【2026年最新版】建設業法第2条第1項とは?|建設工事の定義・別表第一29業種・修繕工事の扱いをわかりやすく解説

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Category:コラム建築

著者:上野 海

建設業に関わる実務で、必ず登場するのが「建設業法第2条第1項」です。しかし、「どこまでが建設工事に当たるのか」「修繕工事は対象なのか」「許可が必要かどうかの判断基準が曖昧」と感じている方も多いのではないでしょうか。

結論から言えば、第2条第1項は建設業法のすべての判断の起点となる「建設工事」の定義です。建設業許可の要否、技術者の配置、請負契約のルール、さらに契約書の印紙税の軽減措置まで、この定義に当てはまるかどうかで扱いが変わります。

この記事では、条文の意味を紹介したうえで、別表第一の29業種、修繕工事・設計業務の扱い、2025年12月に全面施行された改正建設業法との関係まで解説します。

建設業法第2条第1項とは?建設工事の定義

建設業法第2条第1項は、建設業法全体の前提となる「建設工事」の定義を定めた条文です。

地味な定義規定に見えますが、じつは建設業法の多くのルールがこの定義を前提にしています。

  • 許可が必要か(第3条)
  • 契約書に何を書くか(第19条)
  • 現場に誰を置くか(第26条)

逆に言えば、建設工事に当たらない作業には、これらのルールはそもそもかかりません。そのため、実務ではまず「この仕事は建設工事なのか」を確かめることから始まります。

建設業法第2条第1項の原文

まずは、建設業法第2条第1項の条文を確認しましょう。

この法律において「建設工事」とは、土木建築に関する工事で別表第一の上欄に掲げるものをいう。

引用:e-Gov 法令検索「建設業法」

この一文には、2つの条件が含まれています。

1つ目は、「土木建築に関する工事」であることです。建物や道路などの工作物をつくったり、手を加えたりする仕事を指します。

2つ目は、「別表第一の上欄に掲げるもの」であることです。建設業法の末尾には工事の種類を並べた表があり、そのどれかに当てはまる必要があります。

ポイントは、この2つを両方満たして初めて「建設工事」になるという点です。現場で「〇〇工事」と呼ばれていても、別表第一のどれにも当たらなければ、建設業法上の建設工事ではありません。呼び名ではなく中身で判断する、というのがこの条文の基本的な考え方です。

なお、建設業法の役割や最新の改正情報を知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください▼

別表第一とは?上欄・下欄の意味と29業種一覧

建設業法第2条第1項の条文に出てくる「別表第一」は、建設業法の末尾に付いている2列の表です。次の29項目が対象工事となります。

工事の種類(上欄)対応する業種(下欄)
土木一式工事土木工事業
建築一式工事建築工事業
大工工事大工工事業
左官工事左官工事業
とび・土工・コンクリート工事とび・土工工事業
石工事石工事業
屋根工事屋根工事業
電気工事電気工事業
管工事管工事業
タイル・れんが・ブロツク工事タイル・れんが・ブロツク工事業
鋼構造物工事鋼構造物工事業
鉄筋工事鉄筋工事業
舗装工事舗装工事業
しゆんせつ工事しゆんせつ工事業
板金工事板金工事業
ガラス工事ガラス工事業
塗装工事塗装工事業
防水工事防水工事業
内装仕上工事内装仕上工事業
機械器具設置工事機械器具設置工事業
熱絶縁工事熱絶縁工事業
電気通信工事電気通信工事業
造園工事造園工事業
さく井工事さく井工事業
建具工事建具工事業
水道施設工事水道施設工事業
消防施設工事消防施設工事業
清掃施設工事清掃施設工事業
解体工事解体工事業

引用:e-Gov 法令検索「建設業法」

第2条第1項がいう「上欄に掲げるもの」とは、この左側の29種類の工事のことです。

一方、右側の業種名は、建設業許可を取るときの区分として使われます。許可は業種ごとに取る仕組みなので、「どの工事に当たるか」がわかれば、「どの許可が必要か」も自然に決まります。

また、表のなかでも、土木一式工事と建築一式工事の2つは「一式工事」と呼ばれます。複数の専門工事をまとめて、総合的に管理する工事のことです。残りの27種類は「専門工事」です。

なお、解体工事は2016年6月の法改正で「とび・土工工事」から独立して加わりました。古い資料では28業種と書かれていることがあるので注意しましょう。

29業種の内容や建設業許可との関係を詳しく知りたい方は、以下の記事もおすすめです▼

工事の中身は「告示」で決まっている

別表第一を見て、「名前はわかったけれど、具体的にどこまでが大工工事なのか」と感じた方もいるでしょう。その答えは、「建設業法第二条第一項の別表の上欄に掲げる建設工事の内容」(昭和47年建設省告示第350号)で示されています。

たとえば大工工事については、「木材の加工又は取付けにより工作物を築造し、又は工作物に木製設備を取り付ける工事」と定義されています。

さらに国土交通省は、「業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方」というガイドラインで、工事ごとの具体例や紛らわしいケースの区分方法を示しています。

判断に迷ったときは、「条文→別表第一→告示→ガイドライン」という順に確認していくのがおすすめです。

建設業法第2条第1項で定義される「建設工事」とは

建設業法第2条第1項で定義される「建設工事」は、一般的にイメージされる「工事全般」とは一致しません。

結論として、建設業法上の建設工事は、前述した別表第一に記載されている工事が対象であり、「法律で限定された工事」のみを指します。なぜなら、建設業法はすべての作業や業務を規制する法律ではなく、社会的影響が大きい工事のみを対象に、許可・監督を行う法律だからです。

