大和ハウス工業、札幌新さっぽろ駅周辺の複合開発が都市計画学会賞計画設計賞受賞

札幌市厚別区で進められてきた大規模な街づくりが、専門家の間で高く評価されました。大和ハウス工業株式会社(本社:大阪市、社長:大友浩嗣氏)は、大成建設株式会社や株式会社ドーコン、一般社団法人新さっぽろエリアマネジメント、そして札幌市とともに取り組んできた複合開発について、公益社団法人日本都市計画学会が主催する2025年度の学会賞「計画設計賞」を受け取ったと発表しました。同社にとって、この賞を受け取るのは今回が初めてとのことです。表彰式の様子も公開され、関係者にとって大きな喜びとなる出来事になりました。
新さっぽろで広がる再開発エリア
評価の対象となったのは、JR千歳線「新札幌駅」や札幌市営地下鉄東西線「新さっぽろ駅」のすぐそばで進められている大型プロジェクト「マールク新さっぽろ」です。大和ハウス工業を含む7つの企業・団体が手を組み、2019年から開発を続けてきました。札幌市が所有していた市営住宅団地の跡地を中心に、約55,700平方メートルという広い敷地を活用し、2023年11月にすべての区域が完成しています。敷地内は大きく二つの区域に分かれており、地域交流や産学連携を進める区域と、商業・宿泊・住宅・医療をひとつにまとめた区域とで、それぞれ異なる役割を担っているのも特徴です。
暮らしを支える7つの役割
この街は、次のような幅広い機能を一か所に集めていることが特徴です。
・商業施設
・ホテル
・予防医療や地域医療のための施設
・タワー型の分譲マンション
・子育て支援の場
・大学などとの連携施設
・教育のための施設
これらをまとめて「7つの成長エンジン」と位置づけ、暮らしと学び、医療が自然に重なり合う街を目指してきました。それぞれの機能が独立せず、互いに支え合うような配置になっている点も、この開発ならではの工夫といえます。
回廊でつながる便利な街並み
街の中でもひときわ目を引くのが、商業施設やホテル、医療施設などを接続する歩行者用通路「アクティブリンク」です。屋根のある通路のおかげで、雪が積もる冬でも雨の日でも、施設から施設へ歩いて移動できます。2023年12月には街全体のオープニングが行われ、2024年4月からは商業や医療、教育に関わる多くの団体が協力する地域運営の取り組みが本格的に始まりました。さらに2025年9月には、世代を問わず人が集まれる交流の拠点としてACTIVE SALON「sawa(さわ)」も新たに誕生しています。この拠点では、地域の住民同士が顔を合わせたり、催し物を通じて交流したりできる場として活用が期待されています。
歴史ある賞が評価する基準
日本都市計画学会賞は1959年に始まり、今回で67回目を迎える歴史ある賞です。都市計画に関して優れた功績を残した研究や事業、またそれを成し遂げた人や団体に贈られるもので、長年にわたって都市計画分野の発展を支えてきました。中でも「計画設計賞」は、過去おおむね3年以内に完成した事業の中から、都市計画の進歩に大きく貢献した取り組みに贈られるものです。
街の工夫が認められた理由
今回の評価では、郊外に分散していた医療機関や教育機関を駅前に呼び込み、複数の施設で空間を分け合う「ハイブリッド・シェア型」の手法によって、空いた敷地を歩行者ネットワークや広場として再配分した点が注目されました。楕円形の屋内通路が建物同士のつながりと街の回遊性を高めている点も、評価の大きな理由となっています。駅前という限られた敷地でありながら、多様な機能を共存させた点が、地方都市再生の新たなモデルとして高く評価されたといえるでしょう。
大和ハウス工業は、今後も地域に根づいた街づくりを続け、持続可能な地域社会づくりに取り組む方針を示しています。
出典情報
大和ハウス工業株式会社リリース,新さっぽろ駅周辺地区における複合開発プロジェクトが日本都市計画学会 学会賞「計画設計賞」を受賞,https://www.daiwahouse.co.jp/about/release/house/20260609114215.html