ドーチェスター・コレクション 東京(仮称)| 清水建設による日本一高いビルの耐震対策とは

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日本一の高さのタワーに開業する、日本トップレベルの宿泊料金のホテル。いったいどんな建物を思い浮かべるでしょうか。
「Dorchester Collection Tokyo(仮称)」は、2028年開業予定のウルトララグジュアリーホテルです。東京駅日本橋口前に建設中の「TOKYO TORCH(トウキョウトーチ)」の最上部にあたります。
この記事では、「Dorchester Collection Tokyo(仮称)」が開業予定のTOKYO TORCHの事業概要をご紹介します。加えて、TOKYO TORCHを手がけた清水建設の耐震工法と、同ホテルが東京駅前の再開発でどのような役割を果たすのか、まちづくりの中での位置づけを整理します。
「ドーチェスター・コレクション 東京(仮称)」とは|施設概要

ドーチェスター・コレクションは、パリ、ロサンゼルス、ドバイなど、世界5都市で展開する富裕層向けのウルトラ・ラグジュアリーホテルです。現在は世界で9つのホテルが営業しており、今回の東京での開業がアジア初進出となります。
ここでは、ドーチェスター・コレクション 東京(仮称)の施設概要をご紹介します。
施設概要
ドーチェスター・コレクション 東京(仮称)の施設概要は、以下をご確認ください。

Dorchester Collection Tokyo(仮称)
- 所在地:東京都千代田区大手町2丁目、中央区八重洲1丁目
- アクセス:東京メトロ 千代田線・丸ノ内線・半蔵門線・東西線・都営三田線「大手町駅」B9a出口直結
東京メトロ銀座線・半蔵門線 三越前駅 B2出口から徒歩1分
東京メトロ銀座線・東西線・都営浅草線 日本橋駅 A1出口から徒歩1分
東京メトロ丸ノ内線 東京駅から徒歩1分
JR 東京駅日本橋口から徒歩1分 - ホテル階数:TOKYO TORCH(トウキョウトーチ) 53階~58階(予定)
- 面積:ホテル延べ床面積 約21,400㎡
- 客室数:110室(予定)
- 共用施設:ラウンジ、ダイニング、レストラン、バンケット、フィットネスジム、スパ、プールなど
トーチタワー
- 規模:地上62階、地下4階(高さ約385m)
- 延べ面積:約 544,000 ㎡
ドーチェスター・コレクション 東京(仮称)は、TOKYO TORCHの最上部、53階~58階に開業予定です。東京メトロ各駅直結、JR 東京駅日本橋口駅からは地下通路で接続されるため、雨の日でも濡れずに移動できるなど、アクセス良好な配置となっています。インバウンドや海外ワーカーなど、多くの来訪者のための利便性向上と混雑緩和に貢献する計画です。
着工日・オープン予定日
ドーチェスター・コレクション 東京(仮称)の開業予定日は、以下をご確認ください。
- 着工日:2023年9月27日
- 竣工日:2028年5月末(予定)
- 開業日:2028年(予定)
2025年6月16日には、工事の安全を祈念する神事「鎮物埋納式」が執り行われました。2025年9月2日には低層部の架構が完成し、地上部の工事が始まっています。
建設現場では、三角形の骨組みがぐるりと一周した低層部の耐震構造「ダイヤグリッド架構」が見られる状態になっています。
ゼネコン|清水建設
ドーチェスター・コレクション 東京(仮称)が開業予定のTOKYO TORCHの設計・施工は、以下をご確認ください。
- 設計:三菱地所
- 施工:清水建設
ドーチェスター・コレクション 東京(仮称)のブランド力を支える清水建設の工法
世界有数のウルトララグジュアリーホテルが誘致されたのは、日本一の高さとなるタワーの最上階です。日本は地震大国であるため、耐震対策はこれまでにない強度が求められます。さらに、ホテルのブランディングとしても、長期的な運用に配慮した環境性能が欠かせません。
ここからは、清水建設が採用した耐震構造と、環境性能を解説します。
高さ約385mのタワーに採用された耐震対策
ドーチェスター・コレクション 東京(仮称)が開業予定のTOKYO TORCHの建設では、低層部と高層部でそれぞれ非常に性能の高い耐震構造が採用されています。
低層部:ダイヤグリッド架構

