国土交通省、2026年4月の建設総合統計を公表、出来高総計は民間・公共とも前年同月比増

国土交通省は2026年6月19日、2026年4月分の「建設総合統計」を公表しました。4月の出来高総計は4兆8,444億円で、前年同月に比べて5.6%増えました。出来高というのは、その月に実際に進んだ工事の金額のことを指し、契約した金額そのものではなく「実際に作業が進んだ分」を表す点が特徴です。受注のタイミングではなく、現場でどれだけ工事が進んだかを反映するため、景気の実感に近い指標として業界内でも重視されています。

民間工事は4.2%増、土木分野の伸びが目立つ
民間が発注した工事の出来高は3兆1,122億円で、前年同月比4.2%の増加でした。このうち建築工事は2兆3,627億円(1.0%増)で、さらに居住用が1兆3,938億円(0.0%増)、非居住用が9,688億円(2.6%増)という内訳です。住宅の建築は前年とほぼ同水準でしたが、オフィスや店舗などの非居住用建築は緩やかに伸びました。一方、土木工事は7,496億円で、前年同月比15.8%の大きな伸びを見せています。
公共工事は8.2%増で伸びが目立つ
国や都道府県、市町村が発注する公共工事の出来高は1兆7,322億円で、前年同月比8.2%の増加となりました。民間よりも高い伸び率です。内訳をみると、建築工事は5,035億円(6.8%増)で、居住用が609億円(19.0%増)、非居住用が4,426億円(5.3%増)でした。さらに土木工事は1兆2,286億円(8.8%増)と、公共全体の伸びをけん引する形になっています。道路や河川、下水道といった土木分野への投資が、公共工事全体を支えていることがうかがえます。
建設業界に関わる人が注目したい背景
今回の統計では、公共工事の伸び率が民間工事を上回ったことが特徴です。とくに公共の土木分野は工事量全体の7割近くを占めており、社会インフラ整備への投資が業界全体を支えている様子がわかります。一方で民間の住宅建築はほぼ前年並みにとどまっており、分野によって状況の違いがあることも見えてきます。発注者と施工者の双方にとって、こうした分野ごとの偏りを踏まえた計画づくりが重要になりそうです。
統計の見方に知っておきたい注意点
なお、この統計は億円単位で四捨五入して表示しているため、内訳を合計しても総額とぴったり一致しない場合があります。また国土交通省は毎年6月になると、確定した建設投資額の実績をもとに、過去3年分のデータをさかのぼって補正する仕組みを採用しています。そのため、今回公表された数値についても、今後修正が加えられる可能性があるとされています。
今後の投資動向にも注目
今回の発表では、公共・民間ともに前年を上回るペースで工事が進んでいることが明らかになりました。とくに公共工事の土木分野や民間の土木分野で大きな伸びが見られた一方、住宅建築は落ち着いた動きとなっています。資材価格の上昇や人手不足といった課題が指摘され続けるなかでも、建設投資は全体として底堅さを保っていると言えそうです。次回以降に公表される統計でも、この傾向が続くかどうかが注目されます。
出典情報
国土交通省リリース,建設総合統計【令和8年(2026年)4月分】,https://www.mlit.go.jp/report/press/content/002006926.pdf