奥村組、2027年3月期第1四半期は経常利益32.2%増 為替予約評価益が押し上げ

奥村組は2026年8月7日、2027年3月期第1四半期(2026年4月1日~6月30日)の連結決算を公表しました。同社を取り巻く経営環境について、雇用や所得の改善を背景に緩やかな回復が続く一方、原油価格の変動や建設資材の供給・価格動向には引き続き注意が必要な状況にあると説明しています。
こうした中、売上高は前年同期に比べて減少した一方、経常利益は大きく伸びており、単純な増収増益や減収減益では捉えきれない決算内容となりました。
売上高は前期の反動で減少
連結売上高は653億63百万円となり、前年同期に比べて6.3%の減少となりました。前期に建築事業の大型工事が竣工した反動が主な要因です。営業利益についても、売上総利益の減少などが響き、26億27百万円と前年同期から36.5%落ち込みました。
経常利益は増加も、純利益は減少
営業利益が減少した一方、経常利益は52億65百万円となり、前年同期から32.2%増加しました。背景には、連結子会社である石狩バイオエナジー合同会社が計上した為替予約評価益が、営業外収益として押し上げ要因になったことがあります。ただし親会社株主に帰属する四半期純利益については、前年同期に非支配株主に帰属する損失が計上されていた反動もあり、34億31百万円と7.1%の減少となりました。
今回の決算における主な指標は次のとおりです。
- 売上高:653億63百万円(前年同期比6.3%減)
- 営業利益:26億27百万円(同36.5%減)
- 経常利益:52億65百万円(同32.2%増)
- 親会社株主に帰属する四半期純利益:34億31百万円(同7.1%減)
土木事業は海外工事で損失を計上
セグメント別に見ると、土木事業の売上高は289億6百万円で前年同期比22.0%の増加となりました。繰越工事の採算は追加工事の獲得や原価低減により向上したものの、特定の海外大型工事で多額の損失が発生し、営業利益は14億74百万円と29.1%の減少に転じています。なお受注工事高は159億97百万円にとどまり、前年同期から27.8%減少しました。
建築事業は採算改善で増益を確保
建築事業は売上高が329億54百万円となり、前年同期から25.1%減少しました。それでも繰越工事の採算向上が寄与し、営業利益は19億38百万円と1.2%のわずかな増加を確保しています。受注工事高は88億29百万円で、前年同期比67.1%の大幅減少となりました。
インフラ運営事業は稼働率低調で赤字継続
不動産事業は売上高15億18百万円(前年同期比13.2%増)、営業利益6億46百万円(同7.8%減)という結果でした。一方、再生可能エネルギー発電を手がけるインフラ運営事業等は、前年同期に運転を停止していた石狩バイオエナジーが再稼働したことで売上高が13億66百万円と376.4%の大幅増加を記録しています。
ただし稼働率が低調だったことに加え、一部設備で追加のメンテナンス費用が発生し、営業損失は14億77百万円に拡大しました。
機械事業は売上高4億59百万円(前年同期比13.8%増)、営業利益41百万円(前年同期は29百万円の営業損失)となりました。また、その他の事業は売上高1億57百万円(同63.3%増)、営業利益33百万円(同137.1%増)となっています。
総資産は前期末比で減少
財政状態については、受取手形・完成工事未収入金等の減少などにより、総資産は前連結会計年度末から203億45百万円減少し、4,205億44百万円となりました。純資産についても配当金の支払いなどにより51億80百万円減少し、1,887億84百万円となっています。自己資本比率は45.6%と、前期末の44.7%からわずかに改善しました。
通期業績予想と配当予想に変更なし
2027年3月期通期の連結業績予想については、2026年5月15日の決算発表時点から修正はありません。売上高3,040億円、営業利益205億円、経常利益207億円、親会社株主に帰属する当期純利益154億円を見込んでいます。
なお、2026年7月31日付で譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分を実施しており、通期予想の1株当たり当期純利益にはこの影響が織り込まれています。配当についても、2027年3月期は年間300円(第2四半期末150円、期末150円)を予定しており、直近の予想からの変更はありません。
出典情報など
出典:株式会社奥村組,2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結),https://www.okumuragumi.co.jp/ir/irinfo/data/20260807_kessan.pdf,リリース日:2026-08-07