国土交通省、令和8年7月の新設住宅着工が前年比8.2%増 分譲マンションが大幅に増加

国土交通省は8月31日、令和8年7月分の建築着工統計調査の結果を政府統計の総合窓口「e-Stat」で公表しました。全国の新設住宅着工戸数は66,439戸となり、前年同月に比べて8.2%の増加を記録しています。持家、貸家、分譲住宅のいずれも前年を上回り、4か月連続の増加となりました。
着工床面積も5,115千平方メートルにのぼり、前年同月比8.1%の伸びとなっています。一方、季節調整を行った年率換算値は774千戸にとどまり、前月比では1.6%の減少です。単月の伸びだけでなく、季節要因を除いた動きにも目を向ける必要がありそうです。
持家は微増、貸家と分譲が伸びを牽引
利用関係別の内訳は、次のとおりです。
- 持家:17,730戸(前年同月比0.4%増)
- 貸家:30,164戸(前年同月比10.0%増)
- 給与住宅:337戸(前年同月比24.4%減)
- 分譲住宅:18,208戸(前年同月比14.6%増)
持家はわずかな伸びにとどまった一方、貸家と分譲住宅は二桁に近い、あるいはそれを上回る増加となりました。資金別にみると、民間資金による住宅は61,168戸で前年同月比9.5%増となり、住宅需要を下支えしています。
分譲住宅はマンションが大幅増
分譲住宅の内訳をみると、マンションは7,448戸で前年同月比24.7%増、一戸建住宅は10,578戸で同9.0%増となりました。
マンションは一戸建住宅を上回る伸びとなり、前年同月から大きく増加しています。分譲住宅の増加率14.6%に対しても高い伸びとなりました。
地域別は首都圏と近畿圏が堅調
地域別の総戸数の前年同月比は、以下のようになっています。
- 首都圏:13.8%増
- 中部圏:6.1%減
- 近畿圏:17.3%増
- その他地域:3.6%増
首都圏では貸家が17.5%増、マンションが31.4%増と大きく伸び、近畿圏でも貸家が26.0%増と好調でした。一方、中部圏はマンションが46.9%減と落ち込み、分譲住宅全体でも17.3%減となっています。地域による差が目立つ結果となりました。
建築主別では公共の落ち込みが目立つ
住宅を含む建築物全体を建築主別にみると、次のような結果になりました。
- 公共:440千平方メートル(前年同月比7.5%減)
- 民間:7,844千平方メートル(前年同月比10.6%増)
- うち会社:4,826千平方メートル(前年同月比18.2%増)
公共工事による着工床面積が減少した一方、民間の会社による着工が大きく伸び、全体を押し上げる形となりました。個人による着工は2,768千平方メートルで、前年同月比0.1%増とほぼ横ばいです。
プレハブ・ツーバイフォーはともに減少
建築工法別にみると、プレハブは7,925戸で前年同月比6.9%の減少となり、先月の増加から再び減少に転じました。ツーバイフォーは7,719戸で同8.5%減となり、2か月連続の減少です。木造住宅全体では39,547戸で前年同月比0.4%増と、ほぼ横ばいの水準にとどまっています。
非居住建築物は事務所や工場が伸長
調査全体でみると、全建築物の着工床面積は828万平方メートルで、前年同月比9.4%の増加となりました。民間の非居住建築物では、事務所、店舗、工場、倉庫のいずれもが増加し、全体を押し上げています。
使途別では、事務所が37万平方メートルで前年同月比30.3%増、工場は51万平方メートルで同29.2%増と大きな伸びを見せました。倉庫も58万平方メートルで同12.1%増となり、物流施設への旺盛な需要が続いていることを示しています。
業種別でも幅広く着工が増加
主な業種別の床面積は、次のとおりです。
- 製造業用:61万平方メートル(前年同月比19.8%増)
- 金融業,保険業用:4万平方メートル(前年同月比71.7%増)
- 宿泊業,飲食サービス業用:20万平方メートル(前年同月比33.8%増)
幅広い業種で着工が増加しており、企業の設備投資に対する意欲の強さがうかがえます。
季節調整値は3か月ぶりの減少
季節調整済みの年率換算値をみると、令和8年7月は774千戸となり、前月の786千戸から1.6%の減少となりました。3か月ぶりの減少です。単月の前年同月比は堅調でしたが、季節要因を除いた実勢としては、伸びがやや一服した可能性もあります。
国土交通省は、令和8年8月分の統計を9月30日に公表する予定です。建築着工統計調査は、全国の建築物の着工動態を明らかにし、建築や住宅に関する基礎資料を得ることを目的として、毎月実施されています。
出典情報など
出典:国土交通省,建築着工統計調査報告(令和8年7月分),https://www.mlit.go.jp/report/press/joho04_hh_001390.html,リリース日:2026-08-31