一級建築施工管理技士とは?2026年度の受検資格・試験日程・企業での活用を解説

一級建築施工管理技士は第一次検定に合格しても、第二次検定へ進める時期は保有資格や実務経験で変わります。
2026年度は新受検資格と旧受検資格が併存しています。第一次検定は年度内に19歳以上となれば実務経験なしで受けられます。一方の第二次検定では、合格後の実務経験を数える新制度が軸です。旧制度は2028年度まで経過措置として使えます。
企業が先に決めるべきなのは、社員ごとの受検ルートです。学歴や保有資格を確認し、対象工事の実務経験を工事単位で記録します。受検資格と現場配置を同じ人材台帳で追うと、採用人数だけでは見えない配置時期を把握できます。
2026年の受検資格は第一次と第二次で異なる

2026年度の受検可否は、第一次検定と第二次検定を分けて確認します。第一次検定は年齢で判定します。第二次検定は新旧どちらの受検資格を使うかで必要な証明が変わります。
| 検定 | 2026年度の主な要件 | 企業が確認する資料 |
| 第一次検定 | 年度内に満19歳以上となる。学歴や実務経験は問われない | 生年月日と本人情報 |
| 第二次検定 新受検資格 | 第一次検定などの合格後に所定の実務経験を積む | 合格日や工事経歴、指導者の資格 |
| 第二次検定 旧受検資格 | 学歴や資格に応じた実務経験を満たす。2028年度まで利用できる | 卒業証明や資格証、実務経験証明 |
結論:2026年度に第一次検定だけを受ける社員は年齢を確認します。第二次検定まで進める社員は、新旧どちらの要件を使うかを先に決めます。
第一次検定は19歳以上なら実務経験なしで受けられる
2026年度の第一次検定は、2008年4月1日以前に生まれた人が対象です。学校の種類や卒業学科は問われません。建築現場での実務経験も不要です。
第一次検定に合格すると、一級建築施工管理技士補を名乗れます。ただし、技士補だけで監理技術者になれるわけではありません。第二次検定の要件を満たして合格すると、一級建築施工管理技士になります。
企業が若手社員を受検させる場合は、合格後の配属まで決めておきましょう。新受検資格では、合格前の経験を原則として通算しません。第一次検定へ早く進ませるほど、第二次検定に必要な年数は早くカウントできます。
第二次検定の新受検資格は合格後の実務経験で決まる
新受検資格では、基礎になる試験の合格後に積んだ実務経験が重要となります。単に建設会社へ在籍していた年数ではなく、施工管理として認められる工事内容と従事期間が必要です。
| 基礎になる合格 | 第二次検定に必要な実務経験 |
| 1級第一次検定 | 合格後5年以上 |
| 1級第一次検定 | 特定実務経験1年以上を含む合格後3年以上 |
| 1級第一次検定 | 監理技術者補佐として合格後1年以上 |
| 1級第一次検定+2級第二次検定 | 2級第二次検定の合格後5年以上 |
| 1級第一次検定+2級第二次検定 | 特定実務経験1年以上を含む2級合格後3年以上 |
| 一級建築士試験 | 合格後5年以上。特定実務経験を含む場合は3年以上 |
特定実務経験は工事金額と指導者まで確認する
特定実務経験として数えられるのは、請負金額4,500万円以上の工事です。建築一式工事では7,000万円以上となります。対象資格を持つ監理技術者や主任技術者の指導下で施工管理を担当する必要があります。自ら対象技術者として従事した経験も含まれます。
受検資格で使う4,500万円や7,000万円は、現在の監理技術者配置に使う5,000万円や8,000万円とは別の基準です。似た金額でも目的が異なるため、工事台帳には受検資格用の判定欄を設けましょう。
監理技術者補佐の1年は単なる補助経験ではない
1年で第二次検定の要件を満たすには、監理技術者補佐としての実務経験が必要です。一級建築施工管理技士補を持つだけでは足りません。主任技術者の要件を満たし、専任が必要な工事で監理技術者の職務を専任で補佐します。
辞令の肩書だけで受検資格を証明する方法は避けます。対象工事や配置期間を記録し、監理技術者の資格者証も確認します。申請時に実態と記録が一致しなければ、実務経験として認められない可能性があります。
