国土交通省、6月の新設住宅着工戸数18.6%増、持家・貸家・分譲住宅がそろって増加

20260803_新設住宅着工戸数の推移

国土交通省は2026年7月31日、建築着工統計調査報告の令和8年6月分を公表しました。全国の新設住宅着工戸数は66,344戸となり、前年同月に比べて18.6%増加しています。

持家、貸家、分譲住宅のいずれも前年を上回る結果となり、住宅市場全体に上向きの動きが広がっていることがうかがえます。この調査は全国における建築物の着工動態を明らかにし、建築や住宅に関する基礎資料を得ることを目的として毎月実施されているものです。

新設住宅着工、3か月連続で増加

今回の調査によると、新設住宅着工戸数は3か月連続の増加となりました。着工床面積は5,052千平方メートルで、前年同月比17.0%の伸びを記録しています。季節による変動をならした季節調整済年率換算値でも786千戸となり、前月比3.9%増と2か月連続の増加を示しました。

全体としてなだらかな回復基調が続いている様子がわかります。なお、令和8年4月から6月までの新設住宅着工戸数は186,790戸となり、前年同期比で20.2%の増加となっています。四半期単位で見ても堅調な伸びが続いていることが確認できます。

持家・貸家・分譲住宅がそろって伸びる

利用関係別に見ると、いずれの区分でも前年同月を上回りました。内訳は次の通りです。

  • 持家:18,553戸(前年同月比15.7%増)
  • 貸家:30,253戸(前年同月比24.6%増)
  • 分譲住宅:17,211戸(前年同月比14.2%増)

分譲住宅のうち、マンションは6,048戸で1.7%増にとどまった一方、一戸建住宅は10,861戸となり21.7%の増加を見せました。貸家の伸び幅が特に大きく、賃貸需要の底堅さを反映した結果と言えそうです。

資金別で見ると、民間資金による住宅は60,447戸で前年同月比19.7%増となり、全体を押し上げる主な要因となりました。一方、公的資金による住宅は5,897戸にとどまったものの、8.0%の増加を確保しています。

地域別ではその他地域が大幅増

地域別の着工戸数を見ると、首都圏は前年同月比19.9%増、中部圏は9.9%増、近畿圏は12.5%増となりました。首都圏や近畿圏以外の「その他地域」は23.1%増と、最も高い伸び率を記録しています。首都圏の内訳を見ると、貸家が30.6%増と大きく伸びた一方、分譲住宅の伸びは8.4%増にとどまりました。

建築工法別では、プレハブ住宅が8,509戸で13.7%増加した一方、ツーバイフォー工法は7,181戸にとどまり、7.4%の減少となりました。地域や工法によって明暗が分かれる結果となっています。

構造別では非木造が加速

構造別の内訳では、木造住宅が39,407戸で前年同月比13.7%増、非木造住宅が26,937戸で21.5%増となり、非木造の伸び率が木造を上回りました。非木造のうち鉄骨造は8,919戸で28.8%増と大きく伸びており、共同住宅を中心とした需要の高まりが背景にあるとみられます。

非居住建築物は事務所需要けん引

住宅以外の建築物にも目を向けると、6月の建築物全体の着工床面積は838万平方メートルで、前年同月比13.2%増となりました。工事費予定額の合計は2,821,976百万円にのぼり、前年同月比26.6%の増加となっています。このうち民間非居住建築物の主な使途別の内訳は次の通りです。

  • 事務所:48万平方メートル(前年同月比65.6%増)
  • 店舗:25万平方メートル(同24.2%減)
  • 工場:53万平方メートル(同2.9%減)
  • 倉庫:86万平方メートル(同2.1%減)

店舗、工場、倉庫がそろって減少する一方、事務所は4か月ぶりに増加へ転じました。オフィス需要の回復が非居住建築物全体を押し上げる形となり、業種によって投資動向にばらつきが出ていることが見て取れます。また、金融業・保険業用の着工床面積は前年同月比841.7%増と突出した伸びを示しており、特定業種における大型案件の存在が全体の数値に影響を与えている点にも注意が必要です。

出典情報など

出典:国土交通省,建築着工統計調査報告(令和8年6月分),https://www.mlit.go.jp/report/press/joho04_hh_001382.html,リリース日:2026-07-31