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国交省|ICT建設機械の認定制度スタート!補助金や精度確認手順を解説

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トレンドワード:ICT建設機械

位置情報を用いて正確な施工を行う「ICT建設機械」についてピックアップします。メリットや種類のほか、ミリメートル単位の細かい設定をするための「精度確認手順」の解説もご紹介します。導入の際には、補助金制度も確認しておきましょう。

2022年10月・国交省がICT建設機械認定制度スタート

2022年10月5日、国土交通省が「ICT建設機械等認定制度」をスタートしました。これまで明確な基準がなかったICT建設機械について、65件の認定を初めて行った点が注目されています。

ICT建設機械認定制度の概要

「ICT建設機械認定制度」とは、国土交通省が定めた基準に適合したICT建設機械やICT装置群を認定する制度です。具体的な認定基準は、以下のようになっています。

建設機械の種類機能
・掘削・法面整形作業用機械
・敷均し作業用機械
・バックホウ浚渫船
・地盤改良機
①:作業装置の位置及び角度並びに作業目標データから、
 作業装置と作業目標の位置の差分をオペレータに提供する機能
②:①に加えて、作業装置と作業目標の位置の差分に基づいて
 作業装置を自動制御する機能
締固め作業用機械①:「TS・GNSSを用いた盛土の締固め管理要領」に基づく
 TS締固め管理又はGNSS締固め管理の機能
②:①に加えて、「3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)」の
 第2編土工に基づく施工履歴データを用いた出来形管理を行う機能
路面切削機①「3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)」の
 第4編路面切削工に基づく施工中の路面切削機の作業装置位置及び
 切削深さ(高さ)をリアルタイムに計測・記録する機能を有する施工管理の機能
②作業装置と作業目標の位置の差分をオペレータに提供する機能
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/constplan/sosei_constplan_tk_000050.html

建設機械の種類によって、上表「機能」のうちいずれかを満たす必要があります。また認定を受けた後も、認定内容に変更が生じた際の届出・認定機械等の年度毎の製作等台数報告・認定表示の善良な管理といった義務が発生します。

認定ICT建設機械認定状況

今回(初回)認定
ICT建設機械等65件
ICT建設機械19件
ICT装置群46件

今回の認定では、合計65件がICT建設機械として認定されました。ICT機能が搭載された建設機械だけでなく、従来の建設機械に後付けで装着する「ICT装置群」も含まれています。

認定機械の詳細は、国土交通省ページをご覧ください。

ICT建設機械とは

ICT建設機械の概要

国土交通省によると、ICT建設機械とは「建設機械に工事設計データを搭載することで、作業位置のガイダンスを行ったり操作を自動化したりできる建設機械」のことを指します。2Dや3Dデータの活用により、作業の正確性向上が期待できます。

ICT建設機械の種類

ICT建設機械には、大きく分けて以下の2種類があります。

  • MC(マシンコントロール)
  • MG(マシンガイダンス)

まず「MC(マシンコントロール)」は、ほぼすべてを自動で操作できるタイプのICT建設機械となります。位置検測装置で施工箇所の2D・3Dデータをリアルタイム取得し、設計ラインに沿った操作が行われます。重機の動きは、設計データと現況地盤データから自動的に算出される仕組みです。

一方で「MG(マシンガイダンス)」は、最終的な操作はオペレーターが行う「操作補助タイプ」という違いがあります。基本的な仕組みはMCと同じですが、モニターに表示される現況地盤データの算出結果をもとにオペレーターが自力で操作を行います。

ICT建設機械のメリット

ICT建設機械のメリットは、下記が挙げられます。

  • 完成予定がイメージしやすい
  • 作業効率、施工精度が上がる
  • 測量作業が無くなり安全性が高まる
  • 環境に優しい施工

ICT建設機械は完成予定を事前に表示できるため、作業前にイメージしやすいのがメリットです。また丁張り、ワイヤ設置作業、敷き均し回数などが削減できることで作業効率が上がります。曲面が多い複雑な施工現場でも、精度の高い工事が行えます。また測量でその都度重機を降りる必要がなくなることで、安全性もアップするでしょう。無駄のない施工により燃料の無駄がなくなり、環境に優しいのも特徴です。

ICT建設機械の「精度確認試験」とは?手順を解説

ICT建設機械は「機械が自動で何でもやってくれるから楽」と思われがちですが、まずは最初の「精度確認」をきちんと行うことが前提となります。作業工程の要所要所でしっかりと精度確認を行うことで、効率よくスピーディーな施工が可能となるのです。ここでは国土交通省の「ICT建設機械 精度確認要領(案)」より、精度確認の手順をご紹介します。

