デジタル化が実務と直結する状況の中でBIM援用の進捗と成果を広く公開する事例が続く|深堀り取材【毎月3回更新】

建築確認申請での「BIM図面審査」が開始されるなど、建設業におけるBIM援用の状況も日々の実務にどのように直結させるのかという段階に入ったといえる。それらの状況を受けて多くの企業・組織がBIM援用の進捗状況と成果を広く公開する活動を活発化させている。本稿では、マンション専業として先駆的にデジタル化を進めてきた長谷工コーポレーションと先導的にBIM援用を進めている日建設計コンストラクション・マネジメントの事例を報告する。

長谷工コーポレーションとグループ各社の技術開発・商品・サービスを発信する施設開設

長谷工コーポレーションでは、グループの多彩な事業や技術、取り組みを一堂に発信する情報拠点「HASEKO MIRAI BASEMENT(通称:HMB)」を開設し。活動を開始した。

当該施設は、大阪メトロ堺筋線「北浜」駅から徒歩3分の場所に位置する長谷工コーポレーション関西の地下1階に位置し、ディベロッパーや建替え・再開発組合などの顧客を対象に、長谷工コーポレーション及びグループ各社の取り組みと連携が生み出す技術開発、商品・サービスのプロモーション施設として運営している。

HMB内観:LEDモニュメント

技術・製品開発の歴史から長谷工版BIMや木材活用など様々な取り組みについて情報提供

当該施設においては、分譲マンション建設事業において強みとなる技術・製品開発の歴史から現在の取り組み(長谷工版BIMやプレミアムアフターサービス)と木材活用を始めとした様々な脱炭素への取り組みについて最新の情報を提供している。

マンションの建替えや再開発を検討している地権者に対して、長谷工コーポレーションの豊富な建替え・再開発事業の実績を基に、事業計画の考え方から長谷工コーポレーションの役割、進め方まで紹介している。説明パネルや模型を用いながら検討段階に応じた具体的な情報提供を行っている。

合わせて分譲マンションを中心とした建設・販売・管理事業の各フローにおけるグループ各社の業務と連携を紹介している。顧客からのより一層のグループ会社への理解を深めてもらう場として顧客に役立つグループのシナジー効果を分かり易く説明している。

施設概要

・所在地:大阪府大阪市中央区平野町1丁目5番7号長谷工コーポレーション地下一階
・交通:大阪メトロ堺筋線「北浜」駅徒歩3分
・面積:約400平米(120坪)

「プレゼンテーションシアター」「建替え・修繕と再開発」「長谷工版BIM」コーナーなど設置

HMBの各コーナーの概要を紹介する。

プレゼンテーションシアター

「プレゼンテーションシアター」コーナーでは、長谷工グループの技術や未来への展望、顧客への思いを伝える映像が観られる他、プレゼンテーションスペースとして様々なコンテンツを大型LEDで提案する。

建替え・修繕と再開発

「建替え・修繕と再開発」コーナーでは、マンションの建替え・修繕、再開発をあらゆる場面でサポートする。長谷工グループが携わってきた豊富な実績を紹介しながら未来を見据えた事業計画を提案する。

長谷工版BIM

「長谷工版BIM」コーナーでは、設計・施工のあらゆる段階で活用できるデジダル3Dを用いた新しい建築のワークフロー「長谷工版BIM」を体験できる。

技術展示

「技術展示」コーナーでは、長谷工コーポレーション技術研究所による様々な性能実験や研究開発によって生まれた技術を紹介している。

「マンション防災・防犯」

「マンション防災・防犯」コーナーでは、防災・防犯に配慮した長谷工の「マンションつくりの進化」を紹介している。

長谷工が取り組む木材利用

「長谷工が取り組む木材利用」コーナーでは、マンションの木造化・木質化に取り組む長谷工グループの木材を利用した取り組みや技術情報などを紹介している。

日建設計コンストラクション・マネジメントが「やさしいBIMハンドブック」発行・公開

日建設計コンストラクション・マネジメントでは、BIMを発注者の検討・意思決定など建物の運用を支える考え方として位置づける「やさしいBIM」を体系化、「やさしいBIMハンドブック」として発行した。日建設計コンストラクション・マネジメントのホームページにおいてデジタルブック及びPDFを無料で公開している。

「やさしいBIMハンドブック」

日建設計コンストラクション・マネジメント株式会社 事業者によるDX推進のためのBIM活用事例 「やさしいBIM®」のハンドブック… 続きを読む

「やさしいBIMハンドブック」
表紙イメージ

BIMの基礎的な考え方に加え実プロジェクトでの活用イメージを具体的な事例と共に解説

「やさしいBIMハンドブック」は、発注者が建設プロジェクトでBIMを活用し、DXを推進していくための考え方や実践方法を整理した資料となっている。BIMの基礎的な考え方に加え、実際のプロジェクトでの活用イメージを具体的な事例と共に解説している点が特徴だ。建設プロジェクトの進め方に課題を感じている場合やBIMを導入したものの十分に活用できていない発注者にとって、検討の手順を整理する指針となる内容となっている。今後、活用事例等の新たなコンテンツを適宜追加・更新していく予定だ。

BIMを発注者の意思決定に必要な情報を適切に整理し無理なく活用できる形に整えるツール

「やさしいBIM」は、BIMを発注者の意思決定に役立てることを目的に、必要な情報を適切に整理し、無理なく活用できる形に整えるツールとなっている。従来のBIM活用では、高精度なモデルを構築しても、発注者が活用する段階になると、専門性が高くなりすぎることがあった。その結果、発注者にとって理解しにくく、意思決定に活かしきれないという課題が生じていた。

「やさしいBIM」では、「何のために使うのか」という目的を起点にして、必要な情報だけを選び、過不足のない形で活用することを重視している。全てを詳細にモデル化するのではなく、意思決定に必要な情報を整理・可視化し、発注者が判断しやすい形に整えることが特徴となっている。
一例として、コストや工期の検討、運用を見据えた設備情報の選定など各フェーズにおいて必要な情報を適切に抽出して関係者と共有することによって合意形成をより円滑に進められる。「やさしいBIM」は、BIMを専門技術として扱うこと自体を目的化せず、発注者の意思決定を支える実践的なツールとして位置づけ、プロジェクト全体の価値向上に貢献する。

「やさしいBIMハンドブック-事業者によるDX推進のためのBIM活用事例-」の概要

「やさしいBIMハンドブック」は、BIMの基礎から発注者の活用方法、具体的な事例まで体系的に理解できる。BIMを導入したものの活用しきれていないユーザーやこれから導入を検討している者にとっては実務に直結する内容となっている。

ページ数:33ページ

発行日:2026年2月27日

価格:無料

体裁

日建設計コンストラクション・マネジメントホームページ上でデジタルブックとPDFを公開

デジタルブック
PDF

目次

1.建築情報のデジタル化の重要性

2.建設業界におけるBIMの利用のリアル -BIMを本質的に活用するために-

3.BIMとは

やさしいBIMとは

やさしいBIMの構成

4.やさしいBIM活用事例

4.1.やさしいBIM-FM

4.2.やさしいBIM-概算

4.3.やさしいBIM-WLC(Whole Life Carbon)

4.4.BIM活用コンサルティング

4.5.BIMモデル作成

4.6.DXを実行するためのコンサルティング

5.おわりに