鹿島建設、CO₂固定で国内初のJ-クレジット取得、吸収コンクリート使用の2工事で7t-CO₂

20261106_CO₂-SUICOMを使用した工事で国内初のJ-クレジット取得

鹿島建設(社長:桐生雅文)は2026年11月5日、CO₂吸収コンクリート「CO₂-SUICOM®(シーオーツースイコム)」を使った2件の建設工事で、合計7t-CO₂のJ-クレジットを取得したと発表しました。

コンクリートに吸収・固定させたCO₂をクレジット化した例は、国内で初めてです。対象となったのは、高速道路のトンネル工事と保養所の改修工事という、性格の異なる2つの現場で使われた製品です。

コンクリートに固定したCO₂が国の環境価値に

今回のクレジットは、J-クレジット制度の方法論「CO₂吸収型コンクリートの使用(IN-006)」に基づいて認証されました。J-クレジット制度とは、省エネルギー設備や再生可能エネルギーの導入で減らしたCO₂などの排出量、適切な森林管理で吸収したCO₂などの量を、国がクレジットとして認める仕組みです。

IN-006は、建築物や土木構造物にCO₂を固定したコンクリートを使った場合に、その固定量をJ-クレジットとして認証するための算定ルールを定めています。これにより、CO₂-SUICOMが吸収・固定したCO₂の量が、国の制度にもとづく環境価値として正式に認められました。

セメント製造時の排出が抱える課題

コンクリートは建設材料として広く使われています。一方で、主原料であるセメントは製造の際に多くのCO₂を排出するため、製造段階での排出削減が建設業界の大きな課題となってきました。

建設工事では大量のコンクリートが使われるので、材料の段階で排出を抑える意義は小さくありません。こうした状況から、排出量を減らす工夫に加えて、コンクリートにCO₂を吸収・固定させる技術への期待も高まっています。コンクリートを「排出源」としてだけでなく、「CO₂をためる材料」としても活用する考え方が広がりつつあります。

CO₂-SUICOMの特徴と認証申請の経緯

CO₂-SUICOMは、鹿島などが開発した環境配慮型コンクリートです。セメントの一部を特殊な混和材や産業副産物に置き換えることで、セメント製造時のCO₂排出量を抑えます。

さらに、炭酸化養生という工程を経ることで、コンクリートが固まる過程でCO₂を吸収・固定します。炭酸化養生とは、CO₂を封入した槽内でコンクリートを養生し、安定した環境のもとで吸収・固定を進める方法です。

排出を減らす工夫と、CO₂を取り込む工程の両方を備えている点が特徴です。今回、コンクリートに固定したCO₂量をクレジット化する方法論が整備されたことを受け、鹿島はJ-クレジットの認証を申請しました。

2件の工事で取得した7t-CO₂の内訳

クレジットを取得したのは、西日本高速道路が発注した「新名神高速道路 大津大石トンネル工事」で設置した大型ブロック擁壁と、鹿島グループの保養所「KX-FOREST TATESHINA 改修工事」で設置したインターロッキングブロックです。

それぞれの製品にCO₂-SUICOMを使い、吸収・固定されたCO₂量を算定しました。その結果を第三者検証機関が検証し、コンクリートへのCO₂固定によるクレジットとして国内で初めて認証されました。

認証の対象期間や取得量は、工事ごとに異なります。内訳は次のとおりです。

■新名神高速道路 大津大石トンネル工事
 適用製品:大型ブロック擁壁
 認証対象期間:2025年3月4日~2025年9月26日
 取得クレジット量:6t-CO₂

■KX-FOREST TATESHINA 改修工事
 適用製品:インターロッキングブロック
 認証対象期間:2025年11月25日
 取得クレジット量:1t-CO₂

適用拡大とクレジット創出を続ける方針

鹿島は今後、発注者や自治体、プレキャストコンクリート製品のメーカーと連携し、CO₂-SUICOMを使える建設工事を増やしていきます。あわせて、J-クレジットを継続して生み出すことも目指します。

発注者やメーカーとの連携を広げることで、今回の2件にとどまらない実績づくりを進める構えです。また、CO₂固定量を算定する作業の効率化を進めるほか、環境価値をJ-クレジットなどの経済的な価値につなげる仕組みも活用する方針です。

こうした取り組みを通じて環境配慮型コンクリートの普及を早め、建設分野のさらなる脱炭素化に貢献する考えを示しています。

【参考】:環境配慮型コンクリート「KAJIMA CONCRETE BASE」

出典情報など

出典:鹿島建設株式会社,コンクリートへの CO2 固定で国内初の J-クレジットを取得~CO₂吸収コンクリート「CO₂-SUICOM」の環境価値をクレジットに~,https://www.kajima.co.jp/news/press/202611/pdf/5c2-j.pdf,リリース日:2026-11-05