BIMの普及状況を国土交通省が調査【総合設計事務所が牽引・利用プロジェクトに特徴も】
国土交通省では、建築分野におけるBIMの活用・普及状況の実態調査を実施しています。その結果、BIMの導入状況や今後の課題などについての意識が浮き彫りに。
この記事では、特に注目したいポイントをピックアップしてまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
調査概要
建築分野における現時点のBIMの活用・普及状況を確認するため、アンケートによる下記の実態調査を実施しました。
- アンケート名:BIMの活用状況・普及拡大に関するアンケート
- 調査目的:今後の建築BIM推進会議でのBIMの更なる普及に向けて議論を行うための、建築分野のBIMの活用・普及状況や、今後の普及に向けた課題等の把握。
- 実施時期:令和2年12月11日~令和3年1月13日
- 実施方法:建築BIM推進会議に参加する下記の13団体に、広く会員の回答を依頼。特に、団体ごとに各会員の関係部署単位での回答を依頼。
BIMの導入状況について(全体・分野別)
BIMの導入状況は、「導入している」が46%(376)、 「導入していない」が53%(434)とおよそ半々の結果となりました。建設プロセス全体のBIM利用はまだまだということが分かります。
個別で見ると、総合設計事務所の導入率が約8割と突出しています。しかしそれ以外の分野は低く、とくに専門設計事務所では、意匠事務所に比べ、構造・設備・積算事務所の導入率が低くなっています。
BIMの導入状況について(分野別・規模別)
分野別・規模別にみた場合、いずれも大規模になればBIMの導入率は高いことが分かります。やはり大規模案件でないとBIM活用されていないのが現状で、課題は大きいでしょう。
BIMを導入したプロジェクトの特徴
実際にBIMを導入したプロジェクトの特徴としては、「比較的簡単な形状の建築物」や「スケジュールに余裕がある建築物」といった項目が目立ちます。これにより、実際の業務よりはテスト的にBIMを利用していると考えられるでしょう。
今後のBIM導入について
BIMを導入していない企業への意識調査では、全体の約半数である47%が「導入予定はない・未定」と回答しています。
BIMを導入していない理由として最も大きいのは「発注者からBIM活用を求められていないため」でした。BIM導入には手間もコストも掛かるため、要望がない限り導入しないという姿勢の企業も多いようです。
また「CAD等で現状問題なく業務を行うことができているため」も高くなっています。比較的小規模な建築物だと、CADで十分対応できる場合も多いことが原因でしょう。「CADとBIMの違いがよく分からない」という声も多く聞かれるため、幅広いPRが必要ですね。
BIMとCADの違いについては、下記記事をチェックしてみてください。
BIM導入で業務効率化
小中規模の案件だと、まだまだBIMを導入している企業が少ないことが分かりました。しかしBIMの導入は、業務効率化やコストカットにも繋がりおすすめです。本サイトではBIM関連情報を随時更新していますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか?