国土交通省の2026年度建設投資見通し、総額81兆4700億円で前年度比2.9%増

20260902_2026年度の建設投資見通し

国土交通省は、2026年度(令和8年度)の建設投資見通しを取りまとめ、公表しました。全体の投資額は81兆4700億円に達する見込みで、前年度と比べて2.9%の増加となります。

建築・土木の両分野で拡大が続く見通しで、政府投資・民間投資ともに前年度を上回る水準です。住宅・非住宅・土木補修といった各分野の伸び幅にはばらつきが見られ、業界にとって注目すべき内容となっています。ここでは公表された最新データをもとに、投資動向のポイントをわかりやすく整理してお伝えします。

総投資額は2年連続で80兆円を突破

2026年度の建設投資総額は81兆4700億円と見込まれ、2025年度の79兆1800億円からさらに増加します。2024年度の74兆1700億円と比較すると、2年間で7兆円以上拡大した計算です。

伸び率は前年度の6.8%からは落ち着くものの、建設市場全体への投資意欲は引き続き高い水準を維持しています。物価上昇や資材コストの高止まりが続くなかでも、投資額そのものは拡大基調を保っている点が注目されます。名目値ベースでの伸びであるため、実質的な工事量の増加率とは異なる点にも留意しておきたいところです。

建築投資は52兆9500億円、非住宅が牽引

建築投資は52兆9500億円となり、前年度比3.5%の増加が見込まれます。住宅投資は18兆4800億円で1.8%の伸びにとどまる一方、非住宅投資は17兆1800億円で6.2%増と、建築分野の中でも非住宅の伸びが目立ちます。

改装・改修を含む民間建築補修(改装・改修)投資についても17兆2900億円と、2.7%の増加が見込まれています。オフィスや物流施設向けの需要が根強く、非住宅分野が全体を押し上げる構図がうかがえます。一方の住宅投資は着工戸数の伸び悩みが影響し、非住宅と比べると緩やかな増加にとどまる見込みです。

政府投資と民間投資の内訳を確認

建築・土木を合わせた投資額を政府と民間に分けて見ると、次のような内訳になっています。

  • 政府投資(建築・土木計):26兆6000億円(前年度比0.6%増)
  • 民間投資(建築・土木計):54兆8700億円(前年度比4.1%増)
  • 民間非住宅建設投資:22兆2600億円(前年度比6.6%増)

政府投資が横ばいに近い伸びにとどまる一方、民間投資は堅調な拡大を続けており、投資全体を押し上げる要因になっています。特に民間非住宅建設投資の伸びは全体の中でも高く、企業の設備投資意欲の強さを反映した結果といえるでしょう。

土木投資は28兆5200億円、公共事業も安定

土木投資は28兆5200億円となり、前年度比1.8%の増加が見込まれます。このうち政府による土木投資は18兆5800億円で、公共事業が15兆5100億円、その他の事業が3兆700億円という内訳です。

民間の土木投資は9兆9400億円まで伸び、前年度比4.1%の増加となりました。公共事業費が大きく減ることなく安定的に推移している点も見通しの特徴です。インフラの老朽化対策や防災関連の事業が下支えとなり、公共分野への投資は今後も一定水準を保つとみられます。

建設投資見通し調査の位置づけ

この見通しは、国土交通省が1960年度から毎年度作成しているもので、社会経済活動や市場動向に大きな影響を及ぼす建設投資の規模と構造を明らかにする目的で続けられています。

今回の推計は、閣議決定された令和8年度の経済見通しや、内閣府がまとめた年央試算などの指標をもとに算定されました。行政機関だけでなく、建設業界の企業が事業計画を検討するうえでも重要な基礎資料として活用されています。

2026年度の建設投資は底堅く推移する見通し

今回の見通しでは、住宅・非住宅・土木の各分野で投資が底堅く推移する姿が示されました。今後の受注動向や資材需要、労務費の推移にも影響を与える可能性があり、建設業界にとって引き続き注視すべきデータといえるでしょう。

出典情報など

出典:国土交通省,令和8年度(2026年度)建設投資見通し,https://www.mlit.go.jp/report/press/joho04_hh_001389.html,リリース日:2026-08-31