(仮称)SMBC九段プロジェクト|三井住友銀行の本部にふさわしい環境配慮ビル

(仮称)SMBC九段プロジェクトとは

出典:国立研究開発法人 建築研究所,三井住友銀行/九段プロジェクト,https://www.kenken.go.jp/shouco2/pdf/ppt/R6/02saitaku.pdf,参照日2026.9.2

(仮称)SMBC九段プロジェクトは、SMBCグループの本部となる環境配慮ビルです。三井住友銀行の本部ビルにふさわしい建物として、伝統的なデザインの美しさ、高い環境性能、利用する人の快適性のすべてを兼ね備えた建物が計画されています。

この記事では、(仮称)SMBC九段プロジェクトを含む再開発事業の全体計画のほか、本部ビルにふさわしい建物性能について、わかりやすくご紹介します。

事業概要

ここからは、(仮称)SMBC九段プロジェクトの事業概要を見ていきましょう。

出典:国立研究開発法人 建築研究所,三井住友銀行/九段プロジェクト,https://www.kenken.go.jp/shouco2/pdf/ppt/R6/02saitaku.pdf,参照日2026.9.2

  • 所在地:東京都千代田区九段南一丁目地内
  • アクセス:東京メトロ東西線・半蔵門線、都営新宿線「九段下駅」まで徒歩2分
  • 構造・規模:地上S造(柱CFT造)、地下RC造(一部SRC造)、地下2階・地上21階、高さ約130m
  • 延床面積:40,986㎡
  • 着工日:2025年11月
  • 竣工予定日:2029年9月
  • 設計:日建設計
  • 施工:鹿島建設

(仮称)SMBC九段プロジェクトの所在地は、九段南一丁目地内です。近隣には日本武道館や靖国神社があり、古書店街で有名な神保町へも徒歩10分程度と、利便性の高いエリアです。

建物は地上21階となり、北街区に建設中の高さ約170mのビルに比べて低く設計されています。建物の使用用途は、SMBCグループの本部機能を担う施設として計画されており、低層部に研修施設、中・上層部にオフィスを配置し、一部に休憩や打ち合わせなどに利用できるサステナブルフロアを整備する予定です。

九段南一丁目地区第一種市街地再開発事業の全体計画

出典:千代田区,資料1-2:九段南一丁目地区のまちづくりについて,https://www.city.chiyoda.lg.jp/documents/30896/shiryo-11.pdf,参照日2026.9.2

(仮称)SMBC九段プロジェクトは、九段南一丁目地区第一種市街地再開発事業の3街区のうち、中街区にあたる施設です。ここでは、再開発事業の全体計画についてご紹介します。

九段下駅前のインフラ整備

出典:千代田区,資料1-2:九段南一丁目地区のまちづくりについて,https://www.city.chiyoda.lg.jp/documents/30896/shiryo-11.pdf,参照日2026.9.2

九段南一丁目地区第一種市街地再開発事業は、九段下駅周辺のインフラと、北街区・中街区・南街区の3つの街区を整備する再開発です。これまで、九段下駅の駅前地区では、以下のような課題がありました。

  • 老朽化した建物が残っている
  • 川沿いの立地が活かされていない、薄暗い歩行者空間
  • 区道で、すれ違うために必要な道路幅が不足している

このような地域の課題に対して、「九段南一丁目地区まちづくり基本構想」の方針のもと、インフラ整備を進める計画です。北街区の低層部には、防災拠点として、一時避難施設を整備し、地域の防災力を高めます。

また、川に面した歩道状空地を整備し、川沿いの立地を活かした水辺の歩行者空間を創出します。区道は現在の4mから8mへ拡幅し、歩行空間の拡充整備を行うことで、日本橋川沿いに味わいのある歩行者空間を整備します。

北街区・中街区・南街区

出典:千代田区,資料1-2:九段南一丁目地区のまちづくりについて,https://www.city.chiyoda.lg.jp/documents/30896/shiryo-11.pdf,参照日2026.9.2

次に、北街区・中街区・南街区の計画について見ていきましょう。九段南一丁目地区第一種市街地再開発事業の北街区には、地上32階建ての複合施設が建設される計画です。建物構成は、低層部に文化施設、中・高層部はオフィスとなっています。

南街区は将来整備とし、敷地南側に中街区、南街区と連続した屋内滞在空間(アトリウム)を整備する計画です。

SMBCグループの本部ビルにふさわしいビルとは

(仮称)SMBC九段プロジェクトの特長のひとつに、高い建物性能があります。ここからは、SMBCグループの本部ビルとしてふさわしい、建物性能について見ていきましょう。

外観デザインと環境性能

出典:国立研究開発法人 建築研究所,三井住友銀行/九段プロジェクト,https://www.kenken.go.jp/shouco2/pdf/ppt/R6/02saitaku.pdf,参照日2026.9.2

(仮称)SMBC九段プロジェクトの外観は、5層のセットバック構造になっています。階段状に上の階にいくほど細くなるデザインで、SMBCグループのフラッグシップビルとしてのデザインを表現しています。

外壁は開閉可変型のステップ・ダブルスキンを採用し、5層ごとのステップ形状で、自然の光や風を取り込みます。こうした自然換気と、放射冷暖房などによるエネルギーのカスケード利用により、快適性を高める設計です。

自然とつながるサステナブルフロア

出典:国立研究開発法人 建築研究所,三井住友銀行/九段プロジェクト,https://www.kenken.go.jp/shouco2/pdf/ppt/R6/02saitaku.pdf,参照日2026.9.2

(仮称)SMBC九段プロジェクトでは、オフィスにいながら季節のうつろいを感じられる、ウェルネスなサステナブルフロアを計画しています。

サステナブルフロアでは、ダブルスキンファサードの開閉により、外気に触れて自然を感じながら過ごすことができます。テラスには雨水による蒸散冷却効果を持つ保水性ブロックを採用し、快適性を高めています。

また、これまでは各階でそれぞれ配置していた休憩所や打ち合わせスペースの機能を、サステナブルフロアに集約することで、スペースの有効活用につながるとともに、多様なコミュニケーションを創出します。

竣工後の効果・性能検証と情報発信

出典:国立研究開発法人 建築研究所,三井住友銀行/九段プロジェクト,https://www.kenken.go.jp/shouco2/pdf/ppt/R6/02saitaku.pdf,参照日2026.9.2

(仮称)SMBC九段プロジェクトでは、ZEB Readyの認証を目指しています。具体的には、運用開始から3年後の2030年時点で、丸の内にあるSMBC本店東館の2018年のCO2排出量実績と比較して、50%削減することを計画しています。

また、竣工後の検証を情報発信することも計画されています。運用実績の調査・分析を行い、シミュレーションモデルと実建築物による運用改善の予測や、検証結果の論文発表などを行う計画です。

このように、ダブルスキンやサステナブルフロアの導入効果や性能検証を行い、学識者との共同研究を通して、省CO2技術の情報発信を行う予定です。

まとめ

本部ビルには、企業の顔としての役割があります。伝統的なデザインの美しさでブランディングを行うだけでなく、環境配慮やまちづくりへの参加により、企業としての姿勢を表現することができます。

(仮称)SMBC九段プロジェクトは、まちづくりへの貢献と、企業のフラッグシップビルとしての役割を両立させる計画として進められている事例です。