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インフラDXとは|課題や国交省アクションプランを解説

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トレンドワード:インフラDX

「インフラDX」についてピックアップします。道路や防災などのインフラ設備は、国民生活に大きな影響を及ぼしています。本記事では国土交通省のDXアクションプランや、具体的な事例をご紹介していきます。

インフラDXとは

インフラDXとは、デジタル技術を活用して社会資本や公共サービスを変革する取り組みのことを指します。業務や組織、プロセス、建設業や国土交通省の文化・風土や働き方を変革し、インフラへの国民理解を促進すると共に、安全・安心で豊かな生活を実現することを目的としています。

インフラDXの背景

新型コロナウイルスの感染拡大を契機として、テレワークやオンライン会議が急速に浸透しました。在宅時間が増える中で「物流網の確保、災害対策への重要性」はさらに高まりつつあります。

しかしインフラ分野の状況を見てみると、建設業の労働者数は482万人とピーク時の70%に減少しています。また「55歳以上が3割以上」と高齢化していることも課題です。インフラの維持管理は国民の安全確保のために不可欠であり、今後も生産性向上を図る必要があります。

国土交通省|インフラ分野のDX

国土交通省では、社会資本や公共サービス、組織、プロセス、文化・風土、働き方の変革を図るインフラDXとして3つのポイントを掲げています。

  • 行動のDX
  • 知識・経験のDX
  • モノのDX

行動のDX

新型コロナウイルスが蔓延する状況下でも、いわゆる3密を避け現場の機能を確保するため、映像データを活用した監督検査等、対面主義にとらわれない建設現場の新たな働き方を推進します。

従来までは現場で確認作業を行っていましたが、カメラ等でリアルタイムで遠隔確認できる「遠隔臨場」の広がりが期待されています。遠隔臨場に関して詳しくは、下記記事をご覧ください。

知識・経験のDX

施工の段取りやインフラ点検における熟練技術者の判断結果を「教師データ」とし、民間に提供する取り組みです。これにより民間のAI開発を促進し、建設施工やインフラメンテナンスの現場を変革します。

モノのDX

BIMやCIMを導入すれば、複数の図面から推察していた内部構造や組立形状が一目で分かるようになります。さらに数量や工事費の自動化も可能となり、受発注者双方の働き方改革が実現します。

インフラDXアクションプランとは

国土交通省では2022年3月に「インフラDXアクションプラン」を作成しました。具体的には、下記3点が柱となります。

行政手続きのデジタル化

インフラ分野に係る各種手続きのデジタル化を推進することにより、WEB システム等を活用したリモート化、ペーパーレス化、接触を減らすタッチレス化を目指します。1つの手続きのために複数の部署に書類を提出する等、不必要に煩雑化したプロセスを簡易化し、システム上で一元的に処理できるようにします。 

情報の高度化とその活用

関係者間において正確でリアルな情報共有が行える、3 次元データによるコミュニケーションを推進します。3次元データ(BIM/CIM)の流通や、XR の活用、WEB 会議システムの活用、 インフラデータの公開・活用等を促進します。また広報にも3次元で表示した映像を用い、 効果的な情報伝達を行います。

現場作業の遠隔化・自動化・自律化

建設業の現場における各種作業(例:施工作業・出来高確認・災害復旧・点検)に対する遠隔化・自動化・自律化技術の一層の開発・社会実装を推進します。各種技術基準類の標準化や、開発環境・プラットフォームの整備を図ります。

インフラDXの事例

国土交通省は、革新的技術の活用等により建設現場の生産性向上を図る「i-Construction 大賞」(※2022年度からは「インフラDX大賞」に名称変更)を創設しています。ここでは、2021年度に受賞したインフラDXの代表的な事例をご紹介します。

ドローンで天然ダム・砂防関係施設の点検調査|中電技術コンサルタント 

大規模な土砂災害現場である河道閉塞箇所の調査や砂防関係施設の点検において、UAV(ドローン)の自律飛行による自動点検を実施しました。

飛行方法は目視外飛行(レベル3)とし、「撮影用UAVと中継用UAVを同時飛行」させることで電波通信環境の問題を解決し、迅速かつ安全性の高い調査方法を確立しています。

東京国際空港際内トンネル他築造等工事|清水・五洋特定建設工事共同企業体

年間約8,700万人が利用する東京国際空港で、新たに国内線地区と国際線地区を結ぶ道路トンネルを構築する工事プロジェクトです。シールド工事の掘進計画の立案及びシールド機操作の自動化を目的とした「AI施工合理化システム」を適用し、その有効性を検証しました。

通常のシールド工事では既設構造物を避けるためにトンネル線形が複雑になる場合が多く、多大な労力を費やしています。今回は一部区間において「施工計画支援AI」と「掘進操作支援AI」を導入して高精度な施工精度を確保するとともに、シールド掘進の計画から施工までの作業効率化を実現しました。

今後は2つのAIシステムを統合し自動測量システムとデータを連動させることで、計画から施工までのシールド工事の完全自動運転を実現する予定です。

ICT建機の施工履歴データとDX統合型クラウド|大林組

ICT建機から得られる施工履歴データは、適切なフィルタリングを行うと現場形状を復元可能となります。

通常切土工ではフィルタリングが容易ですが、盛土工ではフィルタリング方法として確立されたものはありません。そこで今回、施工を行っている間の時刻歴を用いてフィルタリングを行った結果、国土交通省が定める3次元計測の計測精度を確認できました。

また取得したデータは、クラウド型のプラットフォームに統合しました。これにより履歴データだけではなく、UAVなどのその他のデータとも統合して管理することができ、関係者間でスピーディーに情報共有できました。

今後のインフラDXはどうなる?|本格的な変革に向けた挑戦

国土交通省の「インフラ分野のDXアクションプラン」ではネクスト・ステージを取りまとめています。国土交通省技術基本計画にある「20~30年後の将来の社会イメージ」の実現を目指した「取組の深化、分野網羅的、組織横断的な取組」への挑戦を開始する予定です。

ICT建機を使った工事の自動化、安全で持続可能なインフラ管理、データプラットフォームの公開など、組織横断的、分野網羅的な取組が期待されています。

まとめ|インフラDXで暮らしやすい社会に

インフラにより生活、社会活動、経済活動を支えていくためには、デジタル技術を活用してこれまでのやり方を変革し、インフラまわりをスマートにしていくことが重要です。

社会の変革スピードが従来とは比較できないほど加速化している状況下では、従来の「常識」にとらわれず社会ニーズや要請に対して時宜にかなった施策の展開が求められるでしょう。

この記事を書いた人

小日向

二級建築士/インテリアコーディネーター(IC)/福祉住環境コーディネーター。 建築学科卒業後、インテリアメーカーにてICの業務を経験。 現在は建築・住宅系ライターとしてコラムを担当。ハウスメーカー、リフォーム、住宅設備会社での執筆多数。

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