清水建設、2026年3月期連結売上高2兆578億円、純利益606億円増の1,266億円に

清水建設は2026年9月、2025年度(2026年3月期)の連結決算概要を公表しました。売上高・利益ともに前期を上回り、増収増益を確保しています。
政策保有株式の売却益が純利益を押し上げたほか、国内工事の採算改善も業績を支えました。あわせて2026年度の見通しや、注目の技術開発についても紹介します。
売上高2兆578億円、純利益606億円増
2025年度の連結売上高は2兆578億円となり、前期に比べて1,134億円増加しました。国内の建築・土木工事が順調に進んだことに加え、前期にM&Aで取得した海外建設子会社2社の業績が反映されたことが増収につながっています。
営業利益は1,186億円で476億円の増益となり、単体の国内建築工事や国内外の子会社における採算改善が寄与しました。当期純利益は1,266億円に達し、前期から606億円増加しています。単体の完成工事総利益率も10.6%まで改善し、受注時採算の向上が着実に成果に表れています。
建設事業受注高は2兆1,585億円に拡大
建設事業の受注高も伸びており、連結ベースで2兆1,585億円となりました。国内建築工事が1兆3,513億円、国内土木工事が3,207億円を占め、いずれも堅調に推移しています。
データセンターや半導体関連工場、大都市圏の再開発案件などの需要が背景にあり、当社は今後もこうした成長分野を中心に受注拡大を図る方針を示しています。
海外においても、データセンターや半導体関連プロジェクトを中心に活発な案件がみられ、東南アジア各国やインドでの事業環境も総じて堅調に推移しています。
政策保有株式の売却益が純利益を後押し
純利益の増加を後押ししたのが、政策保有株式の売却益879億円の計上です。同社は財務体質の強化を図るため政策保有株式の縮減を進めており、2026年3月末時点で売却合意済みの銘柄を除いた残高は、連結純資産の9.1%まで下がりました。
あわせて年間配当金は前期から34円増配の72円となり、株主還元にも力を入れる姿勢を示しています。自己株式取得も継続的に実施する方針です。1株当たり当期純利益は186.68円となり、自己資本当期純利益率(ROE)も13.8%まで上昇しました。
2026年度第1四半期も増収増益で推移
2026年度第1四半期の実績も公表されており、連結売上高は前年同期比410億円増の4,828億円となりました。単体の完成工事利益率は10.3%で、前年同期から2.2ポイント改善しています。
連結経常利益は556億円、親会社株主に帰属する当期純利益は552億円となり、いずれも前年同期を大きく上回るペースで進捗しています。経常利益の増加には、清和綜合建物の持分法適用に伴う負ののれん相当額355億円の計上も寄与しています。
2026年度は売上高2兆3,100億円を予想
2026年度(2027年3月期)の業績予想も、7月30日付で上方修正されました。売上高は前期比2,521億円増の2兆3,100億円を見込みます。国内建築の大型工事が最盛期を迎えることに加え、M&Aで取得したあおみ建設の業績が反映される見通しです。
営業利益は1,530億円、純利益は1,655億円を予想しており、いずれも前期を上回る計画です。年間配当金は5円増配の77円を予定しています。
フィジカルAIやロボット活用の研究も本格化
経営概要では、建設現場の労働力不足解消に向けた技術開発の動きも紹介されています。作業内容に応じて動作を変えられるヒューマノイドロボットの開発を進めるほか、スイス発のスタートアップMESH AG社への出資を通じて、鉄筋の加工や溶接などを自動化する「フィジカルAI」の導入を目指しています。
国土交通省が掲げる「i-Construction2.0」に対応したトンネル施工システムの活用も進めています。従来のロボットは作業ごとの専用機にとどまるものが多かった一方、複数の作業に対応できる汎用機としての活用が期待されています。
既存ストック活用で建て替え工期を短縮
首都圏の超高層ビル建て替え工事に向けては、既存の地下構造体を仮設として再利用する新工法「Re-GENUS BASE」を開発しました。
適用第一号となる内幸町一丁目街区南地区の再開発事業では、従来工法に比べて13カ月の工期短縮を実現しています。環境負荷の低減にもつながる取り組みとして、今後の展開が注目されます。
従来工法が地下解体を先行させるのに対し、新工法は既存構造体を活用しながら新築工事を並行して進められる点が特徴です。
出典情報など
出典:清水建設株式会社,経営概要(2026年9月),https://pdf.irpocket.com/C1803/xoA3/M9fy/s5oQ/vmeJ.pdf,リリース日:2026-09-01