【連載】プロジェクトが止まる依頼事例(第3回)

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BIM,コラム,連載

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連載企画「BIMコンサルへ提案依頼するための必須項目」では、ゼネコンや建材メーカーなどのBIM推進やデジタル推進の担当者向けに役立つ情報を発信しています。

連載2回目の本記事は、「プロジェクトが止まる依頼事例」についてです。

開発プロジェクトは、最初から最後までスムーズに進むものもあれば、図らずも途中でペースダウンしてしまうものもあります。ここでは、プロジェクトが止まってしまう依頼について、いくつかのケースをご紹介します。

開発プロジェクト以外でも起こり得るケースですので、直接は関係無いという方も普段の業務の参考に読んでいただければ幸いです。

他の連載記事はこちら

▼連載1回目:【連載】発注時の5原則・前編(第1回)

▼連載2回目:【連載】発注時の5原則・後編(第2回)

▼連載4回目:【連載】プロジェクトに必要なチームビルディングのポイント(第4回)

▼連載5回目:【連載】RFPに記載すべき17の内容とポイント(第5回)

1.最初から大きなことをしようとする

新しい何かを始める時に、先のビジョンはあった方が良いのですが、遠くを見すぎて目先のスコープが適切に定まらないケース。
スムーズに進むプロジェクトほど、小さく目標を定め、小さな成功を積み重ね、堅実に進むことが多いです。どの時期にどの程度のものが必要か、最終目標は遠くても、それに至るロードマップやマイルストーンを設定し、できれば関係者全員と共有した方が良いです。それができれば、目標達成のためのモチベーションも上がり、プロジェクトは止まるどころかむしろ速度が上がっていきます。

2.要件に対してメンバーの構成が不適切

要件自体も重要ですが、プロジェクトに関わる人の数も同じくらい重要です。

多すぎても意思決定が難しくなり進みづらく、少なすぎると手が足りなくなって止まってしまいます。人数以外にはマインド面も重要で、作るものが高度であればあるほど、発注者も含めたプロジェクトメンバー全員に共に作り上げる気持ちが無いと、良いものができません。
誰か一人でも非協力的だと、メンバーの士気が下がったり、どうしても先に進めない領域が生まれたり、中途半端に止まってします。

人数が多いとマインドの統一やルールの作成、円滑なコミュニケーションが行える環境作り等も必要になってきます。

同じコストでもさらに良いものを作るためにも、作るものに対しての人数含めて適切なメンバー構成が非常に重要です。

3.予算やスケジュールの不足

これはどうしようもないケースなのですが、要件に対して予算が小さい、あるいは要件に対してスケジュールがタイトなケース。

依頼時点で要件が明確に決まっているプロジェクトは少ないですが、予算やスケジュールには限りがあるので、実現可能な範囲を見つけてその中でできる部分を探さなくてはなりません。

開発プロジェクトには実際にコードを書く実装業務以外にも、要件定義、設計、テスト、保守等多くの関連する作業があり、想定よりもコストがかかることはよくあります。

それらも含めてスコープを定め、確実なステップを踏めると成功に繋がっていきます。

第4回は「チームビルディング」についてお話致します。
来週月曜日更新となります、お楽しみに。

この記事を書いた人

藤井章弘

株式会社AMDlab CEO   BIMをはじめとする建設テックに精通した一級建築士の資格を持つ建築構造デザイナー/構造家。 株式会社松田平田設計で構造設計者として経験を積んだ後、一級建築士の松原昌幹氏と2019年にAMDlabを設立。建築を基盤とするアプリケーションやプロダクトの開発、建築設計、教育活動などを行い、機械学習やIoT、VRなど最新テクノロジーを用いて建築業界のDXを推進。 公式サイトはこちら

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