アマンレジデンス 東京・ジャヌ東京|清水建設のDXが支えた虎ノ門・麻布台ヒルズプロジェクト

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出典:PR TIMES,“ヒルズの未来形”「虎ノ門・麻布台プロジェクト」 「アマンレジデンス 東京」と新ブランドのホテル「ジャヌ東京」が誕生,https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000048109.html,参照日2026.4.24

「アマンレジデンス 東京」と「ジャヌ東京」は、虎ノ門・麻布台プロジェクト(虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業)で誕生した分譲住宅とホテルです。

超富裕層向けの高級施設としてメディアからの注目も大きいアマンとジャヌですが、両施設のある麻布台ヒルズは、ゼネコン清水建設のDXへの取り組みが大きく推進されたプロジェクトでもあります。

この記事では、アマンレジデンス 東京・ジャヌ東京の事業概要とともに、本プロジェクトで清水建設が推進したDXへの取り組みについて整理します。

アマンレジデンス 東京とは|事業概要

出典:PR TIMES,都市再生特別地区(虎ノ門・麻布台地区) 都市計画(素案)の概要,
https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/tokyoken/tokyotoshisaisei/dai11/shiryou1.pdfl,参照日2026.4.24

アマンレジデンス 東京は、世界有数のスモールラグジュアリーホテルを展開する「アマン」によるブランデッドレジデンスです。全91戸の分譲住宅が、麻布台ヒルズA街区「森JPタワー」の最上階に入居しています。

所在地・規模・構造

出典:森ビル株式会社,「麻布台ヒルズ」本日11月24日開業,https://www.mori.co.jp/press/release/_1124/,参照日2026.4.24

アマンレジデンス 東京の所在地や規模は、以下をご確認ください。

  • 所在地:東京都港区麻布台1丁目3-1(虎ノ門・麻布台地区 A街区 森JPタワー 54~64階)
  • 最寄り駅:東京メトロ南北線 六本木一丁目駅、東京メトロ日比谷線 神谷町駅
  • 総戸数:91戸

アマンレジデンス 東京が入居する森JPタワーの所在地や規模は、以下をご確認ください。

  • 敷地面積:約24,100㎡
  • 延床面積:約461,400㎡
  • 規模:地上64階(高さ約330m)、地下5階
  • 構造:S 造(一部SRC造、RC 造)

森JPタワーの外観は完全な直線ではなく、曲線を取り入れた独特の形状です。これは日本の「むくり」を取り入れたデザインで、中央まではゆるやかにふくらみ、最上部に向かって細くなることで、自然な美しさと包み込むような印象を与える形状となっています。

また、森JPタワーは最寄りの地下鉄駅と約16mの高低差があります。そのため、人の流れと広場の配置を先に決定し、建物を配置する景観計画が進められてきました。こうした空間設計により、麻布台ヒルズプロジェクトのコンセプトである「緑に包まれ、人と人をつなぐ広場のような街」を体現し、ウォーカブルで持続可能なまちづくりとする計画です。

竣工日・開業日

アマンレジデンス 東京が入居する森JPタワーの竣工日・開業日は、以下をご確認ください。

  • 竣工日:2023年6月30日
  • 開業日:2023年11月24日

ゼネコン|清水建設

森JPタワーの設計・施工は、以下をご確認ください。

  • 設計:森ビル、日本設計、清水建設
  • 施工:清水建設
  • タワーデザイン:ペリ・クラーク&パートナーズ
  • インテリアデザイン:ヤブ・プッシェルバーグ

森JPタワーの外装デザインは、アメリカの設計会社ペリ・クラーク&パートナーズによるものです。同社と森ビルとのプロジェクトは今回で3例目となり、森ビルの「森ビルらしさ」を作り上げる強いパートナーとなっています。

インテリアデザインのヤブ・プッシェルバーグ氏は、高輪ゲートウェイ駅「TAKANAWA GATEWAY CITY」の複合棟「THE LINKPILLAR 1」のホテル内装デザインも手掛けています。

ジャヌ東京とは|事業概要

出典:PR TIMES,2023年秋、JANU TOKYO(ジャヌ東京)が開業,
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000147.000021735.html,参照日2026.4.24

「ジャヌ東京」は、麻布台ヒルズB街区「麻布台ヒルズレジデンス A」の1-13階に入居したラグジュアリーホテルです。ジャヌは世界有数のラグジュアリーホテルブランド「アマン」の姉妹ブランドであり、今回の開業が世界初オープン・日本初進出となります。

所在地・規模・構造

出典:森ビル株式会社,「麻布台ヒルズ A街区・C街区」が竣工,https://www.mori.co.jp/press/release/_ac/,参照日2026.4.24

ジャヌ東京の所在地や規模は、以下をご確認ください。

  • 所在地:東京都港区麻布台1丁目2-2(虎ノ門・麻布台地区 B-2街区 麻布台ヒルズレジデンス A 1~13階)
  • 最寄り駅:東京メトロ南北線 六本木一丁目駅、東京メトロ日比谷線 神谷町駅
  • 客室数:120室
  • 総面積:約21,000㎡
  • ウェルネス施設延床面積:約4,000㎡
  • 標準客室面積:約60㎡

ジャヌ東京が入居する麻布台ヒルズレジデンス Aの所在地や規模は、以下をご確認ください。

  • 敷地面積:約16,500㎡
  • 延床面積:約155,500㎡
  • 規模:地上54階(高さ約240m)、地下5階
  • 構造:鉄筋コンクリート造、一部鉄筋鉄骨コンクリート造、鉄骨造

