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【BIMの日 独自取材⑥】from Room to Planet Mixed Reality ~空間デジタル技術の拡がり~ |伊藤 武仙様(ホロラボ)

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BIM,連載

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    2022年2月22日に行われた「BIMの日」にて独自取材を行いました。

    「BIMの日」とは、BIM建築やそれを取り巻く業務に求められる価値を考えることで、BIM の位置付けを改めて見直し、今後の活用のヒントになるようなシンポジウムです。BIM活用の生の声を全8回の連載にてお届けします。

    第6回のホロラボは2015年マイクロソフトが発表したmixed reality技術(ホロレンズ)をきっかけに誕生したスタートアップ企業です。当初は建築やBIMとは関係の薄い分野で事業展開、徐々に建築業界での事例が増加してきました。現在ホロラボが建築業界やBIMと向き合っているのか?伊藤氏の発表をレポートします。

    ▼「BIMの日」その他の回の連載記事はこちら▼

    第一回連載:BIMの祖型―CAD黎明期の試みに学ぶ | 建築情報学技術研究WG 種田 元晴氏(文化学園大学)
    第二回連載: コロナ禍で見えてきたキャンパスBIM-FMのためのIPD | IPDコラボレーション研究WG 飯島 憲一氏(大阪電気通信大学)
    第三回連載:BIMと関連するデジタル情報の連携や活用事例の研究|情報連携技術WG 柴田 英昭氏(FMシステム)

    第四回連載:建築性能の見える化によるSDGs 達成への貢献|林 立也氏(千葉大学)
    第五回連載:デジタルツインが切り拓く近未来の世界~映画の世界が現実に~ |及川 洋光氏(清水建設)
    第六回連載:from Room to Planet Mixed Reality ~空間デジタル技術の拡がり~ |伊藤 武仙様(ホロラボ)※本記事です

    ホロラボについて

    会社設立は2017年、マイクロソフトのホロレンズ日本発売と同時期になります。当初はmixed realityの可能性を様々な技術コミュニティの中で模索していました。会社は60名規模で、エンジニアには一人一台ホロレンズを支給しています。

    ホロレンズとは

    マイクロソフトが開発した頭部装着型の新しいスタイルのパソコンです。ヘッドマウントディスプレイとして映像投影するだけでなく、OSを搭載し、メモリ・ストレージもある次世代ヒューマンインタフェースという位置付けです。

    ネットワークともつながり、センサーもあるので、空間認識技術が高く、mixed reality(MR)*以降MRと表記 複合現実の新しい体験が実現可能となっています。

    MRのAR、VRとの違いは現実と仮想空間の混ぜ具合を自由にコントロールできる点です。そのため、MRはARとVRも含むという理解になります。さらに2021年にはマイクロソフトが現実世界に3次元デジタル世界を織り交ぜることをメタバースと呼称しました。これによりMRはメタバースの一技術と言えるようになりました。

    建築業界のプロジェクトが増加

    設立以来、市場成長に合わせてプロジェクト数は順調に増加しています。内訳は通信業(TMT)や製造業(Manufacturing)が多くを占めていますが、建設業(AEC)は3位で20%のシェアを持っています。今後も多くのプロジェクトが立ち上がる予定です。2022年から専門チームを編成し、建築業界に幅広く対応できる体制を目指しています。

    建築業がMRを求める理由として、建築業が元々3次元を扱う業種だということがあります。現実世界にビルや橋など建てることはまさに3次元の動きです。しかしながら設計段階では図面という2次元に落とし込んでいます。3次元から2次元に情報量を落としている部分を3次元のまま扱うことができれば効率がいい、という問題意識が背景にあると思います。

    建築専門チームではレーザーキャン撮影(点群)、フォトグラメトリ撮影(CGモデル)、CAD/BIM作成、バーチャルショールームなどに取り組んでいます。

    事例①BIM to XR – mixpace

    最近の事例を3つ紹介します。一つ目はmixpace。3DCADやBIMデータを自動でMR/AR用データに変換し、ホロレンズやiPadで表示するシステムです。

    mixpaceにより、従来データ変換が複雑で数週間かかっていたものが、平均3分で可能になりました。使い方はシンプルです。WEBから3DCAD/BIMデータをアップロードすれば、クラウド上のAzure内でデータが自動変換されます。変換済データをダウンロードすれば、ホロレンズやiPadで閲覧できるという仕組みです。

    mixpaceの活用で建設予定地に完成予想建築を実寸大でバーチャルに立ちあげたり、既築で天井裏に隠れている設備配管を透かして可視化することが可能になりました。

    大林組、東急建設でのカスタム事例

    大林組様向けにはmixpaceを検査業務に活用するカスタマイズをしています。仕上げ検査時に、実際の現場でmixpaceを立ち上げながら歩くのです。mixpaceには図面上の仕上がりが表示されます。実際の現場とリアルタイムに比較し、「床にキズ」など不具合を検知できるようになりました。従来の不具合箇所を紙にメモ、付箋を貼るといったアナログな作業が不要となりました。紙図面の検査と比較して約30%の時間短縮が可能となりました。

    東急建設様向けにはBIMデータをそのままAR化するカスタマイズをしました。東急建設様からは「建物全体のBIMデータをホロレンズで見たい」という要望をいただいていました。建物全体のBIMデータはデータ量が膨大でホロレンズのみでの処理が難しい面がありました。しかし、マイクロソフトのAzureにRemote Rendering機能が搭載されたことなどにより、mixpace→Remote Rendering→ホロレンズというフローでデータ処理を分担。処理の効率性が上がりホロレンズで建物全体を見ることが可能となりました。また、Autodesk BIM360からデータを取り込み、日常業務の延長にAR活用を配置することも可能となりました。これらの改善により従来比80%短縮となりました。

    事例②XR in Town/city -ARクラウド基盤開発

    街中でのAR活用として注目されているのが、ARクラウド基盤サービスです。この技術は2019年頃よりNTTドコモ様と共同開発しています。基盤開発が進み、2021年には森ビル様のお台場ビーナスフォートを舞台に実証実験をしました。

    営業中の商業施設の大空間(噴水広場~教会広場:3,100㎡)を3Dスキャンして、バーチャルマップを作成。そのマップに対してAR用コンテンツを配置し、現実と重複したデジタルツインを実現させました。

    現地でiPadやmagic leap 1(Magic Leap社製ヘッドマウンドデバイス)を通して、デジタル広告やゲームコンテンツを楽しむ試みをしました。

    クライアントの森ビル様からは「既存の施設に手を加えることなく、デジタルで付加価値をつけることができた。新たな可能性を感じた」と評価いただきました。

    事例③toMap

    toMap国土交通省が推進する「PLATEAU」プロジェクトと互換性を持つ3D都市モデルプラットフォームサービスです。

    toMapではPLATEAUデータ互換をベースにCG表示、点群CG表示、iPhone LiDARデータ対応などが可能となります。

    toMapの目指す方向性としては2つあります。1つは先述のmixpaceのような建物BIMデータ、点群データとの連動です。PLATEAUの都市データと建物データをシームレスに可視化し活用可能なものにしたいと思っています。

    2つ目は災害対策への活用です。2021年に起きた熱海の土石流災害では災害前後の点群やドローン撮影データをtoMAP上で重ねることにより災害状況の分析に大いに活用することができました。

    また、3Dでリアリティのあるデータなので、まるで滑落した斜面に降り立ったような視点で現地状況を見ることもできます。データはオープンデータとして現在誰でもアクセスできるようになっています。

    以上が事例となります。MR技術はまだ黎明期で、一緒に取り組むパートナーやお客様と出会えればと思っています。

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