低層部で採用されているのは、「ダイヤグリッド架構」です。ダイヤグリッド架構とは、斜め鉄骨柱と鉄骨梁による三角形の構造体で、約52mの高さで、低層部の周囲約400mをぐるりと囲むように配置されています。
ダイヤグリッド架構によって、TOKYO TORCHの総重量約80万トンの4割強、約32万トンを支える計画です。建築基準法で求められる2.5~3倍の耐震性能を発揮し、南海トラフ巨大地震で予想されている長周期地震でも揺れを抑えられる計画となっています。
低層部のダイヤグリッド架構は、2025年9月2日に着工、2026年1月26日に完工しています。
高層部:外殻ブレース制震構造

高層部の耐震構造は、「外殻ブレース制震構造」です。一般的な超高層ビルで採用されている「ラーメン構造」は、部材を格子状に組み上げていく構造です。対して、ブレース構造は斜めに部材が入ることによって、横からの力に対して強度を発揮する構造となっています。
また、外殻ブレース構造を採用することで、建物コア部分のコアブレースを従来よりコンパクトにすることが可能になりました。よって、従来より居住スペースを広くとることができたため、客室の快適性向上にも貢献しています。
ブランドの価値を支える環境性能
ドーチェスター・コレクション 東京(仮称)は、平均リピーター率約40%を誇るウルトララグジュアリーホテルです。世界中の拠点で「本物を追求する」姿勢が、多くの支持を獲得しています。このようなホテルを誘致することができる高い環境性能とは、どのようなものでしょうか。
TOKYO TORCHは東京のランドマークとして、未来志向の大規模複合施設を目指しており、すでに2つの環境性能評価システムの予備認証を取得済です。
LEED(米国の環境性能認証制度)では、オープンスペースを多く配置した開かれたまちづくりが評価されました。WELL(米国の健康に配慮した建築を評価)では、オフィスワーカーと来街者への安全配慮などのウェルビーイングを重視する建物づくりが評価されました。
また、ZEB Orientedの取得も予定されています。超高層ビルでありながら、大幅な省エネを実現する設計が高く評価されています。
ドーチェスター・コレクション 東京(仮称)の再開発の中での位置づけ
ドーチェスター・コレクション 東京(仮称)は、TOKYO TORCHのプロジェクトである大手町二丁目常盤橋地区第一種市街地再開発事業(常盤橋プロジェクト)において、どのような位置づけになっているのでしょうか。
ここからは、同ホテルに期待されているインバウンド戦略や、まちづくりとの関係について整理します。

国際インフラの整備
ドーチェスター・コレクション 東京(仮称)が開業予定のTOKYO TORCHは、国家戦略特区として指定されています。国家戦略特区のメリットは、「都市計画ワンストップ特例」と呼ばれる規制改革によって、大幅に手続きが簡素化され、事業のスピードアップが実現する点です。
さらに、首都高速道路の地下化や、東京駅周辺の地下歩行者ネットワーク整備などの協力を条件に、容積率が緩和されました。これによりTOKYO TORCHの容積率の最高限度が1,760%から1,860%に引き上げられたため、計画当初より施設規模が拡大され、超高層化が実現しています。
トーチタワー(TOKYO TORCH)の「トーチ」は希望の明かりとされ、タワー外観もたいまつをイメージしてデザインされています。日本を明るく照らすシンボルタワーとして、ドーチェスター・コレクション 東京(仮称)のような超一流ホテルを誘致することで、国際インフラの整備を目指す計画です。
「世界都市東京」のためのまちづくり
ドーチェスター・コレクション 東京(仮称)は、新しい東京のブランディングにも重要な構成要素のひとつです。
「世界都市東京」のためのまちづくりには、大規模なインバウンド戦略が欠かせません。同ホテルは東京駅から徒歩1分と、世界中のビジネスパーソンから理想的なアクセスとなり、日本の玄関口として「都心観光の核」を目指します。
また、トーチタワーでは「空飛ぶクルマ」の離着陸場や小水力発電の設置も検討されています。このような戦略を通して、世界都市として東京をリブランディングしていく計画となっています。
まとめ
ドーチェスター・コレクション 東京(仮称)のようなウルトララグジュアリーホテルでは、高い耐震性と環境性能をはじめとする居住快適性が求められます。清水建設は、建築基準法で求められる2.5~3倍の耐震性能を発揮する耐震構造を採用することで、高い安全性を確保しました。
国家戦略特区を活用し、超高層化を実現した点も戦略的です。今後の大規模再開発においても、同ホテルのような施設誘致が、都市計画と国際競争力向上に欠かせないものとなるでしょう。