電子納品ソフトを比較|おすすめツール紹介
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トレンドワード:電子納品
「電子納品」についてピックアップします。電子納品は従来の紙の納品に代わる新たな方法で、業務効率化が期待されています。本記事では、おすすめの電子納品ソフトの紹介やオンライン電子納品との違いについてもまとめています。
電子納品ソフトとは
電子納品とは、工事の各業務成果をデジタル形式で納品することを指します。従来までの納品作業は紙ベースで行われることが一般的でしたが、CD-R等に保存することで業務効率化が図れます。
電子納品ソフトは、専用フォーマットに入力するだけで作業が完了するツールです。各業務に特化した形式になっているため、余計な作業も無く簡単に納品が行えます。
電子納品ソフトのメリット
電子納品ソフトのメリットとしては、下記の点が挙げられます。
- 業務の効率性
- コスト削減
- 環境への負荷軽減
- 正確性と信頼性
紙の文書を使うよりも、電子納品を導入する方が作業の効率が向上します。データを瞬時に送受信でき、迅速な対応が可能です。また、紙や郵送にかかるコストも削減できます。封筒や郵便料金、印刷コストなどが不要になり、経費削減に繋がります。
ペーパーレスであれば、紙資源の節約や印刷に伴う環境負荷の軽減が期待できます。環境に対する貢献にもつながります。手作業でのエラーや紛失のリスクが減り、データの安全性も保たれます。追跡や管理も容易になるので、必要な情報をすぐに見つけることも可能です。
おすすめの電子納品ソフト
ここでは、おすすめの無料・フリー電子納品ソフトをご紹介します。
①かんたん電子納品
「かんたん電子納品」は、電子納品要領に準拠した電子成果を作成できるツールです。下記6つの電子成果に対応しており、自己完結性の高いソフトとなっています。
- ①工事管理ファイル(INDEX_C.XML)
- ②写真管理ファイル(PHOTO.XML)
- ③施工計画書管理ファイル(PLAN..XML)
- ④打合せ簿管理ファイル(MEET.XML)
- ⑤工事完成図管理ファイル(DRAWINGF.XM)
- ⑥その他管理ファイル(OTHRS.XML)
電子成果を作成した後、国土交通省国土技術政策総合研究所が提供しているチェックシステムを起動し、作成した電子成果を最終チェックする機能も備わっています。作成された電子成果を30以上の様式で閲覧・印刷でき、通常の工事写真帳に酷似した様式でも閲覧・印刷可能です。
②現場VIEWER Pro
「現場VIEWER Pro」は、電子納品ビューアです。国土交通省・農林水産省等の多様な基準案に対応しており、主に下記の基準に該当します。
- 国土交通省 工事完成図書の電子納品要領(案)平成16年 6月
- 国土交通省 CAD製図基準(案) 平成16年 6月
- 国土交通省 デジタル写真管理基準(案) 平成16年 6月
- 国土交通省 工事完成図書の電子納品要領(案)平成13年 8月
- 国土交通省 設計業務等の電子納品要領(案) 平成15年 4月
- 国土交通省 CAD製図基準(案) 平成15年 7月
- 国土交通省 デジタル写真管理基準(案) 平成14年 7月
- 国土交通省 地質調査資料整理要領(案) 平成15年 7月
- 国土交通省 測量成果電子納品要領(案) 平成15年 3月
- 国土交通省 営繕工事電子納品要領(案) 平成14年11月改訂版
- 国土交通省 建築設計業務等電子納品要領(案)平成14年11月改訂版
- 国土交通省 建築CAD 図面作成要領(案) 平成14年11月改訂版
国土交通省チェックシステムと同等レベルのXMLチェック機能や、CADのレイヤチェック・エラー箇所を閲覧できるCADビューアを標準装備しています。20日間はライセンス登録なしでフル機能が利用できるため、まずは一度試してみたいという方にもおすすめです。
③CALS Manager(キャルスマネージャ)
「CALS Manager(キャルスマネージャ)」は、施工計画書、打合せ簿、台帳、図面などの納品ファイルをかんたんに整理し、電子納品提出データを作成できるソフトウェアです。国土交通省等の最新の要領基準・要領に対応しています。
- 【国土交通省】 工事完成図書の電子納品等要領(令和5年3月)
- 【国土交通省】 工事完成図書の電子納品等要領 電気通信設備編(令和5年3月)
