大和ハウス工業、奈良・天川村と森林共生の山村づくりで包括連携協定を締結、地域経済活性化へ

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奈良県の山あいに位置する天川村と、大手住宅メーカーの大和ハウス工業は、2026年5月21日、「森林と共に暮らし続けられる山村づくり」の推進に関する包括連携協定を締結しました。林業の衰退という課題を抱える山村と、森林保全を経営方針に据える民間企業が手を取り合い、地域の将来を見据えた取り組みが本格的にスタートします。

面積の97%が森林――豊かな自然と、その裏にある課題

奈良県中央南部に広がる天川村は、総面積175.66km²のうち、実に97%を森林が占める山村です。豊かな自然環境に恵まれた地域である一方、産業面では長年にわたって林業が地域経済を支えてきました。

しかし近年、状況は大きく様変わりしています。木材価格の下落や需要の縮小によって採算性が下がり、森林の手入れや再造林の維持が年々難しくなっています。その結果として、次のような問題が表面化してきました。

・林業に携わる人材の減少

・森林所有者による管理の停滞

・手入れが行き届かない山林の増加

適切に管理されない森林が広がると、雨水をゆっくりと地下に浸透させて河川へ供給する「水源涵養」の働きや、山崩れを防ぐ機能が十分に発揮されなくなります。その結果、洪水や土砂災害が起きやすくなることが心配されています。

「持続可能な森と生きる山村」を目指して

こうした背景のもと、天川村では「持続可能な森と生きる山村」を村のテーマとして掲げ、さまざまな施策を打ち出してきました。

村が進める主な取り組み

天川村がこれまで力を入れてきたのは、森林を守りながら地域の活力も同時に高めていく、両立型のアプローチです。

・薪などを燃料とする木質バイオマスの活用による、地元産材の需要拡大

・官民が連携した植林活動の推進

・林業を担う若い世代の育成と確保

これらの取り組みを通じて、安全で暮らしやすい環境を守りながら、地域産業の底上げと雇用の創出を同時に図っています。

大和ハウス工業との連携が実現した背景

今回の協定締結には、大和ハウスグループ側の明確な経営方針も大きく関係しています。同グループは、2055年までにすべての事業における木材調達に伴う「森林破壊ゼロ」という目標を掲げています。社有林の整備や、工場・ホテルなどの事業所における緑地づくり、さらにはステークホルダーと協力した生物多様性の保全活動など、多方面から森林環境の保全に取り組んでいます。

森林をかけがえない地域資源として次の世代へ受け継いでいくという天川村の考え方と、大和ハウスグループが掲げる姿勢は、方向性として重なる部分が多く、今回の連携につながりました。

協定の内容と、これからの展望

協定締結日 2026年5月21日

■連携事項

・森林と共に山村で快適に暮らせる持続可能な仕組みづくり

・天川村ならではの地域経済の発展と活性化

・交流人口・関係人口・2地域居住人口の機会創出と仕組みづくり

・そのほか、連携によって対応が必要と判断されること

今後の具体的な取り組みとして、林業への就業を希望する若い世代を主な対象に、将来的な移住を視野に入れた居住環境の整備を進めていくことが予定されています。官民が連携することで、山村での暮らしを長期的に支える体制づくりや、地域経済の活性化につながる施策を後押ししていきます。

人口減少や産業の空洞化という難題を抱える山村にとって、今回の協定は地域の将来を支える大きな一歩といえます。豊かな森林資源を活かしながら、人々が安心して住み続けられる天川村の姿が、今後どのように形になっていくか、注目が集まります。

出典情報

大和ハウス工業株式会社リリース,■森林面積97%の天川村で進める、自然と共生した持続可能な村づくり「森林と共に暮らし続けられる山村づくり」の推進に関する包括連携協定を締結,https://www.daiwahouse.co.jp/about/release/house/20260521145000.html