【2026年最新】熱中症指数とは?WBGTの見方・職場での判断基準・データ活用による対策を解説

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Category:建築コラム

熱中症指数とは、暑さによる体への負担を判断するための指標です。一般的にはWBGTとも呼ばれ、気温だけでなく湿度、日射、照り返し、風の影響などを含めて暑熱リスクを把握します。

建設現場、工場、倉庫、物流、警備などでは、熱中症指数を確認するだけでは足りません。現場ごとに作業内容、休憩時間、巡回担当者、報告先を決めておかなければ、数値を業務判断に使えません。

職場の熱中症対策は「暑い日は気をつける」という注意喚起だけでは不十分です。この記事では、熱中症指数の意味、WBGTの見方、職場での判断基準、データ活用による管理方法までみていきましょう。

熱中症指数とは

熱中症指数は、作業環境の暑さを判断するための目安です。気温が同じでも、湿度が高い場所や風が弱い場所では、熱中症の危険が高くなります。

WBGTは気温だけで判断しない指標

WBGTは、湿度、日射や照り返し、気温をもとに算出されます。屋外作業では直射日光や舗装面からの照り返しも影響します。

屋内でも、炉、乾燥機、厨房、機械設備などの熱源がある場所では数値が上がる場合があります。空調がある建物でも、作業場所によって危険度は変わります。

現場条件熱中症リスク
直射日光が強い体温が上がりやすい
湿度が高い汗が蒸発しにくい
風が弱い熱が逃げにくい
熱源が近い屋内でも危険が高い
防護服を着る体内に熱がこもる

熱中症指数は、暑さを知るためだけの数値ではありません。作業を続けるか、休憩を増やすか、作業時間を変えるかを決める材料です。

職場で熱中症指数を使うべき理由

職場の熱中症対策では、死亡事故だけに目を向けるべきではありません。休業を伴う熱中症が増えれば、現場の安全、工程、品質に影響します。

職場の熱中症死傷者数は増えている

厚生労働省によると、令和7年の職場における熱中症の死傷者数は1,803人でした。前年より546人増え、統計開始以来最多です。一方で、死亡者数は19人で、前年より12人減少しています。

つまり、死亡者数だけでリスクを小さく判断してはいけません。休業4日以上の災害が増えている以上、現場では早い段階で異変に気づく体制が必要です。

特に建設現場や工場では、作業員が体調不良を我慢して作業を続ける場合があります。管理者は、本人の申告だけに頼らず、熱中症指数、作業内容、体調変化を合わせて判断する必要があります。

熱中症指数の見方

熱中症指数は、現場で共有して初めて意味を持ちます。安全衛生担当者だけが数値を把握しても、作業員や協力会社に伝わらなければ対策につながりません。

WBGT25・28・31を判断の目安にする

WBGTは、25を超えると警戒が必要になります。28を超えると厳重な対応が必要です。31を超える場合は、作業中止や作業時間の変更を検討します。

WBGT現場での判断例
25以上休憩間隔を短くする
28以上重作業や連続作業を調整する
31以上作業中止や時間変更を検討する
急上昇時巡回と声かけを増やす
屋内高温時換気と作業時間を見直す

判断基準は、会社や現場で統一する必要があります。現場ごとに判断が変わると、同じ暑さでも対応に差が出ます。

業種別に注意すべき熱中症リスク

熱中症指数の使い方は、業種によって変わります。屋外作業だけでなく、屋内作業でも危険はあります。

建設・工場・倉庫で判断基準を変える

建設現場では、直射日光や照り返し、足場上の作業、重い装備が負担になります。午後の高温時間帯を避ける工程調整も必要です。

工場では、炉・乾燥機・溶接・塗装ブースなどの熱源に注意しなければなりません。空調がある建物でも、工程ごとに温度差が出る場合があります。

倉庫や物流では、荷さばき場、トラックヤード、天井が高い保管エリアで熱がこもります。短時間の作業でも、連続すると体への負担が増える点に注意が必要です。

データを活用して熱中症対策を属人化させない

熱中症対策におけるDXは、アプリや機器を導入することではありません。現場ごとにばらつく暑さの判断、体調確認、休憩指示、報告手順をデータに基づいて改善する考え方です。

アプリや機器は判断を共有する手段になる

WBGT計、スマートフォンアプリ、チャット、デジタルサイネージ、ウェアラブル端末は、熱中症対策を支える手段です。導入しただけでは対策になりません。

手段目的
WBGT計作業場所ごとの暑さを測る
アプリ当日の指数や警戒情報を共有する
チャット作業変更や休憩指示を伝える
サイネージ現場入口や休憩所へ表示する
ウェアラブル体調変化の兆候を把握する

大手建設会社でも、データを使った熱中症対策が進んでいます。大成建設の現場事例では、作業エリアごとのWBGTをデジタルサイネージで表示し、LINE WORKSで作業員へ配信しています。深部体温測定ツールを使い、作業内容と熱ストレスの関係を把握する取り組みも行われています。

また、大林組は、猛暑期間の建設現場で作業時間帯を午前7時から午後1時へ変更する取り組みを発表しています。WBGTが上がる前の時間帯に作業を集中させ、安全確保と品質、生産性の維持を両立する狙いです。

中小企業でも、同じ規模の仕組みを入れる必要はありません。まずはWBGTの記録、朝礼での共有、休憩指示の履歴化から始められます。

熱中症指数を現場管理に落とし込む方法

熱中症指数を測るだけでは、事故防止にはつながりません。現場で誰が判断し、誰へ報告し、どの手順で休ませるかを決める必要があります。

報告先と休憩判断を先に決める

職場の熱中症対策では、WBGT28以上または気温31度以上の作業場で、一定時間を超える作業が見込まれる場合に注意が必要です。

決める項目内容
報告先体調不良時の連絡先
判断者作業中止や休憩を決める人
退避場所涼しい休憩場所
搬送先医療機関や連絡先
周知方法朝礼や掲示やチャット

元請、下請、派遣、警備、配送が同じ現場に入る場合は、全員に同じ情報を伝える必要があります。自社社員だけが知っている対策では、現場全体のリスクを下げられません。

まとめ

熱中症指数は、気温だけでは分からない暑熱リスクを判断するための指標です。BtoBの現場では、指数を確認するだけでなく、作業変更、休憩、巡回、報告体制まで結び付ける必要があります。

2026年現在、職場の熱中症対策は現場任せでは済みません。死傷者数が増えている以上、会社として判断基準と対応手順を決める必要があります。

DXは、アプリや機器そのものではありません。熱中症指数、作業場所、体調変化、対応履歴をデータ化し、現場の判断を早める考え方です。デジタルツールは、その考え方を実務へ落とし込むための手段です。