旧受検資格は2028年度まで選べる
2026年度は経過措置の期間中です。制度改正前から実務経験を積んできた社員は、旧受検資格で第二次検定を受けられる場合があります。旧制度では卒業後の年数や指定学科を基準にします。指導監督的実務経験を1年以上含む点にも注意が必要です。
| 学歴・資格 | 指定学科 | 指定学科以外 |
| 大学・高度専門士 | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6カ月以上 |
| 短大・高専・専門士 | 卒業後5年以上 | 卒業後7年6カ月以上 |
| 高校・中等教育学校・専門課程 | 卒業後10年以上 | 卒業後11年6カ月以上 |
| 学歴を問わない区分 | 通算15年以上 | ― |
| 二級建築士試験合格者 | 合格後5年以上 | ― |
| 2級建築施工管理第二次検定合格者 | 合格後5年以上 | ― |
旧受検資格を使えるのは2028年度までです。2024年度から2028年度までに旧受検資格で第二次検定の受検票が交付された再受検対象者は、2029年度以降も第二次検定だけを申し込めます。欠席者を含みますが、辞退者は扱いが異なります。
旧制度の年数だけで申請可否を決めてはいけません。指定学科や経験内容の確認が必要です。学歴に応じた短縮条件もあるため、最終判定は2026年度の受検の手引に合わせましょう。
2026年度の試験日程と申請方法
2026年度の申請受付は終了しています。第一次検定は7月19日に実施済みです。合格発表は8月25日となります。第二次検定は10月18日に行われます。
| 項目 | 第一次検定 | 第二次検定 |
| 通常の受付 | 2月13日~2月27日 | 2月13日~2月27日 |
| 第一次のみの受付 | 4月7日まで | 対象外 |
| 試験日 | 7月19日 | 10月18日 |
| 合格発表 | 8月25日 | 2027年1月8日 |
| 受検手数料 | 12,300円 | 12,300円 |
たとえば、第一次検定だけを申し込み、合格発表後に同年度の第二次検定へ追加申請することはできません。第二次検定まで受ける予定なら、2月の受付期間に同時申請が必要でした。第一次検定合格者の第二次検定手数料は、8月25日から9月8日までに支払います。
また、2026年度から新受検資格の新規申請はインターネットだけになりました。旧受検資格の新規申請は書面です。社員をまとめて受検させる企業でも、受検区分に応じて申請方法を分けます。
一級建築施工管理技士になるまでの試験内容
第一次検定では建築学や施工管理法、法規などが問われます。四肢択一と五肢択一のマークシート方式です。全体で60%以上を取り、施工管理法の応用能力でも60%以上を満たす必要があります。
第二次検定では施工管理法について問われます。解答は五肢択一のほか、施工経験を使う記述問題を含みます。合格基準は60%以上です。現場で経験した工程や品質、安全の管理内容を本人の言葉で説明できる準備が欠かせません。
2025年度の第一次検定は41,812人が受検し、20,294人が合格しました。合格率は48.5%です。第二次検定は18,160人が受検し、7,091人が合格しました。合格率は39.0%でした。受検資格を満たすだけで合格できる試験ではありません。
一級建築士や2級建築施工管理技士との違い
一級建築士と一級建築施工管理技士は、担当する業務の中心が異なります。
- 一級建築士は建物の設計や工事監理を担う
- 一級建築施工管理技士は施工計画を作り、工事現場の工程や品質を管理する
一級建築士試験の合格者には、一級建築施工管理技術検定の第二次検定へ進むルートがあります。ただし、自動的に一級建築施工管理技士になるわけではありません。新受検資格では一級建築士試験の合格後に実務経験を積み、第二次検定へ合格する必要があります。
また、2級建築施工管理技士は主任技術者になれる資格です。一級建築施工管理技士は主任技術者に加え、監理技術者になれる資格を持ちます。企業は資格の上下だけで受検者を選ぶのではなく、受注予定の工事と必要な配置技術者から対象者を決めます。
合格後は証明書と資格者証の手続きを行う
