国土交通省、9月の大手50社受注総額1兆9,791億円、前年同月比11.1%減で3ヶ月連続減

国土交通省は2026年10月30日、令和8年9月分の「建設工事受注動態統計調査(大手50社調査)」の結果を発表しました。大手建設会社50社の受注額をまとめたもので、国内の建設市場の動きをつかむ材料になります。

今回は民間工事の落ち込みが目立ちました。民間工事は前年同月比14.6%減で7ヶ月連続の減少となり、受注の総額も11.1%減と、3ヶ月連続で前年の同じ月を下回っています。民間、公共、海外の順に、数字の動きを整理します。

受注総額は1兆9,791億円で3ヶ月連続の減少

9月の受注総額は1兆9,791億円となり、前年同月と比べて11.1%少ない結果でした。減少が続くのは3ヶ月連続です。このうち国内の受注額は1兆9,568億円で、前年同月比11.2%の減少にあたります。総額と国内計の減少幅はほぼ同じ水準でした。

民間工事と公共工事の双方が前年を下回っており、民間工事1兆5,062億円は国内計の約77%、公共工事3,887億円は約20%を占めます。残りの619億円は、駐留軍・外国公館や小口工事などの「その他」に該当します。

民間の比重が大きいため、全体の動きは民間の増減に左右されやすい構造です。単月の数字とはいえ、減少が3ヶ月続いた点には留意が必要です。

民間工事は14.6%減、7ヶ月連続の減少

9月の民間工事は1兆5,062億円で、前年同月より14.6%減りました。7ヶ月続けての減少で、サービス業などの発注が減ったことが響きました。

発注者を製造業と非製造業に分けると、製造業は前年同月比60.7%増と大きく伸びた一方、非製造業は31.6%減となっています。非製造業の減少幅が3割を超えたため、製造業の増加だけでは落ち込みを補えず、民間全体では2桁のマイナスになりました。

発注者別と工事の種類で見た増減の違い

発注者別に見ると、サービス業、鉱業・採石業・砂利採取業・建設業、電気・ガス・熱供給・水道業などが減少しました。反対に、製造業、金融業・保険業、卸売業・小売業などは増加しています。業種によって動きが大きく異なった月だったといえます。

工事の種類別では、建築と土木がともに減少し、土木その他、店舗、宿泊施設などが減りました。一方、工場・発電所、住宅、倉庫・流通施設は増加しています。

生産や物流の拠点、住まいに関わる工事が増えた点が目を引きます。減少一色ではなく、内訳には幅があります。発注者の業種と工事の種類を重ねて見ると、受注の動きをより立体的にとらえられます。

公共工事は1.5%減、国と地方で明暗

9月の公共工事は3,887億円で、前年同月比1.5%の減少でした。前月は増加しましたが、今月は再びマイナスに戻っています。減少幅は民間工事に比べると小さく、発注機関別では国の機関が14.8%減、地方の機関は38.9%増と、対照的な結果でした。

国の機関はすべての機関で減り、地方の機関はすべての機関で増えています。この違いが公共工事全体の減少幅を小さくしました。工事の種類別では建築が増加し、土木が減少しました。土木その他、医療福祉施設、道路などが減り、建築その他、娯楽施設、治山治水などが増えています。

海外工事は224億円で7ヶ月ぶりに増加

9月の海外工事は224億円となり、前年同月比1.9%増でした。7ヶ月ぶりの増加です。国内計が減少する一方で海外が増加した点は、9月の特徴のひとつです。海外工事の受注額は総額の約1%にとどまっており、全体に占める割合は小さい状況です。なお、海外工事の受注額には現地法人分が含まれていません。

区分ごとに見ると、民間工事は7ヶ月連続、総計は3ヶ月連続で減少し、公共工事は再び減少に転じました。全体では減少が目立つものの、製造業や地方の機関のように、大きく伸びた分野もあります。

出典情報など

出典:国土交通省,令和8年9月の建設工事受注動態統計調査(大手50社調査)結果,https://www.mlit.go.jp/report/press/joho04_hh_001399.html,リリース日:2026-10-30