BIMの導入コストとは?導入メリットと合わせてご紹介

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BIM導入の際の大きなハードルの一つとしてコストが挙げられます。
BIMソフト自体が高額なことに加え、ソフトを運用していくにあたり、導入コストのみでなくランニングコストも考慮して使用可否を検討しなければなりません。

今回は、それらコストとそれでもなおBIMを導入した時にどのようなメリットがあるかをご紹介します。
BIMとは?について知りたい方はこちら↓
BIM/CIMとは?違いやメリットをご紹介|国土交通省ロードマップ解説も

導入コスト

まずはBIMを導入する際に必要となるコストについてです。
BIMソフトを使用できる環境を構築するためには、最低限以下のコストを考える必要があります。

  • ソフトライセンス費(学生と教員以外)
  • サーバー費(ネットワークライセンスの場合)
  • PC購入費(推奨スペック未満のPCをご利用の方)

ソフト毎でライセンス形態が異なるため、その違いによって必要なコストは変わってきます。例えばRevitだと、年間40万円程度のサブスクリプションがあったり、Archicadは、100万円程度の買い切りタイプもあったりします。
ソフトの種類やグレードによって、年間10~100万円程度と幅があります。
スタンドアロンで使用する際には特に気にする必要はありませんが、複数人で使用するためにネットワークライセンスを選択すれば、ソフトライセンス費の他に別途サーバー費も必要になります。また、BIMを扱える環境を作るには、BIMソフト自体の費用の他にも各ソフトの推奨スペック以上のPCが必要になります。
BIMデータは大きくなりがちですので、モデルによっては、さらにハイスペックなPCが必要になります。大抵のBIMソフトは体験版を提供していますので、お持ちのPCでまずは動作を確認するのが良いと思います。
学生や教員の場合、ソフトによっては無料で使用できますので、お持ちのPCで動作確認さえできれば、環境構築のための導入コストはほとんどかからないと思います。

上記に掲げたBIMソフトを使用できる環境を構築するコスト以外にも、運用方法等を整備するコストや学習コストなどは別途かかってきます。それらを自社で独自に1から整備するのはとても大変です。
例えばRevitですと、BooT.oneのような強力な拡張サービスもあり、独自の運用方法で何となく始めて、あとの軌道修正等を考えると、そのようなサービスの導入の検討をしてみる価値はあると思います。
BooT.oneには、便利な機能やテンプレート等がたくさん揃えられており、更新も頻繁に行われていますので、導入時のコストはかかりますが、何も分からず始めるよりも、結果的にリーズナブルになる可能性はあると思います。

ランニングコスト

BIMソフトを使用するには、ランニングコストも考えておく必要があります。ライセンスによっては、毎年保守費がかかります。その他、前に述べたサーバー費や運用コスト、学習コスト、さらにはBIM人材の採用コスト等も継続的にかかってきます。
ソフトの使用環境の維持にかかるコストは、導入コストよりも小さいので、ランニングコストで気にすべきは、運用コストや学習コストについてです。導入コストよりもランニングコストの計画を適切に立てられるかがBIMを活用する上で重要だと思います。
ランニングコストについては、皆様の環境や目標によってもバラつきがございますので、どのくらいかかるか具体的な額を明示できませんが、その辺りの情報を整理すれば概算することは可能です。

BIMのメリット

これまで述べたようにBIM導入には多くのコストが掛かりますが、それでもなおBIM導入をお勧めする主な理由を下記に挙げます。

  • コミュニケーションの円滑化
  • 図面の整合性確保
  • 修正時間の短縮
  • データ共有・活用

BIMデータには、3D情報だけでなく他の属性情報もたくさん集約されていきます。
BIMソフトを通してあらゆるデータを可視化、共有することで関係者間のコミュニケーションが円滑に進み、それぞれの理解を共有しやすくなります。
また、BIMモデルを作成し、そこから図面を切り出すため、図面の整合性は必ず担保されており、その結果図面修正時間の短縮とミスの削減に繋がります。長期スパンで俯瞰した時に大きいのが、データ共有と活用についてです。
CADやエクセル等で断片的にデータを管理せずにBIMデータに集約することで、後々のデータ共有や活用に繋げやすくなります。実際にデータを活用する際には、また別の知識や技術が必要になりますが、多くの情報がBIMという形で集約されているのは大きなメリットです。

BIMを導入した直後は、大抵作業効率は下がります。
プロジェクトの規模によっては、コストが合わないケースや、BIMを使用しない方が目先の業務が早く完了するケースもあります。
しかし、完成した建物が全てではなく、それまでに作成したデータにも非常に価値があり、適切に保存、活用されるべきです。BIMを活用することで、生産効率を高め、ひいては建築の質を高めることに繋がります。

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