奥村組とイクシス、スマホで断熱材の厚さ不足を可視化する「でこぼこスキャン」を共同開発

20261015_でこぼこスキャンで吹付け断熱材の表面の凸凹を可視化

奥村組(本社:大阪市阿倍野区)とイクシス(本社:神奈川県川崎市)は、吹付け断熱材の表面にある凸凹を可視化するシステム「でこぼこスキャンTM」を共同開発しました。

断熱材の厚さが足りない恐れのある場所を、端末の画面上で素早く見つけられることが特長です。従来の「点」の検査に比べて、検査業務の効率化と施工品質の向上が期待できます。

断熱性能の確保に欠かせない吹付け厚さの管理

脱炭素社会の実現に向けて省エネルギー基準が強化され、建物にはこれまで以上に高い断熱性能が求められています。外壁の内面などに使われる現場発泡ウレタンは、性能を確保するため、決められた厚さで吹き付けることが重要です。

一方で、この材料は吹付け後に膨らむ性質があり、厚く吹くほど均一に仕上げるのが難しくなります。特に入隅部(壁や天井が接する角の部分)、配管を通すスリーブの周辺、建具まわりでは厚さにばらつきが出やすく、施工には高い技術力が必要です。

確認ピンによる「点」の検査が抱える弱点

これまで吹付け厚さの確認は、断熱材に確認ピンを刺して測る「点」の検査が一般的でした。この方法では広い吹付け面の全体像をつかみにくく、測る場所の選び方によっては、局所的な厚さ不足を見逃すおそれがあります。

また、複雑な形状の箇所では測定点が増えるため、検査に時間と手間がかかることも課題でした。施工のばらつきが出やすい場所ほど確認の負担が大きくなる点は、現場にとって悩ましい問題といえます。

LiDARで読み取り、凸凹を色や線で表示

「でこぼこスキャン」は、断熱材表面の凸凹の状況を可視化するアプリケーションです。iPhone ProなどLiDARスキャナを搭載した対応端末を使い、天井や壁に吹き付けた断熱材の表面を読み取ります。

結果はヒートマップや等高線図として画面に表示されます。対象面を正面からスキャンし、凸凹を平均的に処理した仮想の基準面を設定します。この基準面をもとに凸凹をモニター上へ示すため、厚さ不足のおそれがある箇所を迅速に確認できます。

基準面に対する凸凹を定量的に確認できる

基準面に対する吹付け厚さの過不足を、誰でも定量的に確認できる点も特長です。従来の確認ピンによる「点」の検査とは異なり、断熱材表面の凸凹を面的に把握できます。

ヒートマップや等高線図で表示されるため、基準面に対する凸凹の分布を視覚的に把握しやすくなります。こうした仕組みにより、断熱材の厚さ不足を確認する作業の効率化につながります。

スキャンから評価までの五つの手順

システムの操作手順は次のとおりです。

  1. スキャンボタンを押し、発泡ウレタン表面の形状を計測します。
  2. スキャン範囲内の2点をタップして基準面を設定します。
  3. 計測範囲に応じて、2枚目以降のスキャンを行います。
  4. 範囲内に建具などがある場合は、除外区間設定ボタンで凸凹を評価しない範囲を指定します。
  5. 凸凹検知ボタンをタップし、基準面に対する凸凹を評価します。

計測範囲に応じて複数回スキャンできるほか、建具など凸凹の評価が不要な部分を対象から除外できます。

両社は検証と改良を続けて品質向上へ

奥村組とイクシスは、今後も検証と改良を継続します。本システムの活用を通じて、断熱材の吹付け工事における施工品質と生産性の向上に貢献することを目指します。

省エネルギー基準が強化されるなか、断熱材の厚さを面で確認できる手法は、建物の断熱性能を確保する取り組みを支える存在になりそうです。なお、「でこぼこスキャン」は、両社が共同で商標登録出願中の名称です。

出典情報など

出典:株式会社奥村組,断熱材の厚さ確認を支援する「でこぼこスキャンTM」を共同開発 吹付け断熱材の凸凹をスマートフォンで可視化,https://www.okumuragumi.co.jp/newsrelease/2026/tm.html,リリース日:2026-10-13