建設テックでDX促進|市場規模やツール紹介も【60兆円市場】
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「建設テック」についてピックアップします。建設業では手作業や現場でのアナログ業務が課題ですが、最新のテクノロジーにより効率化が実現されようとしています。本記事では建設テックの市場規模や、具体的な企業事例をご紹介します。
建設テック(コンテック)とは
建設テック(Construction Technology/コンテック)とは、革新的技術やデジタルソリューションを活用して、建設業界の効率性、安全性、持続可能性を向上する技術のことを指します。
従来の建設業界ではアナログな手法が主流でしたが、人手不足の影響でいよいよ現場が回らなくなってきています。こういった課題を解決するため、建設テックの活用による業務効率化が求められているのです。
建設テックの市場規模
建設テックの市場規模は、60兆円以上とされます。建築経済研究所の「建設経済モデルによる建設投資の見通し」によると、2022年度の建設投資は、前年度比0.3%増の62兆9900億円が見込まれることが理由です。
建築業界は自動車に次ぐ大きな産業分野でありながら、まだまだ建設テックが浸透していないのが現状。そのため、建設テック市場規模はこれからも拡大すると考えられます。
建設テックの種類
ここでは、建設テックの具体的な種類やカテゴリーについてご紹介します。建設業には様々なプロセスがあり、各工程で建設テックが活用されています。
デジタル設計・建築技術
設計段階では、3D CADなどのツールでプロジェクト管理を効率化するのが一般的です。最近ではBIMの導入も広がりつつあり、ライフサイクル全体を通したデジタル管理が推進されています。
建設現場の管理・効率化
建設現場での作業でも、省人化・デジタル化の動きは広がっています。IoTセンサーやデバイスを活用することで、現場の監視や作業の最適化が可能です。
また建設業向けソフトウェアを使えば、プロジェクト管理、予算管理、スケジュール管理などが簡単に行えます。手持ちのスマホがあれば使えるアプリも多く、導入コストが下がっていることも人気の理由です。
持続可能性と環境技術
2050カーボンニュートラルの実現を目指し、建設業でも取り組みが広がっています。これはCO2等の温室効果ガスの排出・吸収を差し引き、実質ゼロにすることを指します。
具体的には、再生可能エネルギー、省エネルギー設計、廃棄物削減など、環境に配慮した建設技術や材料の開発・利用が推進されています。特に木材は炭素固定量が大きいため、鉄筋コンクリート造から木造化する動きが目立ちます。
またカーボンニュートラルの実現には、「グリーンテクノロジー」と呼ばれるツールの活用も有効です。建設プロジェクトの環境への影響を適切に評価することで、持続可能性の向上に役立ちます。
建設テックの企業事例|上場企業
ここでは、建設テックの具体的な事例をご紹介します。大手ゼネコンやハウスメーカーなどの上場企業では、工事プロセス全体に影響を与える技術開発が進んでいます。
鹿島建設
鹿島建設では、「B・OA plus(ボア・プラス)」というICTソリューションを提供しています。これは在室者の省エネ行動を促進する環境づくりに役立つ技術で、ビルの快適性・利便性を高めることが期待されています。
技術的には、従来のB・OAネットシステムの通信インフラを有効活用しています。コンセント消費電力の内訳を自席のパソコンから見ることができるシステムなど、在室者に省エネ行動を促す仕組みが特徴です。
大和ハウス工業
大和ハウス工業では「現場の無人化・省人化」をキーワードに、デジタルコンストラクションプロジェクトを発足させています。具体的には、スマートコントロール基盤の構築と活用が始まっています。
2020年には施工担当者全員にスマホやタブレットが配布され、全国の施工現場約2,700件に定点カメラが設置されました。これにより、現場関係者の施工情報共有や業務の効率化に繋がっています。
さらに「統合ビデオ管理システム」により全国の施工現場の映像が集約・保存され、管理者・施工担当者・協力会社が画面を確認することが可能になっています。複数の現場映像を一つのマルチ画面で確認できることで、管理の効率化が実現しました。
建設テックの企業事例|スタートアップ
スタートアップと呼ばれる新興企業でも、建設テックの開発が盛んに行われています。
助太刀
助太刀は、建設事業者と職人向けのマッチングアプリです。現在20万以上の事業者に利用されており、業界トップクラスのコミュニティとなっています。
市区町村×76職種での検索が可能であり、その時々の条件に合わせた人材とマッチングできます。建設業では古くから人づてに仕事を仲介してもらうのが一般的でしたが、アプリを使えば「仕事を断りづらい」、「希望の仕事が無い」といったデメリットを解決できます。また事業者側にとっても、人手不足の解消に役立ちます。
アンドパッド
「ANDPAD(アンドパッド)」は、現場の効率化から経営改善まで一元管理できるクラウド型建設プロジェクト管理サービスです。具体的には、施工管理・チャット・図面管理・受発注・電子黒板・引合粗利管理といった業務が行えます。利用社数18万社、ユーザー数46万人を超えており、シェアNo.1となっています。
2023年12月には、360度画像の閲覧が可能になる「360度画像ビューワー」機能を開発したことも話題となりました。専用ビューワー不要で360度画像の保存・確認が可能なので、施工記録や検査記録、進捗共有に役立ちます。
まとめ
建設業界では慢性的な人手不足が続いており、変革が求められています。建設テックを活用すれば省人化・効率化に繋がり、現場の負担も軽減できます。適切なツールの導入で、生産性をアップしましょう。