大林組が国内全建設現場のCO2排出量を一元管理、ASUENE導入でデータ収集・分析を高度化

20260916_ASUENEを国内全建設現場に導入

大手ゼネコンの大林組(本社:東京都港区、社長:佐藤俊美)が、国内すべての建設現場でCO2排出量を一元的に把握できる体制を整えました。

アスエネ株式会社が展開するAIサステナビリティ統合プラットフォーム「ASUENE」を2026年4月に全現場へ導入し、社内の工事情報などのデータと連携させることで実現したものです。

建設現場のCO2排出量把握が課題に

同社は長期ビジョン「Obayashi Sustainability Vision 2050」を掲げ、2050年のカーボンニュートラル達成を目指しており、今回の取り組みはその一環に位置づけられます。

建設業は工程が多岐にわたるうえ現場の数も多く、業界全体として排出量の把握そのものが難しい分野とされてきました。今回の体制整備は、その課題に正面から向き合う試みといえます。

現場ごとに変わる排出量、集計の壁

建設現場は工場のような固定拠点とは異なり、工事の進み具合によって建機の稼働状況や協力会社の出入り、燃料や電力の使い方が刻々と変化します。そのため、CO2排出量を継続的かつ正確に集めて分析する仕組みづくりが長年の課題でした。

これまでは現場担当者が手作業でデータを入力する形が中心だったため、集計や社内システムとの連携に時間がかかり、工事の規模や進捗を踏まえた分析、予測と実績の突き合わせといった高度な活用にも限界があったといいます。

AIを活用したデータ集約で分析を効率化

こうした課題を受け、大林組は2022年10月から国内建設現場の数か所でASUENEの導入を開始し、段階的に取り組みを広げてきました。今回、既存の社内システムとASUENEを本格的に連携させたことで、現場ごとの燃料・電力使用量やCO2排出量をひとつの基盤でまとめて管理できるようになりました。

ASUENEに搭載されたAIがデータの入力・集計やレポート作成を効率化し、これまで年に一度が中心だった集計サイクルから脱却し、工種や進捗に応じた継続的な把握・分析を可能にしています。

これにより、削減に向けて優先的に手を打つべき現場や工程も見えやすくなり、限られた人員でもより多くの現場データを扱える体制に近づいたといえます。

電力データの自動取り込みも検証中

各現場の電力使用量については、供給地点番号を活用した自動取り込み機能の試行も始まっています。

手入力に頼らずデータを反映できれば、担当者の作業負担軽減とあわせて数値の正確性向上も期待できます。今後は多様な現場での運用方法を確かめながら、対象範囲を段階的に広げていく計画です。

グループ全体への展開と算定精度の向上を計画

大林組は今後、ASUENEの活用をさらに進め、CO2排出量データの精度向上に取り組む方針です。あわせてScope1・2・3の算定精度の引き上げや、サプライチェーン全体とのデータ連携、各種情報開示基準への対応強化も進めます。

国内グループ会社や海外拠点への展開も視野に入れており、大林グループ全体で統一的な環境データ管理基盤の構築を目指しています。アスエネ側も多言語・多拠点対応を通じて、グローバル企業の排出量把握と現場改善の両立を後押しし、環境対応と経済合理性が両立する仕組みの普及に力を入れる考えを示しています。

両社は連携をさらに強め、建設業における環境データ管理の高度化と脱炭素経営の推進を通じて、持続可能な社会づくりに貢献していく方針です。

会社概要

・株式会社大林組:東京都港区/代表・佐藤俊美/1936年設立/建設工事・都市開発事業など
コーポレートサイト:https://www.obayashi.co.jp/

・アスエネ株式会社:東京都港区/代表・西和田浩平/2019年設立/「ASUENE」提供
コーポレートサイト:https://corp.asuene.com/

出典情報など

出典:株式会社大林組,大林組、国内全建設現場のCO2排出量データを一元管理 ASUENEの導入により、環境データの収集・分析体制を高度化,https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20260915_1.html,リリース日:2026-09-15