
建設業従事者の「SDGs認知度」に関する調査レポート|スパイダープラス
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連載企画「BIMコンサルへ提案依頼するための必須項目」では、ゼネコンや建材メーカーなどのBIM推進やデジタル推進の担当者向けに役立つ情報を発信しています。
連載2回目の本記事は、「発注時の5原則」の後編です。「チーム体制の構築」と「スケジュール設定」の重要さをBIMコンサルの藤井 章弘氏が説明します。
BIM導入や社内に蓄積されたBIMデータの有効活用する方法などをBIMコンサルに相談したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
▼連載1回目:【連載】発注時の5原則・前編(第1回)
▼連載3回目:【連載】プロジェクトが止まる依頼事例(第3回)
▼連載4回目:【連載】プロジェクトに必要なチームビルディングのポイント(第4回)
▼連載5回目:【連載】RFPに記載すべき17の内容とポイント(第5回)
発注者側で「チーム体制を構築する」こともプロジェクトを円滑に進めるために重要なポイントです。
プロジェクトの人数や役割分担、最終的な意思決定を行う担当者を明確にしておくと、我々と発注者の意思疎通がスムーズになり、開発工程の手戻りを最小限に抑えることができるからです。
依頼時には不明瞭な点がたくさんあるので、我々から発注者の意思決定を促す情報を提示するなどのアシストはしっかり行います。
しかし、我々が納品するシステムは発注企業の課題解決をするためのツールなので、実装する機能やリリース後の運用方法などの最終的な意思決定は発注者でないとわかりません。
例えば、要件定義から運用保守までの開発フェーズを順番に進めていくウォーターフォール型開発だと、要件定義では決裁者やシステムの利用者、実装ではプログラマーだけなど、開発フェーズごとにチームに必要な登場人物が違ってきます。
一方、アジャイル型開発は、機能単位の小さなサイクルで要件定義→設計→実装→テストをリリースまでに繰り返し行うため、常に開発に必要な登場人物が全員参加しなければなりません。
特に要件定義時には決裁者がいないと工程が全く進まず、成果物の質も低下してしまいます。
最後はBIMコンサルからの要望になりますが、ロードマップやスコープを明確にしたうえで、「余裕のあるスケジュールを設定」することです。
先端技術を活用した挑戦的な依頼だと、発注者との要件定義に入る前に実現可能なのか事前検証を行うケースもあります。
事前検証のために複数の技術論文を読み込んだり、プロトタイプ(試作品)を作ったりするため、依頼をいただいてからすぐに開発に着手できるわけではありません。こうした事前検証が必要になると、スケジュール通りに進めるのも容易ではありません。
予算消化の関係で年末、年度末などの決算期に短納期で依頼せざるを得ない発注者の事情も十分理解しています。
しかし、お客様に良いものを使っていただきたいので、余裕のあるスケジュールで依頼してもらえるとより高品質なシステムを納品できます。
BIMコンサルとのやり取りがスムーズになり、高品質なシステムを構築するために必要な「発注時の5原則」をこれまでの経験から解説しました。
とはいえ、今までBIMコンサルにBIM導入や関連システム開発の依頼経験のない方は具体的に何をすればよいか分からないでしょう。
そのような方は、まずは以下を参考にしてRFPを作成することからはじめてみてください。
これらの情報を依頼前にすべて埋めるのは難しいかもしれません。
しかし、ざっくりとした要件でも一度RFPを提出してもらえると、これをたたき台として我々が発注者と打ち合わせをしながら詳細を詰めていったり、不足分を提案したりすることができます。
人的リソースとコストを過不足なく活用し、発注企業の業務改善や課題解決につながる高品質なシステムを構築するためにも、BIMコンサルに依頼するときは事前にRFPを準備することをおすすめします。
発注時の5原則「課題の明確化」「マインド」「基礎知識」「チーム体制」「スケジュール」はいかがでしたでしょうか?プロジェクトの成功のためにも是非、原則を踏まえて進行していただければと思います。次回はプロジェクトが止まる依頼事例をお届けします。
株式会社AMDlab CEO BIMをはじめとする建設テックに精通した一級建築士の資格を持つ建築構造デザイナー/構造家。 株式会社松田平田設計で構造設計者として経験を積んだ後、一級建築士の松原昌幹氏と2019年にAMDlabを設立。建築を基盤とするアプリケーションやプロダクトの開発、建築設計、教育活動などを行い、機械学習やIoT、VRなど最新テクノロジーを用いて建築業界のDXを推進。 公式サイトはこちら