国土交通省、6月の建設総合出来高5兆444億円で前年比5.8%増、民間・公共ともに増加

国土交通省は令和8年8月17日、6月分の建設総合統計を公表しました。建設総合統計は、全国で実施された建設工事の出来高を月ごとに集計したもので、建設業界の景況感を把握するうえで欠かせない基礎資料のひとつです。
今回公表された6月分によると、全国の建設工事の出来高総額は5兆444億円となり、前年同月と比べて5.8%増加しました。民間工事、公共工事のいずれもプラスとなっており、建設業界全体で工事量が拡大していることがうかがえる内容です。
出来高総計は5兆444億円に
今回の統計によると、6月の建設工事出来高の総計は5兆444億円でした。前年同月比では5.8%の増加となり、堅調な伸びを示しています。内訳を見ると、民間工事が3兆2,582億円、公共工事が1兆7,862億円となっており、民間のほうが公共の約1.8倍の規模を占めていることがうかがえます。
近年、資材価格の上昇や人件費の高騰が続くなかでも出来高ベースでの増加が続いている点は、工事件数自体の増加に加え、単価の上昇も影響しているとみられます。今後の推移によっては、年度全体の建設投資額を押し上げる要因になる可能性もあります。
民間工事は7.9%増と好調
民間工事の出来高総額は3兆2,582億円で、前年同月比7.9%の増加となりました。分野別では次のような結果となっています。
- 建築:2兆4,059億円(前年同月比5.8%増)
- うち居住用:1兆4,187億円(同6.9%増)
- うち非居住用:9,872億円(同4.3%増)
- 土木:8,523億円(同14.1%増)
とくに土木分野の伸びが大きく、前年同月比で14.1%の増加となりました。物流施設や再生可能エネルギー関連の工事需要が引き続き旺盛であることが背景にあるとみられます。建築分野も居住用を中心に増加しており、住宅需要の底堅さがうかがえる内容です。非居住用建築についても4.3%増と、オフィスや商業施設の建て替え需要が徐々に回復している様子がうかがえます。
公共工事も2.2%の増加に
公共工事の出来高総額は1兆7,862億円で、前年同月比2.2%の増加でした。民間ほどの伸び率ではないものの、着実にプラスを維持しています。分野別の内訳は以下の通りです。
- 建築:5,063億円(前年同月比4.7%増)
- うち居住用:568億円(同12.2%増)
- うち非居住用:4,495億円(同3.8%増)
- 土木:1兆2,799億円(同1.2%増)
公共工事では土木分野が全体の7割以上を占めており、道路や河川といったインフラ整備が引き続き工事量の中心となっていることが読み取れます。一方で居住用建築は12.2%増と高い伸びを見せており、公営住宅の建て替えや改修工事が押し上げ要因になったとみられます。土木分野の伸び率が1.2%にとどまっている点は、公共投資の予算執行ペースが今後の焦点となりそうです。
民間・公共ともに前年を上回る
今回の統計から、6月は民間・公共のいずれも前年を上回る出来高となり、建設業界全体で工事量が拡大した月であったことが確認できます。とりわけ民間の土木分野と公共の居住用建築の伸びが目立ち、業界内でも分野ごとに温度差のある回復が進んでいる様子がうかがえます。
なお、毎年6月(4月分公表時)には、確定した建設投資額の実績値から算出される直近の補正率を用いて、直前の3月分から過去3カ年分を遡及改定しています。
出典情報など
出典:国土交通省,建設総合統計(令和8年6月分),https://www.mlit.go.jp/report/press/joho04_hh_001386.html,リリース日:2026-08-17