ジャヌ東京が入居する「麻布台ヒルズレジデンス A」は、側面の一部に曲線的な形状を持つ、左右非対称の外観デザインです。敷地の起伏を活かして設計された空間に融合するため、直線的な印象をやわらげ、緑あふれる街と自然になじむ外観にデザインされています。

竣工日・オープン予定日

麻布台ヒルズレジデンス Aの竣工日・開業日は、以下をご確認ください。

  • 竣工日:2024年3月13日
  • 開業日:2023年9月30日

ゼネコン|清水建設

ジャヌ東京が入居する麻布台ヒルズレジデンス Aの設計・施工は、以下をご確認ください。

  • 設計:森ビル
  • 施工:清水建設
  • タワーデザイン:ペリ・クラーク&パートナーズ
  • インテリアデザイン:デニストン設計事務所

ジャヌ東京のインテリアデザインは、マレーシアを拠点とする設計事務所「デニストン」によるものです。デニストン設計事務所は、世界的なホテルブランド「アマン」のパートナーとして、長年にわたり設計を担っています。

麻布台ヒルズで推進された清水建設のDX

アマンレジデンス 東京とジャヌ東京が入居する麻布台ヒルズの2街区は、どちらもゼネコン清水建設による施工です。清水建設は麻布台ヒルズ施工中の2021年に「DX銘柄2021」に選定され、DXによる業務改革が始まっていました。

虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業(虎ノ門・麻布台プロジェクト)のA街区である森JPタワーの工事では、「Shimz Smart Site」というデジタル技術を取り入れた施工を実践しています。

ここでは、麻布台ヒルズで推進された清水建設の建設DXへの取り組みについてご紹介します。

複雑な外観はBIMデータの活用で業務効率化

虎ノ門・麻布台プロジェクトA街区の森JPタワーは、高さ約325mの大規模複合ビルです。その外壁の多くがガラスカーテンウォールに覆われています。

森JPタワーの形状は真ん中にふくらみを持たせているため、カーテンウォールはひとつひとつ違う幅や高さで構成されています。このような複雑な形状のカーテンウォールで、納まりを精度高く仕上げるには、BIMデータの活用が欠かせません。

清水建設はBIMの活用により、自然な曲線を多用したガラスカーテンウォールの設計、発注、施工に取り組み、業務効率化を図っています。

5,000名をつなぐモニタリングシステムで現場を「見える化」

A街区は延べ面積約46万㎡、東京ドーム約10個分の面積で、日々5000人以上の作業員が働く現場となっています。この広大な現場で進捗や情報の共有を確実に行うために、Wi-Fiを使ったモニタリングシステムが構築されました。

Wi-Fiで集められた情報は、敷地内の「スマートコントロールセンター」へ集められます。そこで作業工程を解析し、効率化を進めました。

広大な建設現場では、各フロアの進捗状況の確認が大きな作業負担となります。清水建設は現場へのカメラ設置とコントロールセンターへの集約で、工事現場の状況を見える化し、徹底した業務効率化に取り組みました。

4種の現場ロボットによる省人化

A街区の業務効率化として、清水建設は4種のロボットを現場で稼働させています。自動搬送ロボット、溶接ロボット、床施工ロボット、耐火被覆ロボットの4種類です。

自動搬送ロボットはスピードこそ人間に劣りますが、人間のように労働時間の規制がないため、夜間でも継続して搬送作業ができるメリットがあります。人手不足で年々技能者が減ってきている鉄骨の溶接では、溶接ロボットが活躍しました。

床施工は単純作業のため、比較的ロボットを使いやすい作業とされています。耐火被覆ロボットは、耐火被覆材を吹き付けるほこりだらけの現場で、過酷な作業を人間の代わりに行います。

こうした現場作業を担うロボットに加え、さらに巡回ロボットが現場内を自由に動き回り、現場の進捗状況を事務所に送ります。清水建設は多種多様なロボットの活用によって、省人化と業務効率化を推進しています。

大型ディストリビュータで2,000人の省人化

ジャヌ東京が入居するB-2街区では、大型ディストリビュータによる省人化が行われました。計画では、4階の床から塔屋1階まで、約4万㎥のコンクリートの打設に活用される見込みです。

ディストリビュータは、折り畳み式の長いブームを上空から伸ばして、現場の広い範囲にコンクリートを分配・打設し、コンクリート打設工事を効率化する機械装置です。

B-2街区で使用された大型ディストリビュータは、水平長約29メートルの折り畳み式ムーブを備えていました。この大型ディストリビュータの特徴は、従来よりもコンパクトなことです。建設現場のエレベーター開口内で展開できることから、作業時間を大幅に短縮し、結果として約2,000人の省人化を実現することが見込まれています。

まとめ

アマンレジデンス 東京とジャヌ東京は、富裕層向けの分譲住宅とホテルとして、麻布台ヒルズの森JPタワーとレジデンス Aに入居しています。それぞれ世界的なデザイナーによる美しい外観やインテリアが注目されていますが、その土台である大規模複合施設の建設では、清水建設のDXが大きな成果を上げていました。

今後の大規模再開発においても、省人化と業務効率化の成否は、BIMをはじめとした建設DXへの取り組みと活用にかかっているのではないでしょうか。