計測後のデータ活用まで担う

測量の自動化が進んでも、取得したデータが工事に使えるかを確認する工程は残ります。三次元点群は、位置情報を持つ多数の点で地形や構造物を表したデータです。測量士の育成では、計測に加えてデータ処理と精度の検証も学ぶ機会を設けましょう。

大林組は2025年8月、北野牧工事でドローンの週次遠隔運航を1年間継続した事例を公表しました。KDDIスマートドローンとLiberawareとの取り組みで、撮影データの転送から三次元点群の生成、掘削量の算出までを一貫して自動化しています。

導入時に決めるのは、ドローンの機種だけではありません。土量管理なら撮影頻度と集計方法、出来形確認なら要求精度と成果形式を確認します。計測から成果確認までの担当を決めれば、社内に残す業務と外注する業務も分けられます。

まとめ

測量士の採用と育成では、資格の有無に加えて任せる業務を明確にしましょう。計画の作成や現地計測、成果確認のどこを社内で担うかによって、必要な人数と経験が変わります。

資格取得までの期間は、社員の履修歴と実務記録で異なります。機器・ソフトの費用と育成時間も含め、同じ成果を得るための総費用で内製化と外注を比較しましょう。