国土交通省、7月の建設技能労働者不足率1.2%に拡大、前月比0.2ポイント増

国土交通省は8月25日、建設技能労働者の需給状況をまとめた「建設労働需給調査結果(令和8年7月分調査)」を公表しました。今回の結果からは、建設技能労働者の需給状況に加え、職種や地域ごとの違いも見えてきました。
人材確保に悩む建設業者にとっては、業界全体の動向を把握するうえで参考になる資料といえます。調査結果は毎月継続して公表されており、季節ごとの傾向をつかむ手がかりとしても役立ちます。
8職種計は1.2%の不足に拡大
今回の調査は7月10日から20日までの間の1日を対象に実施されました。型わく工や左官、とび工など主要8職種全体の過不足率は1.2%の不足となり、前月の1.0%不足から0.2ポイント不足幅が広がっています。一方で、前年同月の1.6%不足と比べると0.4ポイント縮小しています。
主要6職種に絞った過不足率は0.7%の不足という結果でした。季節調整値で見ても、8職種計は0.9%、6職種計は0.3%の不足となっており、原数値と近い水準を保っています。
鉄筋工(建築)のみ過剰の傾向に
職種別の内訳を見ると、鉄筋工(建築)だけが労働者過剰の状態にあり、そのほかの職種はいずれも不足が続いています。中でも配管工は前年同月の1.2%から3.5%へと不足幅が大きく拡大しました。反対にとび工は前年同月の3.7%から0.7%へと不足幅が縮小しており、職種によって需給の変化が対照的になっています。
なお、最近1ヶ月以内の新規募集に関する過不足率についても、6職種計・8職種計ともに前年同月を下回る水準にとどまり、募集面ではやや落ち着きが見られました。
地域別では四国と北海道が対照的な動き
地域別に前年同月と比較すると、四国は1.6ポイントの増加となり、全国で最も不足幅が拡大した地域になりました。反対に北海道は2.3ポイントの減少を記録し、全国で最も改善が進んだ地域となっています。
全国10地域のうち労働者が過剰となっているのは東北のみで、それ以外の地域では引き続き人手不足が続いている状況です。地域による差が大きいことも、今回の調査結果の特徴といえるでしょう。なお、6職種計で見ると北陸と沖縄は需給が均衡しており、地域や職種の組み合わせによって状況が細かく異なる点も見逃せません。
今後2〜3ヶ月の人材確保の見通し
9月の労働者確保について「困難」「やや困難」と答えた割合の合計は26.3%となり、前年同月の28.1%から1.8ポイント減少しました。一方で「やや容易」「容易」の合計は6.5%となり、前年同月の5.3%から1.2ポイント増加しています。
10月の見通しでは「困難」が22.2%で前年同月比1.2ポイントの減少、「容易」は11.6%で前年同月比2.6ポイントの増加となり、いずれの月も人材確保のしやすさがわずかに改善する見込みが示されました。
残業や休日作業を強化する現場も増加
残業や休日作業を実施している、いわゆる「強化現場」の割合は全体の2.8%で、前月の2.1%から0.7ポイント増加し、前年同月の2.6%と比べても0.2ポイント上回りました。
強化現場が少しずつ増えている背景には、工期の遅れを取り戻そうとする現場が多いことがあるとみられます。強化に踏み切った理由としては、次のような項目が挙げられています。
- 昼間時間帯の時間的制約:30.6%
- 前工程の工事遅延:25.0%
- 天候不順:9.7%
- 無理な受注:6.9%
- その他:27.8%
強化現場では工程上の制約が目立つ
昼間の作業時間に制約がある現場や、前の工程の遅れを取り戻すための対応が多く、工程管理の難しさがうかがえる結果となりました。こうした状況は、工期の設定や発注のタイミングを見直す際の参考材料にもなりそうです。
国土交通省は今後も毎月の調査を継続し、職種別・地域別の需給動向をきめ細かく把握していく方針です。引き続き建設現場の人手不足の動向に注目が集まりそうです。
出典情報など
出典:国土交通省,建設労働需給調査結果(令和8年7月分調査)について,https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo14_hh_000001_00374.html,リリース日:2026-08-25