
建築BIM加速化事業いよいよスタート|スケジュールや申請手順を分かりやすく解説
掲載日:
目次
国土交通省は、令和4年度2次補正予算「建築BIM加速化事業」を創設しました。本記事では、事業の内容についてまとめていきます。
【参考】建築BIM加速化事業について
建築BIMを活用する事業者の拡大で、BIMの「社会実装」を加速化する狙いがあります。
一定の要件を満たす建築物を整備する新築プロジェクトにおいて、国が補助を行う事業です。 複数の事業者が連携して建築BIMデータの作成等を行う場合に、BIMソフトウェアや講習等に要する費用が補助されます。
BIM加速化事業の対象となる費用は、下表の通りです。
項目 | 含まれる経費 |
---|---|
BIMライセンス等費 | ●BIMソフトウェア利用費(ビューワーソフト、アドオンソフトの利用費、BIMモデルを利用するためのPC・タブレット・ARゴーグル等周辺機器のリース費等を含む) ●CDE環境(共通クラウド)構築費・アクセス費 |
BIMコーディネーター等費 | ●BIMコーディネーター人件費・委託費 ●BIMマネジャー人件費・委託費 ●BIM講習に要する委託費・人件費・諸経費 |
BIMモデラー費 | BIMマネジャーをサポートするBIMモデラー委託費 |
今回の補助金制度では、プロジェクトに参加する「専門設計事務所や専門工事業者」に加えて、代表となる「意匠設計事務所や元請事業者(ゼネコン等)」の経費も対象となります。
補助金額の上限は下表の通りです。完了報告時点の成果に応じて、補助金額が決定されます。
延べ面積 | 設計費 | 建設工事費 |
---|---|---|
1,000㎡以上、10,000㎡未満 | 2,500万円 | 4,000万円 |
10,000㎡以上、30,000㎡未満 | 3,000万円 | 5,000万円 |
30,000㎡以上 | 3,500万円 | 5,500万円 |
建物要件は「3階以上、敷地面積が概ね1,000㎡以上 等」となります。
今後のスケジュールは、2023年1月中旬~3月下旬に「事業者登録」を行い、随時交付申請するという流れになります。2024年3月時点で、それまでの成果に応じて補助金額が決定されます。
詳しい内容は下記日程の説明会にて案内される予定です。
説明会参加には事前登録が必要なため、下記URLから登録しましょう。
https://forms.office.com/r/ngQ1sQew7y
ただし申請には「BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業」のような詳細な報告書は不要となります。「BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業」については、下記記事をご覧ください。
建築BIM加速化事業で、BIMが未導入だった事業者でも活用が期待されます。補助には申請が必要となるため、事業者登録等の準備を進めておきましょう。
二級建築士/インテリアコーディネーター(IC)/福祉住環境コーディネーター。 建築学科卒業後、インテリアメーカーにてICの業務を経験。 現在は建築・住宅系ライターとしてコラムを担当。ハウスメーカー、リフォーム、住宅設備会社での執筆多数。