大成建設、既存ビルへIoTセンサーを後付け、obniz Nowとの連携で設備データを見える化

大成建設株式会社は、クラウド型の建物統合管理プラットフォーム「LifeCycleOS®」を、株式会社obnizが手がけるIoTサービス「obniz Now」と連携させたことを発表しました。
すでに稼働している既存ビルの設備に後から取り付けたセンサーのデータを、LifeCycleOS®上でまとめて確認できる仕組みです。新築時にIoTによる常時監視を想定していなかった建物でも、大掛かりな配線工事をせずに空調や照明といった設備の状態を把握できるようになります。
担い手不足が生んだ見守りの課題
ビル管理の現場では、担い手不足を背景に設備機器を遠隔から見守るニーズが強まっています。しかし既存ビルの多くは竣工時にIoTによる常時監視を想定しておらず、機器の状態を継続的に把握する手段が限られていました。
後からIoTを導入しようとしても、配線・電源工事のコストや、機器の種類ごとにシステムを作り込む開発の手間が壁となり、現場への導入が進みにくいという事情がありました。
大成建設は、設備データとさまざまなアプリケーションをつなぐ基盤としてLifeCycleOS®の機能拡充を進めており、既存ビルのデータをいかに効率よく取得するかが大きなテーマとなっていました。
配線工事を抑えて短期間で設置
今回の連携では、920MHz帯の電波を使うセンサーを採用しています。Wi-FiやBluetoothと同じようにケーブルを使わずデータをやり取りできる無線の一種で、既存設備まわりの大規模な配線工事を行わず、簡易な配線だけで短期間にセンサーを取り付けられる点が特徴です。
あわせて、obniz Nowが備える柔軟なAPI連携機能を活用することで、機器の種類ごとにゼロから開発する必要がなくなり、LifeCycleOS®側の開発工数を抑えながら効率的なデータ連携を実現しました。配線・電源工事にかかるコストと開発の手間という、これまで導入の壁だった二つの課題に対応した形です。
一度の設置が将来の基盤にもなる
obniz Now経由で取得したセンサーデータは、LifeCycleOS®上に集約され、今後追加されるさまざまな建物運用アプリケーションとも組み合わせて活用できます。つまり一度取り付けたセンサーが、将来の新しいサービスの土台としても機能するわけです。
大成建設のO&Mビジネス推進部O&M・DX開発室長を務める柳本貴司氏は、既存ビルのデータをいかに効率よく取得するかが業界全体の課題だと述べたうえで、今回の連携により後付けIoT化と最小限の開発工数でのデータ収集が可能になったと説明しています。
一方obniz側も、ファームウェア開発を必要としない独自技術により、ビル設備監視という要件の厳しい領域で後付け対応力とAPI連携の柔軟性を発揮できたとコメントしています。
既存ビルのIoT化でLifeCycleOSの価値を拡大
大成建設は今後も、既存ビルへの後付けIoT化と最小限の開発工数によるデータ収集を進め、LifeCycleOS®による価値提供の幅を広げる方針です。
さまざまなサービスとの連携を重ねることで、建物運用に関わる課題解決に取り組んでいくとしています。今回のような外部サービスとの連携拡大は、施設運営に携わる企業にとって、IoT導入のハードルを下げる一つのモデルケースになりそうです。
LifeCycleOS®とobniz Nowの仕組み
LifeCycleOS®は、情報処理推進機構(IPA)デジタルアーキテクチャ・デザインセンター(DADC)が発行するスマートビルガイドラインで定義されるビルOSに準拠した、大成建設が提供するクラウド型建物統合管理プラットフォームです。多様な建物運用ニーズに応じたアプリケーションとの連携を通じて、施設の効率的な運用と価値向上を支えます。
obniz Nowは、設置されたエッジ端末が周辺のセンサーや装置を自動で認識し、データの識別・保存や複数機器の連携制御を可能にするIoTサービスです。端末のソフトウェア更新や再起動が不要で、少ない開発工数でのセンサー後付けに対応します。
大成建設とobnizの概要
- 大成建設株式会社:所在地/東京都新宿区西新宿一丁目25番1号、代表者/代表取締役社長 相川善郎
- 株式会社obniz:所在地/東京都豊島区、代表者/代表取締役 佐藤雄紀、設立/2014年、事業内容/IoTプラットフォーム「obniz」およびIoTサービス・デバイスの開発・提供
参考:obniz Now
出典情報など
出典:大成建設株式会社,既存ビルを後付けの IoT センサー活用で賢く見える化-大成建設「LifeCycleOS®」が IoT サービス「obniz Now」と連携 既存ビルへのセンサー後付けで設備データの取得・活用を実現-,https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/assets_cms/pdf/11168.pdf,リリース日:2026-09-01