WBGT(暑さ指数)の見方を解説|値・予報の確認方法を分かりやすく【現場の暑さ対策】

WBGTとは「暑さ指数」をあらわす値で、現場の暑さ対策に必要不可欠なデータです。環境省のサイトやアプリから、誰でも簡単に確認できます。
この記事では、WBGT値の見方や予報の確認方法のほか、建設現場の熱中症対策にどう役立てるのかをわかりやすく解説します。
目次
WBGTとは|読み方・単位・計算式
まず最初に、WBGTとはどんなものかを見ていきましょう。
WBGT(暑さ指数)の正式名称と読み方
WBGTは、Wet Bulb Globe Temperature(ウェット・バルブ・グローブ・テンパーチャー)の略で、「暑さ指数」をあらわす指標です。熱中症の予防を目的として、アメリカで提案されました。
正式名称は「湿球黒球温度」(しっきゅうこっきゅうおんど)といいます。
WBGTの単位と測定器

WBGTは、湿度・輻射熱・気温を反映した指標です。単位は摂氏度(℃)で、気温と同じ単位になりますが、気温とは異なる独自の値になります。
| 名称 | 測定値 | 装置の形状 |
|---|---|---|
| 黒球温度 | 日なたの体感温度 | 反射しない塗料を使い、黒く塗装された銅板の球(空洞) |
| 湿球温度 | 汗が蒸発するときに感じる涼しさ度合い | 温度計の球部に、水で湿らせたガーゼを巻いたもの |
| 乾球温度 | 気温 | 通常の温度計 |
WBGTの計算式
WBGTは、上の測定装置によって測定された3つの測定値から算出します。
- 屋外のWBGT(暑さ指数)
WBGT=0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度
- 屋内のWBGT(暑さ指数)
WBGT=0.7×湿球温度+0.3×黒球温度
WBGT値の見方は?
WBGT(暑さ指数)は、熱中症の危険度を表す重要な指標です。ここからは、WBGT値の見方を見ていきましょう。
WBGT値の見方

WBGT(暑さ指数)は、日常生活と運動で2種類の指針が設定されています。建設現場での指針として、ここでは「運動に関する指針」を参考にしています。指針では、熱中症の危険度を5段階に設定しています。
ここで、WBGT値が27と発表された場合を見てみましょう。指針では25以上28未満が「警戒」レベルとされ、30分おき程度の休憩が推奨されています。建設現場ではWBGT値を確認して、適宜休憩を促し、周囲への声がけなどで対策しましょう。
WBGT値の危険レベル|「熱中症警戒アラート」はどの値から?
| WBGT(暑さ指数) | 熱中症警戒レベル |
|---|---|
| 33以上 | 熱中症警戒アラート |
| 35以上 | 熱中症特別警戒アラート |
参考:環境省 熱中症予防情報サイト,熱中症特別警戒情報とは,
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/heat_alert.html,参照日2026.6.16
WBGT(暑さ指数)が33以上となった場合、環境省・気象庁から熱中症警戒アラートが発表されます。全国すべての暑さ指数情報提供地点で、翌日の日最高暑さ指数の予測値が35以上となった場合に、「熱中症特別警戒アラート」が発表となります。自助による対策だけでなく、周囲の人への呼びかけや支援が強く求められる状況です。
建設現場での作業の目安
建設現場では、WBGT(暑さ指数)とあわせて「熱中症警戒アラート」を作業の目安にすることが必要です。WBGTが25以上で休憩頻度を増やしたり、声かけによる周知を促すなどの対策を始めましょう。
なお、WBGTが31以上で「運動は原則中止」が強く推奨されているため、作業中断や即時休憩が必要となっています。
WBGT値の予報はどこで確認できる?
暑さ指数(WBGT)の予報は、建設現場の暑さ対策に必須の情報です。ここからは、WBGT値が確認できるサイトやアプリについてご紹介します。
環境省「熱中症予防情報サイト」で確認する

環境省では、全国の暑さ指数(WBGT)の予測値を毎日発表しています。
- 提供期間:4月22日から10月21日まで(令和8年度)
- 提供地点:全国841地点
- データの種類:予測値、実況値
- 予測期間:当日から翌々日までの3日分
- データ取得方法:CSVダウンロード、WebAPI対応
暑さ指数(WBGT)の予測値は、当日から翌々日までの3日間分が取得できます。実況値や予測値はCSV形式でダウンロードできるほか、WebAPIによる自動取得にも対応しているため、社内システムと連携させた現場への警戒アラート配信などにも役立ちます。
アプリで確認する

全国の暑さ指数(WBGT)は、スマートフォンのアプリで確認することも可能です。環境省のLINE公式アカウントに登録すると、熱中症警戒アラートや全国の暑さ指数(WBGT)の情報を受信できます。
受信設定では、通知を受けたい都道府県や、5段階の暑さ指数のどの値から通知を受信するかなどを設定できるため、現場のピンポイントでの情報取得に役立ちます。
過去の測定データを確認する

環境省の熱中症予防情報サイトでは、2010年以降の実況値と、2021年以降の予測値をまとめてダウンロードすることができます。さらに、過去の測定データをブラウザの「熱中症リスクカレンダー」で確認できます。全国11都市の過去5年分の暑さ指数が、早見表で表示されます。
環境省によると、急に暑くなる時期や、暑くなりはじめる時期に熱中症の発生件数が増加する傾向があるとされています。過去の測定データや予報から暑さ指数の傾向を把握し、長期的な工程管理や作業計画に役立てましょう。
WBGT(暑さ指数)は建設現場の暑さ対策にどう活用する?
建設現場の暑さ対策において、WBGTをどのように活用すればいいのでしょうか。ここからは、具体的な活用方法を見ていきましょう。
熱中症対策義務化への対応
2025年より労働安全衛生規則が改正され、建設事業者に熱中症対策が義務化されています。義務化の内容は、以下の3つの対策です。
- 報告体制の整備
- 重篤化防止措置の手順作成
- 関係者への周知
熱中症対策の整備では、作業の中断や即時休憩などを盛り込む必要がありますが、それらの判断は暑さ指数が基準のひとつです。したがって、WBGTを「建設現場の暑さ対策」の指針にすることが必要不可欠となっています。
効率的な作業計画の作成
工期の遅れを防ぎ、生産性向上を目指すためにも、暑さ指数による作業中断や休憩の増加を見越した柔軟な作業計画が欠かせません。大林組では、熱中症対策の一環として、7月~8月の猛暑期間における作業時間帯を前倒しすることが発表されています。
このように、「熱中症リスクカレンダー」などの早見表でわかる過去傾向と、最新の暑さ指数の予測と実況を組み合わせた、暑さ対策を含めた作業計画が必須となっています。猛暑期間の熱中症対策を含めた長期的な作業計画を立てるためにも、暑さ指数による現場状況の把握が欠かせないものとなっています。
まとめ|WBGTで現場の暑さ対策を
熱中症による死亡災害は、近年3年連続で30人以上発生しています。このような人災ともいえる事故を防ぎ、工期の遅れを出さない円滑な工程管理を進めるためにも、暑さ指数を活用した熱中症対策が必須となっています。
暑さ指数の予測・実況は、環境省のサイトや公式LINEアカウントで確認できます。常に最新の情報をチェックして、現場の暑さ対策に役立てましょう。