①施工計画書の記載

ICT建設機械の「施工履歴データ」を用いた出来高・出来形管理を実施する場合、下記2点を施工計画書に記載します。

  • (1)ICT施工計画:ICT建設機械の機器構成と提供情報を記載する。また基準点の配置がわかる資料(平面図)も含む。
  • (2)作業装置位置の計測精度確認計画:作業装置位置の計測精度確保を目的とした作業装置位置の計測精度確認計画を記載する。

②事前準備

ICT建設機械で「施工履歴データ」を用いた出来高・出来形管理を実施する場合には、現場条件を踏まえた運用計画を立案し、その上でICT建設機械及び作業装置の位置情報について取得精度を確認します。上図は、作業内容と手順の一例です。

③RTK-GNSSの適用確認

ICT 建設機械の位置情報を取得するシステムには、現場内に設置された固定基準局からの補正情報を使用する「RTK-GNSS」や、外部の通信環境を利用し補正情報を使用するネットワーク型の「RTK-GNSS」が用いられています。そのため使用を予定する衛星測位システムが、導入対象範囲で利用可能か確認します。

ただし下記のように「RTK-GNSSが適用困難」となる場合には「TS仕様」に変更する必要があります。

  • 基準局から移動局への補正情報の無線通信障害が発生する地形条件、不要電波状況(固定基準局使用の場合)
  • 補正情報取得に利用する外部通信の電波が届かない不感地帯である。(ネットワーク型使用の場合)
  • GNSS衛星などからの電波が反射・回折する障害物や岩などが周辺にある
  • 位置特定に必要となる衛星捕捉数、衛星配置の確保ができない(基準局、移動局)

④TSの適用確認

TSを位置情報取得システムとして適用する場合は、TSの利用可能な現場条件であることを確認します。

ただし下記のように「TSの適用が難しい」場合は、先ほどとは逆に「GNSS仕様」に変更となります。

  • 障害物により、TSを移動させてもTSから全方位プリズムまでの視野を確保できない(障害物:樹木、構造物、車両など)
  • TSの無線到達範囲から、バックホウが離れる頻度が多い現場

⑤基準点の設置計画

基準点とは「測量の基準とするために設置された国土地理院が管理する三角点・水準点」のことを指します。また工事基準点とは「監督職員より指示された基準点を基に、受注者が施工及び施工管理のために現場およびその周辺に設置する基準となる点」です。

ICT建設機械で用いるRTK-GNSSは、固定基準局使用の場合、補正情報作成のための工事基準点(3次元座標が既知)が必要となります。またICT建設機械の利用にあたっては、作業装置の位置の取得精度確保を目的とした確認試験を、導入前・掘削期間中に実施します。そのため上記のエリアを含む施工ヤード内に、その施工範囲に応じた工事基準点を設置します。工事基準点数が不足する場合は、新たな工事基準点を設置する必要があります。

なお固定基準局使用の場合、この工事基準点にGNSS基準局を設置することがあります。そのため選定した基準局候補基準点と対象施工範囲間の距離と見通しを確認し、これを踏まえてRTK-GNSS補正情報の無線通信手段を決定する必要があります。

またICT建設機械で用いるTSはRTK-GNSSに比べて計測距離が短いため、施工範囲には計測可能距離と施工範囲に応じて「複数の工事基準点を設置する」ことが望ましいとされます。

⑥GNSS基地局の設置

(1)GNSS基準局の設置

ICT 建設機械を構成する機器にGNSSを含むため、施工の着手前までにGNSS基準局を設置する必要があります。GNSS基準局を設置する基準点の選定にあたっては、GNSS補正情報を通信する無線装置の性能(通信距離、指向性)を勘案します。

(2)ローカライゼーション(座標変換)

構築物の施工精度を確実に確保するには、設計照査の段階で以下の「残差」を確認することが推奨されています。

  • ①出来形管理用TSを設置する可能性がある各基準点の3次元座標と、TS(又はRTK-GNSS)を用いて計測される3次元位置座標との残差
  • ②各基準点に対しGNSS座標系上で算定された3次元位置座標との残差
  • ③基準点の位置座標を包括する面との残差(回転、移動、大きさ、水平ゆがみ、垂直ゆがみ)

ただし残差が比較的小さい場合は、残差の影響を最小限に留める対応として、GNSS座標系と現場座標系に変換すること(ローカライゼーション)を行なうことが認められています。

⑦TSの設置

ICT 建設機械を構成する機器にTSを含む場合には、施工の着手前までにTSを設置する必要があります。同システムにより提供される作業装置の位置の3次元座標には、TSが潜在的に有する計測誤差以外に、TSの設置位置の3次元座標の誤差が含まれます。そのため「工事基準点」に設置することが望ましいとされます。ただし工事基準点上にTSを設置できない場合は、後方交会法により「任意の未知点」にTSを設置することも認められています。

