清水建設、米Noble Machinesに出資、建設向けヒューマノイドAIロボットの開発へ

20261019_建設業向けヒューマノイドAIロボット

清水建設は2026年10月16日、建設業向けのヒューマノイドAIロボットを開発する米国のスタートアップ、Noble Machinesへの出資を完了したと発表しました。

人手不足が見込まれる建設現場に、人型のAIロボットを役立てる取り組みが動き出します。ロボットの本体から制御ソフトまで一貫して手掛ける企業と組むことで、現場で本当に使える機械の実現を目指します。

出資完了で協業が本格始動、狙いは現場の負担軽減

清水建設は、米国シリコンバレーに拠点を置くNoble Machines(代表:Wei Ding氏)への出資を完了しました。これを受けて、AIロボットの開発に向けた協業を本格的にスタートさせます。

Noble Machinesが持つハードウェアとソフトウェア両面の開発力に、清水建設が建設現場で培ってきた施工ノウハウや知見を組み合わせます。

そのうえで、身体的な負担が大きい作業や危険を伴う作業を支援したり、代わりに担ったりできる、建設現場での運用に適したヒューマノイドAIロボットの開発を推進します。両社の強みを持ち寄ることで、開発の精度と速度の両方を高める考えです。

労働力不足に備え「人とロボットの融合」へ

建設業界では、就業者の高齢化や若年層の入職者の減少を背景に、将来的な労働力不足が懸念されています。限られた人材で今後の建設需要に応えていくには、建設生産プロセスの各段階で進めてきた生産性向上の取り組みに加えて、これまで人の手に頼ってきた現場作業そのものを、ロボット技術で支えたり代替したりする発想が欠かせません。

清水建設は、こうした「人とロボットの融合」に向けたアプローチが今後の建設業に求められると捉えています。重い資材の運搬や危険な場所での作業をロボットが担えれば、働く人の安全確保や負担の軽減にもつながります。

建設特化のロボット開発力を持つ米国企業

Noble Machinesは、建設業向けヒューマノイドAIロボット「MOBY」シリーズをはじめとするロボット本体に加え、その制御システム(OS)と操作ソフトウェア(アプリケーション)まで自社で開発しているスタートアップです。

建設業に特化したAI・ロボティクス企業として、建設現場のような過酷な作業環境での使用を想定したハードウェアと、さまざまなタスクに利用できる汎用AI・ソフトウェアの両面で、高い開発能力を備えています。ロボットの機体だけでなく、制御システムや操作ソフトウェアまで一体的に開発している点が、同社の特徴です。

Noble Machinesの所在地と事業内容

出資先であるNoble Machinesの概要は、次のとおりです。

  • 会社名:Noble Machines Inc.
  • 所在地:236 E. Caribbean Dr., Sunnyvale, CA
  • 代表者:Wei Ding
  • 設立:2024年5月
  • 事業内容:建設業界向けヒューマノイドロボットと、その制御システム、操作ソフトウェアなどの開発

BIM/CIMで開発と検証のスピードを上げる

清水建設は、Noble Machinesとの協業によって、人手に頼ってきた現場作業の支援・代替という実践的な視点から技術開発を加速させる方針です。Noble Machinesが開発するロボット本体、制御システム、操作ソフトウェアに、清水建設の建設現場に関する知見やノウハウを反映させ、現場での実用性を高めていきます。

機械の性能を上げるだけでなく、現場の段取りや作業の流れに合った動きを身につけさせることが重要になります。たとえば、BIM/CIMデータを活用した仮想空間でのシミュレーションと、現実の建設現場での検証作業を効果的に組み合わせ、建設用途に合った開発と改良をスピーディーに進める考えです。

年内にシミュレーション、2027年春に実機検証

今後の予定として、年内を目途に、資機材の搬送や建設現場での移動・巡回など、ヒューマノイドAIロボットの現場適用を想定した仮想空間でのシミュレーションを始めます。

続いて2027年春からは、実際の建設現場をフィールドとして、実機を用いた資機材の搬送や移動・巡回といった具体的な作業の検証を進める予定です。

まず仮想空間で動きを確かめ、その後に現場で実機を試すという段階を踏みます。実際の現場に出る前に画面上で課題を洗い出しておくことで、検証にかかる手間と時間を抑えながら、ロボットの完成度を高めていく狙いです。

出典情報など

出典:清水建設株式会社,米国AI・ロボティクス企業 Noble Machines社への出資を完了~建設現場に適したヒューマノイドAIロボットの開発を推進~,https://www.shimz.co.jp/company/about/news-release/2026/2026044.html,リリース日:2026-10-16