国土交通省、4月の建設関連統計を公表、受注高や住宅着工、工事費の動向明らかに

2026年4月分の建設関連統計が国土交通省より公表されました。建設工事の受注状況や新設住宅の着工動向など、日本の建設業界を取り巻く最新の数字が明らかになっています。今回はその概要をわかりやすくまとめてご紹介します。

元請の受注高はやや減少傾向に

2026年4月における建設工事の元請受注高は、合計で6兆7,555億円となり、前年同月と比べて2.5%の減少となりました。

内訳を見ると次のようになります。

・公共機関からの受注:1兆5,654億円(前年同月比1.6%減)

・民間等からの受注:5兆1,902億円(前年同月比2.8%減)

一方で、下請の受注高は4兆2,411億円となり、前年同月比で28.3%という大きな伸びを記録しました。元請と下請で異なる動きが見られる点が特徴的といえそうです。

住宅の新規着工は前年より増加

新設住宅着工戸数については、明るい結果が出ています。2026年4月の着工戸数は62,569戸で、前年同月と比較して11.4%の増加となりました。

種類別では、持家が16,296戸(19.5%増)、貸家が29,265戸(17.3%増)、分譲住宅が16,702戸(3.4%増)と、いずれも前年を上回る結果です。ただし給与住宅については306戸と、79.1%の大幅な減少が見られました。

工事の種類や地域ごとに差が出ている状況

元請受注高を工事の種類別に見ると、土木工事は1兆5,916億円(5.1%減)、建築工事・建築設備工事は4兆2,430億円(5.3%減)となり、いずれも減少しています。これに対し、機械装置等工事は9,210億円となり、19.2%の増加という対照的な結果になりました。

地域別の比較では、次のような違いが見られます。

・東京圏:3兆1,004億円(1.0%減)

・名古屋圏:6,136億円(41.7%増)

・大阪圏:1兆12億円(36.1%減)

・その他地域:2兆403億円(13.3%増)

名古屋圏の伸びが大きい一方、大阪圏は大幅に落ち込んでおり、地域差が鮮明に表れています。

非居住用の建築では倉庫の伸びが目立つ

民間建築主による非居住用建築物の着工床面積は266万平方メートルとなり、前年同月比で26.5%の減少となりました。

用途別の状況は以下の通りです。

・事務所:31万8千平方メートル(16.4%減)

・店舗:31万1千平方メートル(22.5%減)

・工場:37万平方メートル(42.6%減)

・倉庫:79万1千平方メートル(49.8%増)

事務所・店舗・工場が軒並み減少するなかで、倉庫だけが大きく増加している点が目立ちます。物流関連の需要が背景にあるとみられます。

リフォーム需要と工事費の動き

2025年度第4四半期の建築物リフォーム・リニューアル工事の受注高は合計3兆7,037億円で、前年同期比10.8%の増加となりました。住宅分野は1兆1,655億円(27.0%増)、非住宅分野は2兆5,381億円(4.7%増)と、住宅リフォームの伸びが特に大きくなっています。

また、2026年3月時点の建設工事費デフレーターは135.4ポイントとなり、前年同月から6.6ポイント上昇しました。建築・土木いずれも上昇傾向が続いており、工事コストの高止まりがうかがえます。

このように、今回の統計では受注高の減少と住宅着工の増加という、一見すると対照的な動きが同時に見られました。今後も地域や工事種別ごとの差に注目しながら、業界動向を追っていく必要がありそうです。

出典情報

国土交通省リリース,国土交通月例経済(令和8年6月号)概況,https://www.mlit.go.jp/toukeijouhou/getsurei/r08/06/overview.pdf