第二次検定の合格通知だけで社内の配置を確定させる方法は避けます。国土交通大臣名の合格証明書は、合格後に交付申請が必要です。申請期限や送付先は、各地方整備局などが公表する案内で確認します。
監理技術者として専任配置する予定がある場合は、監理技術者資格者証と監理技術者講習も確認します。合格証明書の交付と資格者証の取得は別の手続きです。人事台帳では合格日だけでなく、証明書番号や講習の有効期間まで管理します。
企業が資格取得を支援する理由
一級建築施工管理技士は、建築工事の施工計画や工程を管理する国家資格です。品質や安全も管理対象になります。第二次検定の合格者は、建設業法上の主任技術者や監理技術者になれる資格を持ちます。実際の配置では工事内容と資格者証を確認します。
監理技術者の配置候補を社内で育成できる
発注者から直接請け負った工事で、下請契約の合計が5,000万円以上となる場合は監理技術者を置きます。建築一式工事では8,000万円以上です。金額基準は2025年2月1日に引き上げられました。
資格者がいても全工事へ同時に配置できるとは限りません。専任要件や工期の重複を確認します。受注計画と資格者一覧を同じ時期に更新すると、入札後に配置候補が足りない事態を減らせます。
経営事項審査の技術職員評価に反映される
公共工事を直接請け負う企業では、資格者数が経営事項審査の技術力評価に関係します。一級国家資格を持つ技術職員は5点です。監理技術者資格者証を持ち、有効な監理技術者講習を受けた人は6点として扱われます。
合格者数だけを人事目標にすると、経審への反映時期や配置可能な業種を見落とします。合格証明書や資格者証の取得状況を確認し、審査基準日時点の在籍要件も別に見ます。
企業が2026年から行う受検管理
受検支援は費用補助だけでは完結しません。社員ごとの受検ルートを決め、実務経験の証明に使える工事記録を残し、合格後は資格者証や講習まで育成計画を作ることが重要です。
- · 生年月日や最終学歴、指定学科を確認する
- · 第一次検定と2級第二次検定の合格日を記録する
- · 工事名や請負金額、従事期間を工事単位で残す
- · 指導した監理技術者や主任技術者の資格を確認する
- · 新受検資格と旧受検資格のどちらを使うか決める
- · 申請区分に合わせて受付方法と期限を登録する
実務経験を申請直前に集めると、退職者の証明や古い工事資料の確認に時間がかかります。工事完了時に本人と上司が記録を確認しましょう。虚偽の実務経験証明は受検停止や合格取消しにつながるため、在籍年数だけで判断しないことが大切です。
一級建築施工管理技士の受検資格に関する質問
実務経験なしでも受検できますか
第一次検定は実務経験なしで受けられます。2026年度内に満19歳以上となることが条件です。第二次検定では、新受検資格または旧受検資格に定められた実務経験が必要になります。
2026年の第一次検定合格後に第二次検定へ申し込めますか
合格発表後の追加申請はできません。2026年度に第二次検定まで受ける人は、2月13日から2月27日までに第一次と第二次を同時申請している必要があります。第一次検定だけを申し込んだ場合は、要件を満たした後の年度に第二次検定を申し込みます。
一級建築士なら第二次検定をすぐ受けられますか
一級建築士試験へ合格しただけでは足りません。新受検資格では、合格後5年以上の実務経験が必要です。特定実務経験を1年以上含む場合は3年以上となります。旧受検資格に該当する可能性もあるため、学歴や従来の実務経験も確認します。
まとめ
2026年度の一級建築施工管理技士は、第一次検定なら19歳以上で受けられます。第二次検定は新旧二つの受検資格が併存しています。旧受検資格を使えるのは2028年度までです。
企業が見るべき数字は、現在の資格者数だけではありません。第一次検定の合格後に誰がどの工事で経験を積み、何年後に第二次検定へ進めるかを見ます。受検資格用の工事金額と監理技術者配置の金額も分けます。
採用で有資格者を探し続けるより、若手社員の合格日と工事経験を結び付けるほうが配置時期を予測できます。一級建築施工管理技士の育成計画は、受検者数ではなく第二次検定の要件を満たす予定日から作りましょう。