【2025年義務化】建設現場の熱中症対策|管理者・作業者が今すぐできる予防・対応・セルフチェック

職場で発生した熱中症のうち、もっとも多いのは建設現場です。(出典:厚生労働省「働く人の今すぐ使える熱中症ガイド」)

2025年からは熱中症対策が義務化され、現場ではこれまで以上に適切な予防と対応が求められています。この記事では、建設現場の管理者・作業者向けに、今日からできる熱中症対策をご紹介します。

こんなときどうする?正しい対応・危ない対応

現場で体調が悪そうな作業者を見かけたら、どう対応するのが適切なのでしょうか。ここからは、熱中症の疑いがある人に対する対応として、正しい対応と危ない対応を見ていきましょう。

危ない対応:平熱だったので一人で作業を続けさせた

事例1:具合が悪そうな作業員がいたので、休憩を促した。熱を測ったら平熱だったので、少し休ませれば大丈夫だと判断。適宜休憩を取るように伝え、一人で作業に戻らせた。

  • 誤った対応:一人で作業を続けさせた
  • 正しい対応:一人にしない

たとえ平熱でも、熱中症の疑いがある作業員を一人にすることは危険です。熱中症は症状が進むと意識障害を起こす可能性があるので、必ず複数人で作業し、お互いに声がけをするように促しましょう。

やむを得ず単独作業になる場合は、管理者による頻繁な見回りが必要です。

危ない対応:エアコンが効いた車内で一人で休ませた

事例2:熱中症の疑いがある作業員がいたので、エアコンが効いた涼しい車内で休憩を取るように勧めた。車内は涼しく快適なので、一人でも大丈夫と判断し、休ませた。

  • 誤った対応:一人で休ませた
  • 正しい対応:一人にしない

熱中症は、作業を中断して休憩をとった後でも急激に重症化する可能性があります。涼しい車内や休憩所でも一人にせず、必ず付き添いができるよう配慮しましょう。重症化の兆候が見られた場合はすぐに救急搬送が必要です。

「一人作業・一人休憩」が重症化の要因に

出典:厚生労働省,働く人の今すぐ使える熱中症ガイド,https://neccyusho.mhlw.go.jp/download/assets/pdf/guide_pdf_all.pdf,参照日2026.7.1

上の事例はどちらも「一人にした」ことが誤った対応となっています。熱中症による死亡災害では、現場で一人で作業をしていたり、休憩所や宿舎で一人になったあとの災害も多く報告されています。一人にしないことが、重症化を防ぐ対応です。

また、軽症でも頭痛や倦怠感があれば、医療機関での診療が必要とされています。このような症状の段階を見極めるためにも、常に複数人で作業をしたり、管理者による現場の見回りを強化するなど、作業者を一人にしない対策をとることが必要です。

熱中症セルフチェック|今すぐわかる症状

熱中症の初期症状は、自分でも簡単にチェックできます。ここからは、今すぐできる熱中症のセルフチェックについてご紹介します。

手の甲・爪の先で脱水チェック

出典:厚生労働省,働く人の今すぐ使える熱中症ガイド,
https://neccyusho.mhlw.go.jp/download/assets/pdf/guide_pdf_all.pdf,参照日2026.7.1

手の甲の皮膚を引っ張り、もとに戻るまで2秒以上:脱水症状の疑いあり

手の甲の皮膚をつまんで、少し持ち上げます。ぱっと放してから、伸びた皮膚がもとに戻るまでの時間で、脱水症状をチェックすることができます。

親指の爪を押して放して、もとに戻るまで3秒以上:脱水症状の疑いあり

出典:厚生労働省,働く人の今すぐ使える熱中症ガイド,
https://neccyusho.mhlw.go.jp/download/assets/pdf/guide_pdf_all.pdf,参照日2026.7.1

親指の爪を軽くつまみ、白くなるのを確認します。指を放したとき、もとのピンク色に戻るまでに3秒以上かかった場合は、脱水症状の疑いがあります。

尿の色で脱水チェック

出典:厚生労働省,働く人の今すぐ使える熱中症ガイド,
https://neccyusho.mhlw.go.jp/download/assets/pdf/guide_pdf_all.pdf,参照日2026.7.1

