【2026年】一般建設業と特定建設業の違いとは?|許可取得方法・請負金額の上限を徹底解説

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Category:コラム建築

著者:上野 海

「建設業の許可を取りたいけれど、一般建設業と特定建設業の違いがわからない」「どちらを取得すべきか、いつ取得すればよいのか知りたい」とお悩みではないでしょうか。

この記事では、2026年最新情報をもとに、一般建設業と特定建設業の違い、許可取得の方法、請負金額の上限を初心者向けにわかりやすく解説します。

建設業法における「一般建設業許可」「特定建設業許可」の定義

建設業許可には「一般建設業許可」と「特定建設業許可」の2種類があり、請負金額や下請契約の有無で取得区分が変わります。

上記の許可は、建設業法の第5〜17条等で規定されており、業者が適切な工事管理・財務体制のもとで施工することを目的として定められました。

(参考:e-GOV法令検索「第2節 一般建設業の許可(第5~14条)」「第3節 特定建設業の許可(第15~17条)」)

なお、各条には「許可申請」「申請の添付書類」「許可基準」「許可の効力」「登録手数料」「廃業時の対応」などが定められており、建設業者は条文に準じた対応が求められます。

また、建設業許可・建設業法の概要からチェックしたい方は、以下の記事がおすすめです▼

【2026年版】建設業許可制度の最新動向

建設業法は2024年から段階的に改正され、2025年12月にすべての改正内容が施行されました。一般建設業と特定建設業に関わる主な変更点は、次の3つです。

  • 特定建設業許可が必要になる下請金額が、5,000万円(建築一式8,000万円)に引き上げられた
  • 「専任技術者」の名称が「営業所技術者等」に変わった
  • 労務費を不当に削ることや、短すぎる工期での契約が禁止された

特に金額の基準は、ここ1〜2年で変わったばかりです。古い情報で判断しないよう、申請前には都道府県の最新の手引きも確認しましょう。

一般建設業と特定建設業の違いとは?

一般建設業許可と特定建設業許可は、建設業法で定められた建設工事の規模や役割に応じて分かれており、元請・下請、請負金額の上限などに違いがあります。

ここではポイントに分けて、それぞれの違いを紹介します。

主な役割の違い

まず、一般建設業は中小規模工事、特定建設業は大規模工事の元請として、下請契約を管理する役割があります。

許可種別主な役割
一般建設業小〜中規模工事の元請・下請
特定建設業大規模工事の元請(下請管理を含む)

規模が小さい工事であれば、一般建設業の許可だけで問題ありません。

対して、公共工事や大型民間プロジェクトを元請として請け負う場合には、特定建設業許可を取得していないと受注が不可能なケースもあります。

取り扱える工事の種類の違い

一般建設業・特定建設業は、ともに取り扱える工事の種類自体は同じです。ただし、工事金額や元請・下請で扱える規模が変わる点に注意しなければなりません。

たとえば、建設業法では29業種の工事が定められており、どちらの許可でも同じ種類の工事を扱えます。

  • 土木一式工事
  • 建築一式工事
  • 管工事
  • 電気工事 など

しかし、規模が大きい工事となる場合には、同じ工事の種類でも特定建設業の許可を受けている業者しか対応できません。2つの違いを簡単に説明すると「工事の種類は同じ」だけど「規模が違う」と覚えましょう。

下請工事の請負金額による違い

特定建設業許可が必要になるのは、元請として受注した工事で、下請契約の総額が税込5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)になる場合です。

一般建設業許可しかない場合は、下請に出せる金額がこの金額未満に限られます。

ただし、自社が請け負う金額そのものには上限がありません。下請として受注する場合も、金額にかかわらず一般建設業許可で対応できます。

工事種別(税込)許可なし一般建設業特定建設業
1件500万円未満の工事(建築一式は1,500万円未満)◯◯◯
上記を超える工事(下請総額5,000万円未満)✕◯◯
元請で下請総額5,000万円以上の工事✕✕◯

出典:国土交通省「建設業の許可とは」

※建築一式工事の下請総額の基準は8,000万円です。

元請として大きな工事を受注していく予定があれば、早めに特定建設業許可を検討しましょう。

一般と特定どちらが必要?ケース別の判断例

一般建設業と特定建設業のどちらが必要かは、工事全体の金額ではなく、元請として下請に出す金額の合計で決まります。よくある4つのケースで確認してみましょう。

ケース必要な許可
元請で2億円の工事を受注し、すべて自社で施工する一般建設業
元請で1億円の工事を受注し、3社に合計4,800万円を発注する一般建設業
元請で1億円の工事を受注し、3社に合計5,200万円を発注する特定建設業
下請として3億円の工事を受注する一般建設業

