竹中工務店、CO2約6割減のサーキュラーコンクリートを開発、国際園芸博覧会に初適用

竹中工務店(社長:丁野成人)は、解体した建物のコンクリート廃材から砂利や砂などの再生骨材を取り出し、省CO2型セメントと組み合わせた「サーキュラーコンクリート」を開発しました。
2027年国際園芸博覧会(正式略称:GREEN×EXPO 2027)の同社グループの展示施設「竹中グループ くるくるく」に初適用しています。このコンクリートでは、排出されるCO2を約6割減らし、再利用材を質量比で約8割使います。
開発は、NEDOの「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム」の重点課題推進スキームとして実施されました。
骨材の採取と廃材処理、二つの課題に挑む
コンクリートは水、セメント、骨材で作られ、そのうち骨材が質量の約8割を占めます。現在、砂利や砂は山間部などから採取されており、天然資源を守ることと環境への負荷を減らすことが課題です。
一方で、建物の解体では年間約4,000万トンものコンクリート廃材が出ます。その大半は、道路工事の路盤材など、元の用途より価値の低い用途に再利用する「ダウンサイクル」が行われています。
今回のコンクリートは、廃材から回収した骨材を繰り返し使うことで、コンクリートそのものの持続可能性を高めることを目指します。
従来品と同じ強度と耐久性を確保
サーキュラーコンクリートは、CO2の削減と資源の循環を進めながら、従来のコンクリートと同等の強度基準と耐久性を確保しています。環境に配慮した材料と聞くと、性能が落ちるのではないかと心配する人もいるでしょう。しかし、建物を支える材料に求められる品質は、これまでと変わらない水準で保たれています。
再生骨材を使っても、従来と同じ基準で安心して使える点が、このコンクリートの大きな特徴です。資源を循環させることと、建物の品質を保つことの両方を満たす材料に仕上げています。
資材の再利用率99%をめざす展示施設
「竹中グループ くるくるく」は、「素材のいのちとかたちの循環」をテーマに掲げています。設計・施工から解体に至るまでのすべての過程で、資材の再利用率99%を目標にしている施設です。
施設に使う再生骨材コンクリートには、横浜商科大学高等学校の食堂・学生寮(神奈川県横浜市旭区)を解体した際に出た廃材を利用しました。
運搬の距離を抑えてCO2排出も減らす
今回の取り組みでは、廃材が出た場所、骨材を再資源化する施設、コンクリートの製造工場、そしてコンクリートを使う建物のすべてが近い地域にあります。
流通ルートを限定したことで、運搬時に出るCO2の削減にもつながります。材料そのものだけでなく、運ぶ過程まで含めて環境負荷を抑えようとする点が、この施設の工夫です。
強度24N/mm2に高め、構造体へ活用
再生骨材コンクリートは、構造体にならない土間コンクリートなど、設計基準強度18N/mm2以下の低強度のコンクリートで使われることが多い材料です。
これに対して同施設では、コンクリート強度を24N/mm²に高め、柱などを個別に支える「独立基礎」の構造体に用いました。再生材料を建物を支える部分に活用し、コンクリートの価値を高める取り組みです。さらに、このサーキュラーコンクリートも、閉幕後の再利用を目指しています。
あらゆる工程で資源循環を進めていく
竹中工務店は、設計・施工・解体から、竣工後の運用や建材の活用まで、建築のすべてのプロセスで資源の循環を促す「サーキュラーデザインビルド®」を提唱しています。
これは新しい建築・建設ソリューションで、一つの工程にとどまらず、建築の流れ全体で資源を巡らせる点が特徴です。今後もサーキュラーコンクリートの活用を進め、循環型社会の実現に貢献していきます。
竹中グループ くるくるくの施設概要
展示施設の規模と工期は次のとおりです。
- 工期:2026年6月15日~2027年1月末(予定)
- 敷地面積:約1,000m²
- 延床面積:約300m²
- 高さ:約4.3m
出典情報など
出典:株式会社竹中工務店,コンクリート廃材を利用したサーキュラーコンクリートを開発~2027年国際園芸博覧会の展示施設「竹中グループ くるくるく」に初適用~,https://www.takenaka.co.jp/news/2026/10/04/,リリース日:2026-10-23