【連載】建設DXで現場はどう変わる?「BIMに期待するDXの姿」|(第5回)東急建設株式会社 酒井氏

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▼連載3回目:【連載】現場でDXを進める時のパートナー(協力会社)との連携(第3回)

▼連載4回目:【連載】建設DXで現場はどう変わる?DX(第4回)

第5回 BIM原則適応で変わっていく建設現場

限りある発言の場で、BIM活用について持論ではありますがメリットデメリットを発信してまいりました。まずは大まかにまとめさせていただきます。

BIMを使うとどのような利点があるのか(メリット)

  • 関係者が同時に同一データで作業ができる
  • 建物の情報化(建物をデータ化し管理活用する)
  • 互換性情報や活用できるソフト情報を広める
  • BIMを知ることで更なる応用や活用性の幅を広げる。

等、これ以外でも様々なメリットがあげられます。

BIMを使うことで起きる弊害(デメリット)

  • 導入時の不安・抵抗感
  • 常識・や標準を崩すことの抵抗感
  • 操作ができない・理解が薄い等によるタイムロス
  • 一連のフロー標準が出来上がっていない
  • 莫大な情報量の保存や移行の問題

等があげられます。

現場でBIMを使いやすくするにはどうするべきか

  • タブレットで簡易的に扱えること
  • 平面図とBIMの連携があり見たいところを簡易的に見られること
  • クラウドを使ったデータ保存をすることで誰でも見たいところを見れること。
  • 部材や組み立てなど仮想空間の中で簡易に検証できること

BIMに期待するDXの姿

建設においてよりリアルな情報を用い、よりリアルなBIMを活用できた先の現場はどうなるのでしょうか。3次元の情報共有が可能になるとすると、施工ステップや納まりを検討でき、そこに仮設を組み込み仮想空間で実際の手順で建設ができ検証できる。
その手順を見える化し過去の災害事例や品質事故情報などの情報をAIも用いリンクさせることで安全面に対しても検証できる。
これらが一つにつながった時、そしてそのデータを活用できれば現場管理業務が減り、労務不足や人員不足の対策ともなりえるのではないでしょうか。これ以外でもサプライチェーンによる関係者すべての人が3次元の情報共有されることで、新たな発想が生まれることも期待できるのではないでしょうか。

最後に

『建設』とは『物造り』であり『物』は3次元の世の中に存在します。そう考えると『建設』は3Dで表現することはごく自然なことで、本来あるべき姿だと思います。
その3Dを扱うBIMに関してもまた、建設において自然なツールであるべきであり、リアルな未来の見える化ができるアイテムだと実感しています。
いかにこのツールを自然体で使えるかが今後のBIM発展のカギになるのではないでしょうか。

BIMモデル活用によるプレカット工法の実証を通して、BIMの機能やソフトへの理解など、私の頭の中もぼんやりではありますが、2Dから3Dの世界へ、また、建設のDXの入り口が見えてきたような気がします。

今回のコラムを通して自分が体験し、感じてきたものを文字で整理できたこともその要因の一つかもしれません。今後このぼやけた入口を鮮明にすべく日々模索しながら新しい世界へのチャレンジをしていきたいと考えています。