大林組、日本通運と宮古島の廃石こうボードを水平リサイクル、輸送費・処分費10%以上削減へ

20261105_宮古島の廃石こうボードの島外輸送と水平リサイクルの流れ

大林組と日本通運は2026年11月4日、離島の建設現場で出る建設副産物をリサイクルしやすくするため、新しい循環・輸送のフローをつくりました。第一弾として、沖縄県宮古島の現場で出た廃石こうボードを専用容器で集めて島外へ運び、再び石こうボードの原料として生かしています。

大林組は東京都港区に本社を置き、社長は佐藤俊美氏です。日本通運はNIPPON EXPRESSホールディングスのグループ会社で、本社は東京都千代田区、社長は竹添進二郎氏です。両社は、輸送効率の向上とCO2排出量の削減を通じて、循環型経済と脱炭素社会の実現に貢献すると説明しています。

離島で課題になる建設副産物の処理

建設業界では、資源を有効に使い、最終処分量を減らすために、建設副産物のリサイクルが進められてきました。近年は循環型経済の推進や2050年のカーボンニュートラルに向けた動きが強まっています。リサイクル率の向上やCO2排出量の削減につながる取り組みが、いっそう求められる状況です。

一方、離島では島内の処理施設や島外への輸送手段が限られる場合があります。そのため、収集・運搬や処分で輸送コストや処理体制の課題が生じます。地域の実情に合ったリサイクルと、環境負荷の低減が必要とされています。

宮古島の廃石こうボードを島外へ運ぶ新方式

第一弾の舞台は、大林組が宮古島で施工している建設現場です。ここで出た廃石こうボードは、廃棄物処理法に基づく広域認定制度を使って回収しました。

この制度は、建材メーカーなどが環境大臣の認定を受け、自社製品が廃棄物になったものを広域的に回収し、製品原料としてリサイクルするか適正に処理する仕組みです。

専用容器NRBOXで積載効率を高める

回収には、日本通運の建材端材専用の回収容器「NRBOX」を使いました。船舶輸送用コンテナへの積み込み効率を高めたうえで、島外へ搬出しています。

宮古島の港からコンテナ船で博多港まで運び、そこから北九州市内の石こうボードメーカーの工場へ陸送する流れです。

回収量の90%以上が原料に戻る

工場で処理された廃石こうボードは、回収量の90%以上が再び石こうボードの原料として使われています。従来のフレコンパックによる収集・運搬で生じていた積載ロスを解消することで、輸送費と処分費を合わせて10%以上削減できるとしています。輸送に伴うCO2排出量の削減も見込んでいます。

離島の事情に合わせた六つの特徴と効果

今回の取り組みは、離島特有の環境に配慮して開発した独自のフローです。主な特徴と効果は次のとおりです。

  • 専用回収容器(NRBOX)の導入による輸送効率の向上
  • 定期輸送スケジュールの設定による、現場工程に応じた処理体制の構築
  • 地域企業や地域住民との連携による、安心・安全な輸送方法と管理体制の構築
  • 建設副産物の適正処理による、地域環境への負荷の低減
  • 分別の徹底によるリサイクル率の向上と最終処分率の低減
  • 輸送・処理に伴うCO2排出量とコストの削減

他の離島や石こうボード以外の建材にも展開

両社は今後、国内各地の離島でも同様のネットワークを整備する方針です。それぞれの地域の特性に合わせて建設副産物の処理を最適化し、持続可能な社会の実現と地域社会への貢献を目指します。あわせて、石こうボード以外の建設資材についても、同じようなフローの構築に着手します。

大林グループは、長期ビジョン「Obayashi Sustainability Vision 2050」を策定し、「地球・社会・人」のサステナビリティを実現するために多様な取り組みを進めています。NXグループは、サステナビリティビジョンのもとで、顧客の課題に応える物流サービスを開発・提供しています。

両社は今後も、関係事業者との連携や管理ノウハウの蓄積を進めます。建設資材のリサイクルやリユースをはじめとする資源循環のプロセスを確立し、循環型経済と脱炭素社会の実現に貢献していきます。

出典情報など

出典:株式会社大林組,離島における建設産業廃棄物の新たな循環・輸送フローを構築 適用第一弾として廃石こうボードの効率的な島外輸送と水平リサイクルを実現,https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20261104_1.html,リリース日:2026-11-04