【連載】RFPに記載すべき17の内容とポイント(第5回)

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Tag:BIM

著者:藤井章弘


連載企画「BIMコンサルへ提案依頼するための必須項目」では、ゼネコンや建材メーカーなどのBIM推進やデジタル推進の担当者向けに役立つ情報を発信しています。

連載の最終回となる本記事では、「RFPに記載すべき17の内容とポイント」について解説します。

RFPに記入すべき情報や書き方のコツを知りたいBIM推進やデジタル推進のご担当者は、ぜひ参考にしてみてください。

過去の連載記事はこちら

▼連載1回目:【連載】発注時の5原則・前編(第1回)

▼連載2回目:【連載】発注時の5原則・後編(第2回)

▼連載3回目:【連載】プロジェクトが止まる依頼事例(第3回)

▼連載4回目:【連載】プロジェクトに必要なチームビルディングのポイント(第4回)

RFPとは

RFP(Request for Proposal)とは、日本語では提案依頼書と呼ばれ、発注側企業からベンダー等に対して開発を依頼する際に提示する書類のことです。RFPには、様々な情報が記載されており、発注の際には必ず用意しておくべき書類です。

RFPの作成には時間がかかりますが、RFPがあれば相互の認識のズレが無くなることで、納品物の作成速度や質が向上し、コスト削減にも繋がります。以下では、RFPに必要な項目を例として挙げ、何を書けばよいかを簡単に説明します。

RFPに必要な17の項目

1.概要

プロジェクト全体の概要が把握できるように簡潔に記述します。

2.課題

どのような課題があり、プロジェクトの立ち上げに至ったかを記載します。全てはこの課題を解決するために取り組むので、できるだけ詳細に記述して下さい。また、できればその背景も記述して下さい。

3.目的

プロジェクトの目的を記述します。プロジェクトメンバー全員が、この目的を齟齬なく理解できるようにできるだけ明確に記述します。目的が不明瞭なプロジェクトはうまくいきません。

4.目的

システムを開発した結果、どの程度の課題解決を想定するか等の目標を記述します。定量的に評価できるよう、できるだけ数値で明確な目標を記述します。ここに記述するのは、システムの開発自体に関する目標ではないので、注意して下さい。

5.ターゲット

開発するシステムのターゲットを記述します。

6.予算

プロジェクト全体の予算を記述します。できれば金額だけではなく、細かく分けられる場合は、その項目についても明記して下さい。

7.スケジュール

システムが稼働するまでのスケジュールの希望を記述します。マイルストーン等があれば合わせて記述します。

8.体制

プロジェクトに関わる方を部署も含めて記述します。
システム運用時の体制が異なるようであれば、それも記述します。システムによっては、情報システム部門等との連携が必要になると思いますので、関係者のリストアップを行ってください。

9.資産

プロジェクトに有用であろうハードウェアやソフトウェア等の現在社内で保有している資産を列記します。例えばあるソフトウェアのライセンスを貸与できれば、コストを削減することができます。

10.提案依頼範囲

システム開発のみで良いか、運用や保守までが必要か等、提案の範囲を明記します。

11.納品物

納品物を全て記述します。データ形式やソフトウェアバージョン等も指定があれば明記します。

12.開発言語や手法

言語や手法に指定があれば記述します。既存のシステムで使用している言語や、保守する人材が使用できる言語等、会社的に規制がある場合は記述します。

13.機能要件

システムに必要な機能を記述します。

14.非機能要件

機能以外の性能や拡張性等を記述します。

15.その他要件

システムのテストや移行、社員への教育や研修、運用や保守等のその他要件があれば記述します。内容が多岐に渡る場合は、それぞれ項目を分けて記述して下さい。

16.ベンダーの体制

提案を依頼するベンダー側の体制について要望がある場合に記述します。

17.提案物・提案日

提案物や提案日に指定があれば記述します。もしベンダー選定のスケジュール等があれば、記述して下さい。

BIMコンサルから良質な提案を受けるためのポイント

上記17の記入項目を口頭のみで伝えるのは絶対に避けてください。基本的に読み手は発注者側のことを全く知らないと思って作成していただくのが良いです。RFPとは別に、あるいはまとめても良いですが、発注側企業の紹介があると読み手のRFPの理解度がさらに深まります。

まとめ

本連載企画では、5回にわたってBIMの設計やBIM関連のシステム開発をベンダー等に発注するときに重要なポイントを解説しました。

BIMを活用して業務効率化を実現したいBIM推進やデジタル推進のご担当者は、本連載で解説した内容を業務にお役立てください。