身体の水分量が不足すると、尿の色が次第に濃い色に変わっていきます。休憩時間にチェックして、水分摂取量の目安にしましょう。とくに、尿がやや茶色がかっているときは、すぐに250~500ml以上の水分摂取が必要です。

熱中症になりやすい現場の特徴と暑さ対策

ここからは、熱中症になりやすい現場の特徴と、発生を抑える暑さ対策について見ていきましょう。

直射日光が当たり続ける現場:日陰をつくる

  • テントで日陰をつくる
  • 日照時間にあわせて、日陰の場所から作業を進める
  • ファン付きヘルメット・ファン付き作業着・ネッククーラーなどの熱中症対策グッズを活用する

直射日光が当たり続ける環境は、暑さ指数が高くなるため、熱中症が発生しやすくなります。このような現場では、テントなどで日影をつくり、直射日光を避けます。

また、屋根の上などで直射日光を遮ることができない場合は、熱中症対策グッズを活用するなどして暑さ対策をします。

風通しが悪い現場:気流をつくる

  • 大型ファン・サーキュレーターを設置
  • スポットクーラーを設置

屋外で養生シートに覆われている現場は、風通しが悪く、高温多湿になりやすい状態です。このような場合は、気流を起こして空気の入れ替えを促します。

大型ファンやサーキュレーターを使って、外気と入れ替え、湿度が上がるのを防ぎます。屋内であれば、スポットクーラーを使って冷却します。

休憩がとりづらい:休憩時間を増やす

  • 休憩所までの移動時間を考慮して、休憩時間を設定する

高所作業などで、休憩場所までの移動に時間がかかってしまい、往復だけで休憩時間がなくなってしまう現場もあります。

管理者は、適切な休憩時間の設定を行い、十分な休憩がとれるよう配慮しましょう。移動時間は休憩時間に含まず、休憩所と現場の往復時間を考慮した休憩時間の設定を行います。

熱中症対策の義務化で管理者・作業者に求められること

熱中症対策が義務化され、現場ではこれまで以上に適切な予防と対応が求められています。ここからは、管理者・作業者それぞれに効果的な、熱中症予防の対策をご紹介します。

現場管理者|熱中症警戒アラートの確認

いつ何をするか
前日熱中症警戒アラートの確認
仕事前熱中症警戒アラートの確認
仕事中一人作業を避ける作業計画にする
現場パトロールの回数を増やす
朝礼で声をかけ合うよう促す
参考:厚生労働省,働く人の今すぐ使える熱中症ガイド,
https://neccyusho.mhlw.go.jp/download/assets/pdf/guide_pdf_all.pdf,参照日2026.7.1

建設現場の管理者は、前日や仕事前に熱中症警戒アラートを確認し、工程計画の柔軟な見直しができるよう配慮します。熱中症警戒アラートは、テレビ、ラジオ、SNSなどで、17時頃と5時頃の1日2回発表されています。

また、作業計画にも配慮が必要です。仕事中は単独作業にならないよう計画し、現場パトロールの回数を増やすなどして、早期発見に努めましょう。

作業者|日ごろの健康管理

いつ何をするか
前日十分な睡眠をとる
飲酒は控えめ
仕事前体調チェック
1日3食しっかりとる
仕事中水分・塩分補給
こまめな休憩
尿の色チェック
参考:厚生労働省,働く人の今すぐ使える熱中症ガイド,
https://neccyusho.mhlw.go.jp/download/assets/pdf/guide_pdf_all.pdf,参照日2026.7.1

建設現場の作業者は、日ごろからの健康管理が熱中症対策になります。作業の前日はぐっすり眠るようにし、二日酔いにならないよう飲酒は控えめにしましょう。

1日3食の食事がとれていれば、塩分摂取量は必要十分とされています。仕事前にもしっかり朝食をとることが理想です。

また、仕事中は少しでも異変を感じたら休憩するなど、こまめな休憩をとりましょう。尿の色でセルフチェックをすることで、水分・塩分の補給の目安がわかります。

まとめ|熱中症警戒アラートの定期チェックで対策を

熱中症は、早期発見と適切な対応で防ぐことができます。直射日光や空気がこもる現場では、温度と湿度が上がり続けないよう暑さ対策を行いましょう。

単独作業を避け、管理者による現場パトロールを強化することも効果的です。熱中症警戒アラートのチェックを業務に組み込み、適切な対応ができるよう対策を進めましょう。