建設業許可における近年の変化とは?2025年・2026年に企業が確認すべき制度改正と管理ポイント

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Category:コラム建築

2025年・2026年の制度変更により、建設業許可の管理範囲は広がっています。企業では、許可番号や許可業種を保管するだけでは足りません。見積根拠、契約変更、技術者配置、経営事項審査まで含めた管理が必要です。

元請や発注者との取引では、許可情報をすぐ提示できるかが確認されます。さらに、許可業種と工事内容が合っているか、技術者を配置できるか、価格や工期の根拠を説明できるかも問われます。

この記事では、建設業許可の基本説明ではなく、2025年・2026年に企業が確認すべき制度変更と実務対応を解説します。

建設業許可は取得後の管理が問われている

建設業許可は、工事を請け負うための許可です。企業向けでは、取得の有無だけでなく、取引先へ示せる情報として管理する必要があります。

許可情報は取引先に示す信用情報になる

元請や発注者は、発注前に建設会社の許可情報をはじめとして、以下の情報を確認します。

確認項目取引先が確認する内容
許可番号会社情報
許可業種工事範囲
有効期限更新状況
営業所対応拠点
技術者体制配置可能な人員

許可を持っていても、工事内容と許可業種が合わなければ受注に影響します。電気、空調・衛生、屋根などを含む案件では、契約前に許可業種を確認しなければなりません。

許可業種と工事内容のずれは受注に影響する

企業では、一式工事の許可があれば全ての専門工事を扱えると誤解しやすくなります。専門工事を単独で請け負う場合は、対応する許可業種の確認が必要です。

受注したい工事確認する許可業種
内装改修内装仕上工事
防水工事防水工事
屋根改修屋根工事
設備更新管工事
電気設備電気工事

業種追加は、案件が決まってからでは間に合わない場合があります。営業計画の段階で、受注したい工事と許可業種を照合することが必要です。

2025年以降は見積と契約管理が変わる

近年の改正では、労務費の確保や資材高騰への対応が強化されています。建設業許可を持つ企業は、価格と工期の根拠を説明できる管理が必要です。

労務費の根拠を説明できる管理が必要になる

2025年12月12日から、改正建設業法等のうち適正な労務費等の確保に関する規定が完全施行されています。国土交通省は、著しく低い労務費等による見積や発注への対応を示しています。

企業では、見積書を単なる価格表として扱えません。労務費、材料費、外注費、工期の根拠を残す必要があります。

管理項目実務で残す情報
労務費人工と単価
材料費見積時点の単価
外注費協力会社単価
工期作業日数の根拠
変更協議協議履歴

元請は、協力会社へ不当に低い金額を求めない管理が必要です。下請も、原価を下回る金額で受注しない判断が求められます。

資材高騰時の通知や変更協議を残す

資材価格の変動は、工事原価に直接影響します。改正建設業法等では、資材高騰のおそれがある場合に、契約前の情報通知や請負代金の変更協議が論点になります。

管理項目実務での対応
資材単価見積時点で保存
価格変動根拠資料を保存
通知日メールや書面で保存
協議内容議事録で保存
変更契約契約書と連動

営業や積算、法務、経理で情報が分かれると対応が遅れます。価格変動の根拠は、契約前から同じ台帳で管理する必要があります。

技術者配置は兼務条件まで確認する

技術者不足が続くなかで、技術者配置の運用も変わっています。企業では、配置できるかだけでなく、兼務できる条件まで確認する必要があります。

監理技術者等の専任義務が合理化されている

2024年12月13日から、監理技術者等の専任現場兼務と営業所技術者等の専任現場兼務が可能になっています。国土交通省は、兼務にあたって関連法令と監理技術者制度運用マニュアルを確認するよう示しています。

兼務は、人員を減らすための制度ではありません。現場管理の質を維持しながら、配置計画を見直すための制度です。

確認項目確認する理由
工事金額兼務可否
現場数上限確認
現場間距離移動負担
連絡体制緊急対応
ICT活用遠隔確認
営業所体制許可維持

兼務できるかは、社内判断だけで決められません。対象工事、現場条件、連絡体制、技術者の職務を確認したうえで判断します。

技術者情報は営業所情報と連動させる

建設業許可では、営業所ごとの技術者体制も確認対象になります。技術者の異動、退職、資格取得がある場合は、営業所情報と合わせて更新する必要があります。

技術者名簿だけを更新しても、現場配置表と営業所情報が古いままでは不整合が起きます。企業では、総務、工事部、営業部が同じ情報を確認できる状態が必要です。

電子申請で許可情報の管理方法が変わった

建設業許可と経営事項審査では、電子申請の運用が進んでいます。紙の控えだけに頼る管理では、取引先対応や変更手続きに時間がかかります。

JCIPで申請実務の電子化が進んでいる

国土交通省は、2023年1月から建設業許可と経営事項審査の電子申請受付を開始しています。2023年4月からは、建設業許可電子閲覧システムの運用も始まっています。

電子申請は、申請作業を効率化する手段です。一方で、社内情報が整理されていなければ手続きは止まります。

管理情報管理する目的
許可番号取引先提示
有効期限更新漏れ防止
許可業種見積参加
営業所情報許可区分確認
技術者情報配置計画
決算変更届提出漏れ防止

電子化で必要になるのは、書類をデータ化することだけではありません。許可情報を最新の状態で保つことが必要です。

2026年の経審改正も確認しよう

公共工事を視野に入れる企業は、建設業許可だけでなく経営事項審査も確認します。2026年は、経審の評価項目にも変化があります。

公共工事を狙う企業は経審まで含めて管理する

2026年7月1日施行の経営事項審査改正では、社会性等の評価項目が見直されています。国土交通省の資料では、同日以降の申請で改正内容が適用されると示されています。

公共工事を狙う企業では、許可管理と経審を分けて考えないほうがよいです。技術者管理や技能者の処遇、教育訓練、職場環境が企業評価に関わります。

確認項目企業での対応
技術者情報資格と配置を管理
技能者処遇賃金や評価を確認
教育訓練実施履歴を保存
就業履歴現場情報と連動
職場環境制度運用を確認

許可を維持するだけでは、公共工事への準備として十分ではありません。経審、入札参加資格、社内の人材管理をつなげて確認する必要があります。

建設業許可を営業情報として管理する

建設業許可は、総務だけが保管する情報ではありません。営業や積算、工事、経理が使う情報として管理することで、取引先対応が早くなります。

許可情報は部門横断で共有する

営業担当は、新規取引先へ許可情報を提示します。積算担当は、見積範囲と許可業種の整合を確認します。工事担当は、技術者配置と現場条件を確認します。

部門使う情報
営業許可番号と業種
積算工事範囲と許可業種
工事技術者配置
総務更新と変更届
経理決算変更届

建設業許可は、申請担当だけの情報ではありません。受注前から工事完了後まで使う企業情報として扱う必要があります。

まとめ

建設業許可は、2025年・2026年時点で管理範囲が広がっています。許可番号や許可業種を保管するだけではなく、見積や契約、技術者配置、経審まで含めて確認する必要があります。

特に確認すべき変化は、2025年12月の改正建設業法等の完全施行や2024年12月からの技術者配置の合理化、JCIPによる電子申請、2026年7月の経審改正です。

企業が建設業許可を事業拡大に活かすには、許可情報を営業情報として管理することが必要です。営業や積算、工事、総務、経理で同じ情報を共有すれば、取引先対応と申請管理の両方を進めやすくなります。