たとえば、設計・測量・保守点検や、資材の運搬だけといった作業は、工作物に手を加えないため建設工事には当たりません。自社の建物を自社で建てる場合も、請け負っていないため建設業には該当しません。

一方、工事の規模は関係ありません。小さな工事でも、内容が別表第一に当たれば建設工事です。

この違いを理解せずに業務を進めると、「許可が不要だと思っていた工事が、実は建設業法の対象だった」という事態につながります。

建設業法第2条第1項と「修繕工事」の関係

「修繕工事は建設業法の対象外」と誤解されがちですが、修繕工事でも内容次第で建設工事に該当します。参考として以下より、該当しやすいケース・該当しにくいケースを整理しました。

該当しやすい修繕工事

  • 建物や設備の機能・性能を回復・向上させる工事
  • 構造体や主要設備に手を加える工事
  • 別表第一の工事そのものに当たる修繕
    (外壁の塗り替え、屋上防水、配管の更新など)

該当しにくい修繕工事

  • 消耗品の交換のみ
  • 清掃・点検・保守にとどまる作業
  • 工事性がほとんどない軽微な対応

つまり、「修繕=対象外」ではなく、「その修繕が、別表第一に掲げる工事内容に当たるか」が判断になります。このポイントを誤ると、無許可営業や行政指導、指名停止を受けるリスクもあるため、正しい判断をする必要があります。

建設業法第2条第1項が実務で重要な理由

建設業法第2条第1項は、許可の要否、契約の適法性、当事者の責任範囲といった実務の核心部分につながる条文であるため、理解が浅いまま業務を進めると大きなリスクを抱えることになります。

ここでは、建設業法第2条第1項について、実務で確実にチェックすべき理由を紹介します。

許可が必要かどうかの判断基準になる

建設業者が取得する「建設業許可」が必要かどうかは、第2条第1項に該当しているかで判断をします。

たとえば、建設業法第3条第1項には、「建設業を営もうとする者は許可を受けなければならない」と定められています。しかし、その前提として、そもそも請け負っている内容が「建設業法上の建設工事に該当するか」を判断しなければなりません。

ここで基準になるのが、第2条第1項+別表第一です。ただし、建設工事に当たっても、次の「軽微な建設工事」だけを請け負う場合は許可が不要です。

工事の種類許可が不要な範囲(税込)
建築一式工事1,500万円未満、または延べ150㎡未満の木造住宅
それ以外500万円未満

金額には材料費も含まれ、契約を分割しても合算されるので注意しましょう。

なお、建設業許可の条件や費用について詳しく知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください▼

契約トラブル・無許可営業リスクを防ぐ

第2条第1項について誤解をすると、契約トラブルの火種になります。

もし建設工事に該当するにもかかわらず、次のような対応をした場合、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(第47条)の対象となるほか、元請けからの契約解除、代金の未払いトラブルに巻き込まれるかもしれません。

  • 無許可で請け負った
  • 許可業種と異なる工事を契約した

契約書を交わした後では修正が難しいため、契約前の段階で第2条第1項について整理をしておくことが、最大のリスクヘッジになります。

印紙税や改正建設業法のルールにも関わる

第2条第1項の定義は、許可以外の場面でも基準として使えます。

たとえば、国税庁の「工事請負契約書の印紙税の軽減措置」(2027年3月31日まで)は、第2条第1項の建設工事の契約書が対象です。

また、2025年12月に全面施行された改正建設業法で導入された、原価割れ契約や工期ダンピングの禁止も、建設工事の請負契約に適用されます。

建設業法第2条第1項についてよくある質問【FAQ】

修繕工事は必ず建設業法の対象になりますか?

修繕工事だからといって、必ず建設業法の対象になるわけではありません。判断基準は工事名ではなく内容です。構造や設備に手を加え、別表第一に該当する場合は「建設工事」と判断され、許可が必要になることがあります。消耗品交換や軽微な作業のみであれば、対象外となるケースもあります。

別表第一に載っていない工事はどう扱われますか?

別表第一に掲げられていない工事は、原則として建設業法上の「建設工事」には該当しません。ただし、名称が異なっていても実質的に別表第一の工事内容と同等であれば、対象と判断される可能性があります。実務では工事内容を具体的に整理したうえで判断することが重要です。

建設業法第2条第1項と第3条第1項は何が違いますか?

第2条第1項は「何が建設工事か」を定義する条文で、第3条第1項は「建設業を営むには許可が必要」と定めた条文です。つまり、第2条で対象工事を確定し、そのうえで第3条により許可の要否を判断する関係にあります。実務では必ずセットで確認します。

まとめ

建設業法第2条第1項は、どの工事が建設業法の対象になるかを決める条文です。

工事名ではなく、「工事内容が別表第一に該当するか」という視点で判断することが重要です。そのうえで、軽微な建設工事に当たれば許可は不要になります。また、修繕工事や改修工事であっても内容次第では建設工事に該当します。

この定義を誤って理解すると、無許可営業や契約トラブルにつながるリスクがあります。建設業に従事する場合には、受注する工事が建設業許可に該当するか否かの判断として、建設業法第2条第1項の内容チェックを怠らないように注意しましょう。