※建築一式工事以外の場合です。金額はすべて税込です。

判断に使う下請金額は、1社ごとではなく、その工事で発注するすべての下請契約の合計です。また、元請が用意して支給する材料費は、下請金額に含めません。

発注予定額が基準に近い場合は、工事が始まってから追加発注で基準を超えないよう、契約前に余裕を持って計画しておきましょう。

許可の要件・審査基準の違い

特定建設業許可は、一般建設業許可よりもお金と技術者の要件が厳しく設定されています。

項目一般建設業特定建設業
財務要件自己資本500万円以上など資本金2,000万円以上、自己資本4,000万円以上など
経営業務の管理体制必要必要
営業所技術者等資格または実務経験原則として1級資格が必要

特定建設業の財務要件は、5年ごとの更新時にもチェックされます。

許可を取った後も要件を満たし続けられるよう、資金面の計画もあわせて立てておきましょう。

建設業許可の取得方法と流れ

建設業許可を取得するための流れを以下にまとめました。

  1. 経営業務の管理体制・営業所技術者等の要件を満たしているか確認する
  2. 事務所・営業所の所在地要件を確認する
  3. 純資産の額や欠損割合など財務要件を確認する
  4. 必要な書類(登記簿謄本・納税証明・身分証明・住民票など)を収集する
  5. 申請書類を作成する(業種選定、決算書添付など)
  6. 都道府県庁または国土交通省に申請書を提出する
  7. 審査期間(おおむね30〜45日)を経て許可通知を受け取る
  8. 許可通知後、許可証を受領し営業開始する

なお、許可後も毎事業年度終了後に決算変更届を提出しなければなりません。また、許可の有効期限は5年間であるため、定期的な更新申請が必要です。

許可取得時の費用と期間の目安

建設業許可の取得には平均で3〜4ヶ月、費用は以下の項目を考慮して約20万〜60万円程度が目安です。

  • 申請料
  • 書類取得費
  • 専門家報酬

国土交通省や都道府県の公式情報によると、許可申請は書類準備・申請・審査・許可交付という流れで進むため、それぞれのステップで時間を必要とします。また、法人登記簿・納税証明・身分証明など、多数の書類取得費用も発生するため、予算を確保しておくことが重要です。

なお、自社だけで申請手続きができる場合には、専門家報酬をカットできます。

より詳しく建設業許可の更新について知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください▼

一般建設業と特定建設業の違いについてよくある質問

一般建設業許可はどのタイミングで必要?

工事1件の請負金額が税込500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上)になる場合は、元請・下請を問わず建設業許可が必要です。反対に、この金額未満の軽微な工事だけであれば、継続して受注していても許可は不要です。ただし、1つの工事を複数の契約に分けて金額を下げても、合計額で判断されます。許可を取らずに基準額以上の工事を請け負うと、罰則や営業停止処分の対象になります。

元請でも一般建設業の許可で問題ない?

元請で工事を受注する場合でも、下請契約の金額が税込5,000万円未満(建築一式は8,000万円未満)であれば一般建設業許可で対応可能です。ただし、下請契約の総額が税込5,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)になる場合は、特定建設業許可が必要です。

許可の更新はいつ必要?

建設業許可は原則5年ごとの更新が必要で、有効期限の30日前までに更新申請を行う必要があります。許可を継続し営業を続けるためには、決算変更届や役員変更届など日々の許可管理が重要です。更新申請を忘れると無許可状態となり、受注中の工事に影響が出ます。

特定建設業へ切り替えるタイミングは?

元請として大規模工事を受注し、下請契約の金額が税込5,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)となる見込みが出た段階が切り替えの目安です。特定建設業許可は財務要件などが一般許可より厳格なため、計画的に資本強化・要件確認を進めたうえで切り替えましょう。

建設業許可を取らずに工事をするとどうなる?(罰則・罰金)

許可が必要な工事を無許可で請け負うと、建設業法違反になります。罰則は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金で(建設業法第47条)、法人には1億円以下の罰金が科される場合もあります。一般建設業許可しか持っていないのに、特定建設業許可が必要な下請契約を結んだ場合も同じ扱いです。受注する前に、必要な許可の種類を確認しておきましょう。

まとめ

建設業に従事する際には、まず一般建設業と特定建設業の違いを理解することが重要です。

特に経営者の場合、許可なしの工事だけに対応するのか、一般・特定のどちらの許可を取るべきなのかの判断を迫られるケースが少なくありません。どの許可を取るべきか不安な場合は、専門家へ相談し、最新の法改正情報も踏まえて計画的な取得・更新を進めましょう。