国土交通省、6月の建設工事受注は公共工事118.5%増、総額も4カ月ぶり増加

20260803_令和8年6月建設工事受注動態統計調査

国土交通省が、令和8年6月分の建設工事受注動態統計調査(大手50社対象)の結果をまとめ、7月31日に公表しました。今回の調査では、公共工事が大きく伸びた一方、民間工事は落ち込みが続いており、明暗が分かれる結果となっています。全体の受注総額は4カ月ぶりに増加へ転じました。

受注総額は4カ月ぶりに増加

6月の受注総額は1兆7,212億円となり、前年同月比で2.3%増加しました。プラスに転じたのは4カ月ぶりです。国内工事に限ると1兆6,636億円で、前年同月比4.0%の増加となり、こちらも4カ月ぶりの増加を記録しています。

国内では民間工事が減少した一方、公共工事が大きく伸びたことで、全体を押し上げる形になりました。主な内訳は次の通りです。

  • 受注総額:1兆7,212億円(前年同月比2.3%増)
  • 国内計:1兆6,636億円(前年同月比4.0%増)
  • 民間工事:9,724億円(前年同月比22.5%減)
  • 公共工事:6,339億円(前年同月比118.5%増)
  • 海外工事:577億円(前年同月比30.3%減)

民間工事は22.5%減少と苦戦

民間工事は9,724億円にとどまり、前年同月比22.5%減少しました。これで4カ月連続のマイナスとなり、依然として厳しい状況が続いています。製造業が24.4%減、非製造業も22.0%減と、いずれも大きく落ち込みました。

発注者別に見ると、サービス業や卸売・小売業、電気・ガス・熱供給・水道業などは増加した一方、運輸業や製造業、不動産業などが大きく減少しています。業種によって明暗が分かれている点が特徴的といえるでしょう。

建築工事の落ち込みが影響

工事の種類別では、土木工事が増加したのに対し、建築工事は減少しました。具体的には、鉄道や店舗、倉庫流通施設などの受注が伸びた一方、事務所庁舎や住宅、工場・発電所といった分野での受注が減少し、全体を押し下げる形になったとみられます。

特に住宅関連の低迷は、資材価格や人件費の高止まりといった構造的な要因が背景にあると考えられ、今後の動向にも注目が集まりそうです。

公共工事は大幅増、2カ月連続

公共工事は6,339億円で、前年同月比118.5%という大幅な伸びを見せました。増加は2カ月連続です。国の機関、地方の機関ともにプラスとなっており、特に国の機関は232.4%増という急激な伸びを記録しました。地方の機関も9.9%増と堅調に推移しています。

公共投資の拡大が、民間工事の落ち込みを補う形となり、全体の受注総額を押し上げる大きな要因となりました。

国の機関が232%増と急伸

発注者別では、国の機関に属するすべての区分で受注が増加しました。地方の機関についても、市区町村や地方公営企業、その他の地方機関で増加が見られましたが、都道府県だけは減少しています。工事の種類別では建築、土木ともに増加し、なかでも事務所庁舎や土木その他、道路関連の受注が伸びを牽引しました。一方、教育・研究・文化施設や住宅、娯楽施設などは減少しており、分野ごとにばらつきが見られる結果となっています。

海外工事は4カ月連続で減少

海外工事の受注額は577億円となり、前年同月比30.3%減少しました。減少は4カ月連続で続いており、国内の公共工事の好調とは対照的に、海外案件は厳しい状況が続いています。円安や資材調達コストの変動といった外部要因が影響している可能性もあり、今後の推移が注視されるところです。

なお、平成20年4月の日本標準産業分類の改訂に伴い、民間発注者の分類名称は一部変更されています。また海外工事の受注額には現地法人分は含まれていない点にも注意が必要です。今回の統計は、大手ゼネコン各社の経営動向を占ううえでも重要な指標であり、今後の建設市場全体の行方を見極める材料として、引き続き注目されそうです。

出典情報など

出典:国土交通省,令和8年6月の建設工事受注動態統計調査(大手50社調査)結果,https://www.mlit.go.jp/report/press/joho04_hh_001383.html,リリース日:2026-07-31