国土交通省、7月の建設総合統計で出来高総計5兆1,662億円、前年比5.5%増と公表

20260918_2026年7月の建設総合統計

国土交通省総合政策局建設経済統計調査室は、令和8年9月17日に建設総合統計の令和8年(2026年)7月分を発表しました。全国の建設工事出来高総計は5兆1,662億円にのぼり、前年同月と比べて5.5%の増加となっています。

この統計は建築着工統計調査と建設工事受注動態統計調査をもとに、工事の進み具合に合わせて月ごとの出来高を推計するもので、国内建設市場の体温を測る指標として広く参照されています。

民間・公共のどちらも増加基調が続いており、住宅需要の底堅さと公共投資の安定感が、そのまま数字にはっきり表れる結果になりました。地域や工事種別によって伸び方に差が出ている点も興味深いところです。

出来高総計は5兆円台の伸びを継続

7月の出来高総計は5兆1,662億円で、前年同月比5.5%の増加を記録しました。近年、建設資材価格や人件費の上昇を背景に工事費そのものが膨らむ傾向があり、それが出来高の増加にもつながっていると見られます。

今回の統計では民間・公共とも前年を上回り、建設工事の出来高が増加しています。今後の推移次第では、通年でもプラス基調が続く可能性があり、年度末に向けた市場動向を見極めるうえでも注目される数字といえます。前月からの変化についても、あわせて確認していきたいところです。

民間工事は住宅分野が全体をけん引

民間工事の出来高総計は3兆2,873億円となり、前年同月比7.5%の伸びを示しました。なかでも建築分野の増加率が高く、居住用建築の勢いが全体を押し上げています。マンションや戸建て住宅の着工が堅調に推移していることに加え、資材価格の上昇分が工事費に反映されていることも増加の一因とみられます。

土木分野も8%を超える伸びとなっており、民間投資が住宅にとどまらず幅広い分野で活発化していることがわかります。主な内訳は次のとおりです。

  • 建築:2兆4,683億円(前年同月比7.2%増)
  • 居住用:1兆4,610億円(同8.5%増)
  • 非居住用:1兆73億円(同5.5%増)
  • 土木:8,190億円(同8.2%増)

公共工事も底堅く増加を維持

公共工事の出来高総計は1兆8,790億円で、前年同月比2.2%の増加でした。民間ほどの伸び幅ではないものの、建築・土木のいずれもプラスを維持しており、公共投資が着実に積み上がっていることがわかります。

特に土木分野は1兆3,592億円と公共工事全体の7割以上を占め、道路や河川といったインフラ整備が引き続き工事量を下支えしている構図です。防災・減災対策への投資が続いていることも背景にあると考えられます。内訳は以下のとおりです。

  • 建築:5,198億円(前年同月比2.1%増)
  • 居住用:556億円(同0.3%増)
  • 非居住用:4,642億円(同2.4%増)
  • 土木:1兆3,592億円(同2.2%増)

今後の建設市場を見通すうえで

今回の7月分の結果からは、民間・公共ともに投資意欲が衰えていない様子が読み取れます。人手不足や資材高騰といった課題を抱えながらも、住宅需要とインフラ整備の両輪が市場を支えている構図といえそうです。

今後発表される8月分以降の統計でも、この増加傾向が続くかどうかが注目されるところであり、資材価格や労務費の動向とあわせて確認していく必要がありそうです。地域ごとの発注状況や工種別の偏りにも目を配りながら、市場全体の実態をとらえていくことが大切になります。

出典情報など

出典:国土交通省,建設総合統計(令和8年7月分),https://www.mlit.go.jp/report/press/joho04_hh_001393.html,リリース日:2026-09-17