建設現場の暑さ対策を解説|熱中症対策の義務化と応急処置

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トレンドワード:建設現場の熱中症対策
建設現場の熱中症対策を解説します。
熱中症は、重篤化すると死亡災害にもつながる深刻な気象災害です。令和7年から建設現場での熱中症対策が義務化されたこともあり、対策の強化と周知の徹底が課題となっています。
この記事では、建設現場の熱中症対策として、現場の暑さ対策や熱中症警戒アラートの活用方法とともに、発生した際の対応についてご紹介します。
建設現場の熱中症対策が義務化
2025年6月1日より、建設現場の事業者に熱中症予防対策が義務付けられました。ここでは、義務化の内容と罰則について整理します。
義務化された3つの取り組み

熱中症対策として、以下の3つの取り組みが義務化されています。
- 熱中症の早期発見体制の整備
- 重篤化防止の手順書作成
- 関係者への周知
義務化に至った背景としては、死傷災害の増加があります。熱中症による死亡災害は3年連続で30人以上発生しており、労災全体の4%を占める重大な課題として位置づけられました。
熱中症による死亡事故の原因の多くは「対応の遅れ」によるものとされています。そのため、事業者には熱中症予防の体制整備や、早期発見体制の構築が義務付けられることになりました。
熱中症対策の罰則規定
熱中症対策の義務化に伴い、罰則も規定されています。
熱中症対策の実施義務に違反した者は、「6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」(法119条1号)、法人に対しては「50万円以下の罰金」が科されます。
建設現場の暑さ対策
熱中症対策として、具体的にはどのような暑さ対策をすればよいのでしょうか。ここからは、熱中症が発生しやすい現場の特徴と、現場での暑さ対策についてご紹介します。
熱中症が発生しやすい現場環境

熱中症が発生しやすい作業環境は、以下のようなものがあります。
| 作業区分 | 作業場所 | 熱中症の原因となりやすい作業環境 |
|---|---|---|
| 屋外 | 舗装工事、高所作業、資材置き場 | 直射日光下 |
| 屋内 | 倉庫、建屋内 | 密閉空間 |
| 車両内 | 重機内 | 密閉空間 |
屋内や車両内など、直射日光が当たらない場所でも熱中症は発生しています。密閉空間は日が当たらないため見過ごされがちですが、湿気がこもりやすく温度が上がりやすいため、安全とは言い切れません。
特に単独作業は、常に連絡できる状態を確保する対策が必要です。監督者は現場パトロールを行い、作業者の状態を確認しましょう。
熱中症が発生しやすい時期と時間帯

もっとも熱中症が発生しやすい時期は7月と8月ですが、5月以前や10月以降も発生する可能性があります。時間帯としては、15時台が最も多いものの、午前中でも発生しているため油断は禁物です。
朝や夕方の比較的涼しいと感じられる時間帯でも大きく減ることはないため、一日を通した対策が必要です。
熱中症対策に必要な休憩施設
建設現場での熱中症対策には、適切な休憩施設の設置が必須です。屋外では遮光ネットや簡易休憩所を配置して、できる限り直射日光を防ぎます。空間に余裕があれば、気化熱によって冷却できるミストや大型扇風機も有効です。
屋内の休憩施設には、エアコンや冷蔵庫、製氷機など、体内外から身体を冷やせる設備を整備します。冷蔵庫には経口補水液のほか、塩分が補給できる熱中飴や梅干しなども常備しましょう。
作業中の熱中症対策としては、ファン付き作業着の使用や、ウェアラブルデバイスによるモニタリングが有効です。ウェアラブルデバイスで作業者の位置情報を把握することで、万が一熱中症が発生した際、迅速な発見と対応が可能になります。
熱中症警戒アラートによる対策基準

気象条件により、熱中症の危険がきわめて高くなることが予想される場合、環境省が熱中症警戒アラート(熱中症特別警戒情報)を発表しています。
都道府県別で、熱中症が発生する可能性の高い5月中旬から10月中旬まで発表されています。アラートの更新は1日3回、5時、14時、17時となっており、当日と翌日の予報が確認できます。
熱中症警戒アラートが発表された際は、熱中症の危険性がきわめて高くなるため、屋外での活動が危険な状態です。原則として作業を中断し、水分・塩分補給休憩を実施しましょう。
もし建設現場で熱中症になったら?対応と応急処置
建設現場で熱中症の作業者が発見されたら、どう対処すればいいのでしょうか。ここからは、熱中症の症状と応急処置についてご紹介します。
熱中症の自覚症状
| 症状区分 | 自覚症状 |
|---|---|
| 軽症 | 立ちくらみ、めまい、筋肉痛、手足のしびれ、こむら返り、汗が止まらない・出なくなる |
| 中等症 | 頭痛、吐き気、下痢、全身の倦怠感 |
| 重症 | 身体が熱い |
自覚症状としては、立ちくらみや目まいをはじめ、頭痛などの体調不良を感じる場合があります。少しでも体調に異変を感じたら、作業を中断して休憩を取りましょう。
熱中症の他覚症状
- 呼びかけへの反応が鈍い、または反応しない
- ぼーっとしている
- イライラしている
- フラフラしている
- 高熱がある
- 失神している・意識がない
- 熱けいれんが見られる
特に注意したいのが、他覚症状です。返事がおかしい、フラフラしているなど、作業者にいつもと違う様子が見られる場合はすぐに作業を中断し、休憩所に同行しましょう。
熱中症の応急処置

熱中症の症状が見られたら、すぐに作業を中断させ休憩所へ同行します。体調が急変する場合があるので、できる限り一人にしない体制が必要です。エアコンや保冷材で体を冷やし、水分・塩分の補給を少しずつ行います。
救急搬送の目安

- 自分で水が飲めない
- 休憩しても体調の回復が見られない
- 意識がない
- 高熱がある
以上の症状に一つでも当てはまる場合は、重篤化の可能性があります。このような場合は、すぐに119番通報をして救急搬送を依頼します。救急車が到着するまでの間、作業着を脱がせ、ホースで水をかけて身体を冷やすなどの緊急措置が必要です。
まとめ|呼びかけと体制づくりで熱中症対策を
熱中症対策の基本的な考え方は、「見つける、判断する、対処する」の3段階です。単独作業時の連絡体制や、体調急変時の対応を定期的に確認し、現場全体での周知を徹底する体制づくりが重要になります。熱中症警戒アラートを活用して、作業中断や即時の休憩を取り入れ、現場の暑さ対策を行いましょう。