熊谷組、木材を耐火被覆に用いた「ドレスウッド®」でCFT柱の2時間耐火大臣認定を取得

20261026_ドレスウッド®CFT柱の構成

熊谷組は、木材を耐火被覆として使う鉄骨部材「ドレスウッド®」で、CFT柱(コンクリート充填鋼管柱)の2時間耐火構造について、国土交通大臣の認定を取得しました。

この技術は、株式会社ホルツストラと共同で開発したものです。今回の認定によって使用できる建物の範囲が広がり、木材を生かした中高層建築の選択肢が増えます。同社は2026年10月23日に、この認定取得を発表しました。

木材の利用が広がる都市部の中高層建築

近年は、建物を木質化・木造化する技術の開発が進んでいます。これまで鉄筋コンクリート造や鉄骨造が主流だった都市部の非住宅の中高層建築でも、木材を取り入れる動きが目立つようになりました。

木材の利用拡大は、脱炭素社会の達成や国内林業の振興に大きな役割を果たすと考えられています。ただ、中高層の建物では火災に耐える性能が厳しく求められます。そのため、安全を確保しながら木材を使える耐火技術が重要になっています。

木材と断熱材で鉄骨を守るドレスウッドの仕組み

熊谷組が開発に取り組む「ドレスウッド®」は、鉄骨の周りを生体溶解性繊維(AESウール)の断熱材と木材で包み、火災の熱から守る耐火技術です。鉄骨は高温になると強度が下がるため、被覆によって温度の上昇を抑える必要があります。

同社はこれまでに、ドレスウッドの柱と梁で1.5時間耐火の大臣認定を取得してきました。この認定により、建物の最上階から数えて9層までの範囲で、柱と梁に使用できました。

耐火時間の違いが使える階数を左右する

建築基準法では、建物の階数に応じて、柱や梁に求められる耐火時間が決まっています。一般に、上の階ほど必要な耐火時間は短く、下の階ほど長くなります。

1.5時間耐火の認定では、最上階から数えて9層までが対象でしたが、2時間耐火の認定を取得したことで、より下の階にも使えるようになりました。耐火時間が1.5時間から2時間に延びた分だけ、木材を使える範囲が建物の下方へ広がったことになります。

使用できる範囲が最上階から14層まで拡大

今回、CFT柱で2時間耐火の大臣認定を取得したことで、最上階から数えて14層までの範囲にこの技術を使えるようになりました。CFT柱は、鋼管の中にコンクリートを詰めた柱です。

過去に取得したドレスウッドの耐火大臣認定と組み合わせることで、木材を活用した中高層建築に幅広く対応できるようになりました。階数の多い建物でも、木の質感を生かした設計を検討しやすくなります。

最小60mmの被覆厚でスリムな仕上がりに

ドレスウッドCFT柱(2時間耐火)では、木材の厚さが最小30mm、断熱材を合わせた正味の被覆厚が最小60mmです。この厚みは、1.5時間耐火のドレスウッド柱と同等です。

吹付けロックウールの上に軽量鉄骨の下地材と仕上げ材を施す従来の納まりと比べると、柱まわりをすっきり仕上げられます。

柱が占める寸法を抑えられるため、室内の有効面積を確保しながら、木のぬくもりを感じる空間をつくれます。室内を広く使えることは、オフィスや商業施設などの非住宅建築にとって大きな利点です。

難燃処理木材の化粧材で内装制限にも対応

1.5時間耐火の柱・梁の認定と同様に、表面の化粧材には難燃処理木材を使えます。難燃処理木材とは、難燃剤で燃えにくくし、不燃材料、準不燃材料、難燃材料としての性能を持たせた木材です。この仕組みにより、火災対策のために内装の仕上げ材を制限する「内装制限」にも対応できます。

実物件への採用と新たな部材開発を進める

熊谷組は今後、ドレスウッドを実際の建築物へ積極的に採用していく方針です。あわせて、さまざまな耐火の要件に対応できる部材の開発も計画しています。

木材の利活用と耐火技術のさらなる向上を図り、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを強化していきます。

出典情報など

出典:株式会社熊谷組,木材を耐火被覆として利用した鉄骨部材「ドレスウッド®」でCFT柱の2時間耐火大臣認定を取得,https://www.kumagaigumi.co.jp/news/2026/pr-20261023-004387.html,リリース日:2026-10-23