- 【国土交通省】 デジタル写真管理情報基準(令和5年3月)
- 【国土交通省】 営繕工事電子納品要領(令和3年)
- 【日本下水道事業団】 工事記録写真電子管理要領(令和5年4月)
境界座標入力支援サービスから平面直角座標や緯度経度をコピーして入力できるため、便利に活用できます。また、スタイルシート付提出データを閲覧できるビューアの出力機能も追加されました。無料のフリー版では、製品版と同機能を1年間試用できます。
④EX-TREND武蔵(エクストレンド武蔵)
「EX-TREND武蔵(エクストレンド武蔵)」は、工事に必要な測量計算、CAD、出来形・写真・品質管理、電子納品などができる土木施工業向けオールインワンシステムです。3次元設計データの作成から日々の施工管理まで、現場の生産性向上をサポートします。
各発注機関の電子納品要領に対応しており、ファイル登録コンシェルジュ機能により誰でも簡単に電子納品データを作成できます。
⑤蔵衛門pad
「蔵衛門pad」は、電子小黒板を簡単にはじめることができる工事写真撮影タブレットです。工事写真の撮影・黒板の書き込み・図面の持ち運び・書き込みができるほか、データの共有・チャットでのトークも可能です。専用端末なので初期設定が不要で、セキュリティ面でも安心です。
電子納品のデータ出力機能も搭載されており、国土交通省や農林水産省、NEXCO、首都高速道路株式会社など、各基準/要領に準拠しています。
⑥Photoruction(フォトラクション)
「Photoruction(フォトラクション)」は、施工管理システムで生産性向上を実現する建設生産支援クラウドです。写真管理や図面管理、工程管理業務を効率化し、写真管理からBIMまで対応しています。
大量の写真管理も、スマートフォンやタブレットから撮影するだけで自動整理します。 国土交通省をはじめとした電子納品のファイル作成機能が備わっており、ブラウザ上から簡単に電子納品ファイルを作成できます。
電子納品とオンライン電子納品の違い
国土交通省が定めたガイドラインによると、 『「オンライン電子納品」とは、情報共有システム上の電子成果品(打合せ簿、報告書、図面等)を、インターネットを介して納品すること』とされています。
これまでの電子データ納品の際には、CD-R等の記録媒体を用いるのが慣例となっていました。しかしオンライン電子納品ではインターネットを介して納品するため、業務効率化が期待されています。
受注者側のメリットとしては、CD-R等への格納やラベル等の作成、郵送等に掛かっていた時間や費用が削減できるため、省力化となります。一方で発注者においては、チェック作業の軽減、自動登録による電子成果品の確実な納品が可能に。
【参考】https://www.mlit.go.jp/common/001271248.pdf
電子納品の工事写真規定とは
オンライン電子納品は基本的にインターネット上で手続きが可能ですが、写真は「電子媒体に格納し提出」となっているため注意が必要です。
また要件についても細かい定義がされています。通常の工事では、工事写真を整理して工事写真台帳を作成し、施主や元請けなどに提出すれば業務完了です。しかし公共工事等では工事写真を電子納品することが求められているので、要件を満たすように撮影機器の日付設定、画質や撮影される写真のサイズ(比率)などを確認しておかなければなりません。
国土交通省の「デジタル写真管理情報基準」では、デジタル写真の納品規則が細かく規定。たとえば下記のような要件が指定されています。
- 電子媒体は、CD-ROM、MO(230Mb以下)を原則とし、提出時における有効画素数を80万画素以上。
- 記録形式はJPEGとし、非圧縮~圧縮率1/8までとする。
- ファイル名称は半角80文字以内(拡張子”.JPG”を含む)、半角英数大文字と全角文字を混在して使用可能とし、同一媒体に記録する他のファイル名と重複しないこととする。
【参考】http://www.cals-ed.go.jp/cri_point/
電子納品ソフト選びのポイント・注意点
- 国土交通省認定のソフトにする
- 無料版は課金を確認する
- オンライン電子納品対応が便利
まとめ|電子納品ソフトで業務効率化
オンライン電子納品では、データのやり取りがインターネット上で完結するため省力化やコスト削減に繋がります。業務効率化のためにも、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。