⑧作業装置の位置情報精度確認

ここでは作業装置の位置情報精度確認のうち「バックホウ」について取り上げます。「ブルドーザ作業装置」は国土交通省資料をご覧ください。

(1)バックホウ作業装置の位置精度の確認

バックホウにおける作業装置の位置の精度確認は、現場条件に合わせて、以下①または②のいずれかの方法で行います。

①システムから提供される作業装置の位置とTS計測による較差

作業装置の位置精度の評価方法は、「ICT バックホウから提供される作業装置の位置」と、「TS等により取得される作業装置の位置」の較差で判断します。確認は作業装置の位置検出に用いるセンサの動作を極力限定して姿勢を変化させ、精度に与える影響を明らかにします。計測は上図「ケース7」の姿勢にて行い、全てで「標高の較差が±50mm以内」であれば所要の性能を確保していると判断します。また計測点数は、各ケースにて 1 回以上とします。

②テスト作業による検測

ICT建機によるテスト作業を行い、施工履歴データの計測精度を確認します。 具体的には、施工に使用するICT建設機械を使って、現場内で平坦に整形する作業を行います。作業中に施工履歴データを記録し、作業後トータルステーション(TS)で出来形を検測します。「施工履歴データから求める出来形」と「TSで検測した点の三次元座標」とを比較し、標高の差を算出します。テスト作業で整形する範囲は 5m×5m 以上とし、TSでの検測はテスト範囲内で16点以上となります。

(2)バケット位置精度の確認結果

ICTバックホウを用いた施工では、操作支援システムから提供される「設計データ」と「バケット位置の良否判定データ」などを確認して操作判断を行います。そのため施工精度を確保するためには、バケット位置精度を施工着手前に確認する必要があります。

またこの確認結果は計測性能を証明するものであり、必要に応じて監督職員から請求される場合があります。資料として整備・保管するとともに、初期データとして利用されます。

⑨施工期間中の確認事項

施工実施するにつれて、センサ設置位置のずれ等で精度が低下する可能性があります。そのため作業装置の位置精度確認を、「作業日1日ごとに始業前1回」行うことが求められます。確認方法は「⑧作業装置の位置情報精度確認」の内容と同じです。

ICT建設機械の導入に使える補助金は?

国土交通省ではICT建設機械の導入を推進しており、各自治体でも補助金制度を実施しているケースがあります。ここでは補助金制度の一部をご紹介します。この他にも独自制度を実施している自治体はあるため、ICT建設機械の導入前に補助金制度をチェックしておきましょう。

①ものづくり補助金|中小企業庁

中小企業・小規模事業者等が生産性を向上するための、設備投資等を支援する制度です。ICT建設機械は「機械装置・システム構築費」に該当し、通常枠の場合補助率は1/2~1/3となっています。補助金額は従業員数によって異なり、従業員数 5人以下 :100万円~750万円、6人~20人:100万円~1,000万円、21人以上 :100万円~1,250万円です。

詳しくは「ものづくり補助金総合サイト」をご覧ください。

②大分県建設産業DX推進事業(ICT建設機械導入補助)|大分県

建設産業における深刻な担い手不足に対応するため、大分県内建設業者に対しICT建設機械に必要な機器を導入する経費の一部を助成する制度です。これにより建設現場におけるDXを推進し、生産性向上や就労環境の改善、職場定着等を図ることを目的としています。補助率は2分の1以内、補助限度額は100万円となっています。

【参考】大分県建設産業DX推進事業(ICT建設機械導入補助)について

③建設業ICT機器導入支援補助事業|富山県

富山県では、建設業の生産性向上の取り組みに要する経費の一部を補助する「富山県建設業ICT機器導入支援事業」を実施しています。2022年度第2次募集では「省エネルギー機器導入」枠(特枠加算)を新設し、これまでのICT機器導入と併せて省エネルギーに寄与する機器を導入する取組みについても支援します。補助金額は以下の通りです。

  • ICT機器の導入、人材育成:補助対象経費の2分の1以内(50万円を上限)
  • 省エネルギー機器の導入:補助対象経費の2分の1以内(20万円を上限)

【参考】建設業ICT機器導入支援補助事業

ICT建設機械の導入で業務効率化

ICT建設機械の登場で、これまで人力で行っていた測量等の作業が大幅に短縮できるようになりました。今回の国土交通省認定制度によりICT建設機械がひと目で分かるようになり、スムーズな導入に繋がるでしょう。ICT建設機械導入の際には、補助金制度も確認してみるのをおすすめします。

この記事を書いた人

小日向

二級建築士/インテリアコーディネーター(IC)/福祉住環境コーディネーター。 建築学科卒業後、インテリアメーカーにてICの業務を経験。 現在は建築・住宅系ライターとしてコラムを担当。ハウスメーカー、リフォーム、住宅設備会社での執筆多数。

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